「賛成と反対が僅差」の時の対処法。イギリスのEU離脱などの具体例で考える!

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EU離脱

1.イギリスのEU離脱問題

イギリスのEU離脱の国民投票の結果は、「離脱」が51.3%で「残留」が48.1%という僅差でした。しかも、最初にEU離脱を煽動した政治家が、キャンペーンでの「嘘」を認め、首相選挙への出馬も辞退するなど国民投票後も混乱が続きました。

メイ首相は、もともとEU残留派なのに、「国民投票」で僅差ながら「EU離脱」が多かったことを踏まえて「EU離脱は国民の意思」として離脱手続きを進めていますが、これで本当によいのでしょうか?「再度の国民投票」の話が出たのも当然だと私は思います。

イギリス国民の中には、「EU離脱派」の「嘘」にだまされて投票した人も多いと思われます。これは「錯誤による意思表示」で、国民に「重大な過失」もないので、「無効」というべきものではないでしょうか?

2.沖縄普天間基地の辺野古移設問題

2014年に仲井眞知事の任期満了に伴って行われた沖縄県知事選挙で翁長知事が当選した時、投票率は64.13%で、翁長氏の得票率は51.7%でした。仲井眞氏は37.3%となっています。

しかし、翁長知事は、「辺野古移設反対は全沖縄県民の意思」だとして、前知事の仲井眞氏の「辺野古埋め立て承認」を取り消すなど、政府に対してあらゆる手段を用いた「徹底抗戦」を亡くなるまで続けました。これは、地方自治体の首長として行き過ぎではなかったのかと思います。投票した県民のうち、48.3%が翁長知事を支持していなかったことを無視した行動ではないでしょうか?

3.大阪都構想問題

大阪都構想」は、橋下徹氏が立ち上げた「大阪維新の会」が最重要政策として掲げた「統治機構改革」の構想です。「大阪府」と「大阪市」の統治機構(行政制度)を、東京都のように「都区制度」に変更しようというものです。

2015年5月に行われた大阪市民を対象とした住民投票の結果は、「反対」が50.38%「賛成」が49.62%と非常に僅差でした。その後の大阪市長選挙・大阪府知事選挙で「大阪維新の会」の後身である「日本維新の会」の吉村洋文市長と松井一郎知事が当選した訳ですから、反対派の意見も取り入れて修正を加えた上で、大阪都構想の実現を再度目指すのが正しいやり方だと私は思います。

<2020/9/3追記>「大阪都構想」の2回目の住民投票実施が決定

2020/9/3、「大阪都構想の協定書(設計図)」が大阪市議会で可決、承認されました。8/28には大阪府議会で承認済で、2回目の住民投票の実施が決まりました。日程は「10月12日告示、11月1日投開票」になる見込みです。9月7日にも「市選挙管理委員会」が決定します。

4.自民党総裁選挙

前回の自民党総裁選挙において、国会議員票では安倍氏が優勢だったものの、党員票では石破氏が安倍氏を上回ったことを重視して、安倍首相は、総裁選後に石破氏を「幹事長」の要職に抜擢しました。これは妥当な対応だったと思います。

しかし、今回の総裁選挙では、国会議員票・地方党員票ともに、安倍氏が優勢であったこと、選挙前から石破氏による安倍氏批判が次々と出ていたため、一緒にやって行くことは難しいと判断して石破氏を含む石破派の起用を行ないませんでした。「閣内不一致」などの摩擦を避けるためにも、妥当な対応だったと思います。

政治の素人が、政治のことをあれこれ言うのは「床屋談義」のようなものですが、政治家の皆さんには、上記のような賛否が拮抗している問題については、双方の主張をよく勘案・熟考した上で、冷静に対処をして頂きたいと思います。