トランプ大統領や南北朝鮮の首脳にノーベル平和賞受賞資格はない!

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米朝首脳

<2020/9/12追記>トランプ大統領がまたしても「ノーベル平和賞候補」に!

2020/9/10、アメリカのホワイトハウスは、長年対立していた中東のイスラエルとUAE(アラブ首長国連邦)との国交正常化を仲介したことが認められたとして、トランプ大統領が来年のノーベル平和賞候補に推薦されたと発表しました。

2020/9/11には、アメリカの仲介によるイスラエルとバーレーンとの国交正常化も発表されたので、来年のノーベル平和賞がトランプ大統領に授与される話は現実味を帯びて来ました。

1.ノーベル平和賞は以前から政治的思惑で授与されて来た

前に、村上春樹氏の「ノーベル文学賞」の代替賞のノミネート辞退の記事を書きましたが、今回は間もなく発表される「ノーベル平和賞」について書いてみたいと思います。

「ノーベル平和賞」は、以前から政治的な思惑で授与されています。1974年に佐藤栄作元首相が受賞した時、私は「なぜ佐藤栄作氏がノーベル平和賞をもらえるのか?何をして平和に貢献したのか?」理解できませんでした。

「沖縄返還を実現させたから」とか、「核不拡散・非核三原則を提唱したから」とかいろいろな理由があげられました。しかし、沖縄返還時に多額の金がアメリカに支払われたという疑惑というか噂もあります。これは、1972年に起こった「外務省機密漏洩事件」「沖縄密約事件」いわゆる「西山事件」で発覚しました。

この「沖縄密約」とは、佐藤首相とニクソン大統領が「沖縄返還協定」に合意した時、アメリカ政府が支払うことになっていた「地権者に対する土地原状回復費用4百万ドルを、実際には日本政府が肩代わりして支払うという密約」および「有事の際の米軍による核持ち込み許容の密約」です。

また佐藤栄作氏が亡くなってから、「核密約文書」が自宅で見つかっていることから、今ではあの受賞は間違っていたという意見も多いようです。

オバマ大統領も、特に平和への貢献が何もないのに、2009年に受賞してします。「核廃絶演説」を二回やっただけで、何の実績もありません。核廃絶の「期待」だけで受賞できるものなのでしょうか?

1994年に受賞したアラファト議長の場合も、よくわかりません。長らくイスラエルに対する強硬派で、イスラエルとの武装闘争を主導しましたが、1993年にイスラエルとの歴史的な和平協定を締結して、パレスチナ暫定自治政府を設立したというのが授賞理由です。

2.トランプ大統領・文在寅大統領・金正恩委員長には受賞資格はない

長らく戦争をして来て、やめたらノーベル平和賞をもらえるのなら、何だか韓国の文在寅大統領、北朝鮮の金正恩委員長、アメリカのトランプ大統領が狙っているのも、あながち見当外れとも言えません。

しかし、韓国の文在寅大統領は、北朝鮮の金正恩委員長と三回も首脳会談を開催して「歴史的会談」と自画自賛していますが、北朝鮮が核廃絶をすると本気で考えているのでしょうか?南北統一後の政治スキームはどう考えているのでしょうか?北朝鮮に合わせて共産主義国にするのでしょうか?ドイツのように資本主義国に統一するなら、北朝鮮の負の遺産をどう処理して行くつもりなのでしょうか?また北朝鮮の金正恩委員長の処遇をどうするつもりなのでしょうか?南北朝鮮の両国は、政権交代で「太陽政策」という対北朝鮮宥和政策になったり、「北風政策」という対北朝鮮強硬政策になったりを繰り返してきましたが、基本的に一線を越えることはありませんでした。それが、朴槿恵大統領の強硬路線が、文在寅大統領になったら一変するというのは、どう考えても理解できません。元々、文在寅大統領が北朝鮮の地方の出身で、「太陽政策」を推進した廬武鉉大統領(退任後に不正献金疑惑で事情聴取され自殺)の側近だったことから、北朝鮮寄りの政策になることは十分予想されましたが、ここまで行くとは驚きです。

トランプ大統領にしても、北朝鮮が「アメリカ本土に到達するICBM」がなくなれば、あとは日本が「中距離弾道ミサイル」の脅威に晒されてもOKなのでしょうか?勿論、日米安保体制によって、アメリカは日本を必ず守るという原則論を展開するかも知れません。「北朝鮮の非核化にかかる費用は、日本と韓国の負担でしてもらえ」というのも、「拉致被害者問題」を置き去りにした日本の立場をないがしろにした虫のいい無責任な話なので、とてもノーベル平和賞に値するとは思えません。折角安倍首相がトランプ大統領と親密な関係を築いたと喜んでいたのに、やはり「America First」ということなのですね?国際政治はやはりそんなに甘いものではないと痛感します。

それにしても、1年前まであれほどお互いに罵り合って、強硬な態度を誇示して来た米朝首脳が、一転して急接近した背景には、次のような理由があると考えられます。トランプ大統領は、秋の中間選挙や各州の知事選挙を控えて、「外交上の得点」を稼いでおきたいこと。一方、金正恩委員長の方は、核ミサイル開発で国費を浪費してしまい、多くの国民が飢餓に喘ぎ、八方塞がりの状態で、外貨を得る必要に迫られています。今までは、「ミサイル開発や核開発の凍結」や「拉致被害者問題の再調査」という甘言で各国を欺いて経済制裁を何度も緩和させることに成功したり、「国連の人道支援」などで凌いできましたが、限界に来たのではないでしょうか?

それと、米朝間の激しい非難の応酬の中で、このまま行けばトランプ大統領が、本気で米朝戦争を始めるつもりかも知れないと金正恩委員長が危機感を抱いたことも原因でしょう。アメリカの「斬首作戦」で自分が真っ先に血祭に上げられる恐怖を感じたのかも知れません。

3.ノーベル平和賞の運営姿勢を見直す必要がある

オバマ前大統領が、北朝鮮の金正恩委員長に対して、「ノーベル平和賞」を狙えと発言したそうですが、これもトランプ大統領に勝るとも劣らない無責任な発言だと思います。

本来なら、戦後73年間も平和を守り通した日本のような国、あるいは原水爆禁止を訴え続けて来た被爆者団体こそ、「ノーベル平和賞」を受けるに値すると私は思うのですが・・・

この際、「ノーベル財団」にも、「第三者委員会」でも入れてその運営姿勢を正す必要があるのではないでしょうか?ただ、現実にはそんなことはできませんが・・・。