「投げ銭」する「SHOWROOM」の前田裕二社長は「メモ魔」でユニークな発想!

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前田裕二

1.大衆演劇や大道芸での投げ銭

「大衆演劇」や「大道芸」などでは、昔から「おひねり」「投げ銭」が行われていましたが、今ネット上で「投げ銭システム」を採用している「SHOWROOM」という会社が話題になっています。

2017年6月の「第9回AKB総選挙」の投票期間中に、実際の「総選挙」とは違う事態が起きている場所がありました。それは、「SHOWROOM」というインターネットの生放送配信プラットフォームでした。

総選挙の投票期間中に、SHOWROOM上ではAKBメンバーがそれぞれ生配信放送を行い、最終日に人気ランキングとして発表されました。結果は、総選挙で優勝した指原莉乃さんが68位、一方1位は総選挙「圏外」の大西桃香さんでした。

大西桃香さんは、2016年6月の登録後、「毎朝5時半」という時間を設定し、毎朝生配信を続けました。3000人から5000人のファンが、スマホの前で毎朝彼女の配信を待っていたそうです。彼女の1年間の努力の継続が、1位という結果をもたらしたのでしょう。

2.「SHOWROOM」と「投げ銭システム」とはどういうものか

SHOWROOMは「ネット上の生配信放送で、アイドルとファンをマッチングさせるサービス」です。

このSHOWROOMは、プロのアイドルだけではなく、誰でも簡単に「演者(アイドル)」としてパソコンやスマートフォンから生放送配信できるプラットフォームです。

「ルーム」と呼ばれるアイドルの生放送配信中の空間を訪れると、視聴者の「アバター」がアイドルを取り囲むように配置されています。

視聴者は、アバターを通じてアイドルとリアルタイムのやり取りを楽しむことが出来ます。また視聴者はアイドルに対して、無料の仮想アイテムである「星」や、有料で購入できる「ギフト」を「投げ銭(ギフティング)」します。その「ギフト」が、アイドルの稼ぎになると共にSHOWROOMの収益になる訳です。

視聴者として利用登録している人は130万人にも上るそうです。利用登録をすると、「ギフト」を贈れるようになりますが、生放送配信を視聴するだけなら登録は不要です。

SHOWROOMの魅力は、(1)ライブ空間を楽しめること、(2)配信者にはお金が支払われること、(3)芸能界の夢を直接応援できることです。

3.「SHOWROOM(株)」とはどういう会社か

(株)ディー・エヌ・エー(DeNA)が、2013年11月に、「仮想ライブ空間」をキャッチコピーとして運営を開始した事業が、会社分割によってSHOWROOM(株)の運営に移行しました。

前田裕二社長は、一度DeNAの内定をもらいますが、外資系の投資会社に入社、2年目にはアメリカで実績を残した手腕を認められ、DeNAの南場智子会長に直々に引き抜かれたそうです。

4.「前田裕二」とはどういう人物か

タレントの石原さとみさんとの交際が噂される前田裕二さん(1987年~ )ですが、早稲田大学出身の31歳です。彼の経歴は、上に述べた通りですが、会社の公式サイトの「社長メッセージ」で次のような理念を述べています。

– エンターテインメントを武器に、地球上の機会格差を無くす –
Armed with the power of entertainment, we do everything possible in our effort to rectify opportunity differentials across the globe.

これは、彼がインドを旅行中の寝台列車の中で、真夜中にうとうとしていると、足の不自由な少年が近づいて来て「ドラムの真似事」のようなパフォーマンスを始めたそうです。

「僕のパフォーマンスが良かったと思ったら、お金を恵んでほしい」という意味だと彼は勝手に解釈して、お金を渡したそうです。

周りのインド人達は、眠りを邪魔されたことが気に障ったのか、階級社会の影響か、その後、少年を別の車両へ追いやってしまったそうです。

彼は、去って行く少年の後ろ姿が妙に印象的で、脳裏に焼き付いたそうです。

これが、SHOWROOMの発想の原点ということでしょう。

蛇足ですが、彼は業界一の「メモ魔」だそうです。メモを取る理由は「より本質的なことに時間を割くため」と述べています。

また「メモとはノウハウではなく姿勢だ」と述べています。

私は、ブログのネタを思いついた時にメモに残すようにしていますが、それは、後で忘れてしまうことがあるからです。「ブログのネタ帳」は、「水鳥の水面下の動き」と同じです。インターネットが普及する前は、どこで読んだか調べようとしても大変な手数がかかりましたが、今では有名なものであれば、ネットで「キーワード検索」すれば容易にわかります。しかし「発想のメモ」は、現代でも依然として必要です。

メモに残すことで、クリエイティブな思考をする時間を捻出することが出来るからです。アイデアの「記憶」のために無駄な脳の働きをさせないためです。

彼のこの言葉もそういう意味なのではないかと、私は勝手に解釈しています。