「オタ芸」私設応援団長が矢沢永吉ライブの「出入り禁止」に!

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矢沢永吉

皆さんは「オタ芸」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?

私は、最近になって矢沢永吉さん(1949年~ )のライブで「オタ芸」をする私設応援団が、ほかの一般のファンやお客さんの迷惑になるということで「出入り禁止」にしたという報道で初めて知りました。

矢沢永吉さんと言えば、私と同じ「団塊世代」で、「永ちゃん」「ボス」という愛称で親しまれています。

1972年にロックバンド「キャロル」の結成後、1975年にはソロデビューを果たし、今日まで活躍を続けている息の長い人気ミュージシャンです。

1.「オタ芸」とは何か

「オタ芸」とは、「コンサートなどにおいてファンが繰り広げる、独特な動きを伴う踊りや掛け声のこと」です。

文字通り、アイドルオタク(追っかけ)などが、アイドルなどのコンサート・ライブで行っている、アイドルのために捧げる応援の芸(パフォーマンス)、応援方法です。

1970年代~1980年代のころは、アイドルの「親衛隊」が曲に合わせて一斉に声を掛ける応援スタイルがよく見られました。

2000年代に入って、上記の「一斉掛け声」の応援スタイルに踊りが加わるなど多様化し、つんく♂さんが総合プロデュースを手掛けた「ハロー!プロジェクト」系コンサートにおいて、「オタ芸」として認知されるようになりました。

2.矢沢永吉さんの私設応援団の「オタ芸」の実態

矢沢永吉さんは、1972年のキャロル時代からソロデビュー以降も、暴走族やヤンキーなどの不良層の支持を受けているため、コンサート会場周辺は毎年不良の集会と化し、ファン同士の乱闘騒ぎもしばしばあり、一般のファンが近寄り難い雰囲気がありました。

コンサートの広告には「特攻服での入場はお断りします。また他のお客様を威圧する服装・集団も入場をお断りすることがあります。」と明記されています。

また、過去の迷惑行為の多くが飲酒者によって引き起こされていたため、現在は入場時にアルコールチェックを行い、飲酒者を締め出しています。

「私設応援団」の「周囲に威圧感を与えるような旗振り、特攻服などの威圧行為、周囲に迷惑となる永ちゃんコールの強要・煽り」など、一般のファンが、「行きたいけど怖くて行けない」「肝心の矢沢永吉の歌を落ち着いて聞けない(聞こえない)」という迷惑を及ぼしていたのです。

このような流れの中で、2019年1月に、「私設応援団」なる迷惑ファンの出入り禁止およびファンクラブの強制脱会 の措置を下したことを公式サイトで報告したということです。

3.歌舞伎の「大向うからの掛け声」との違い

「大向(おおむこ)う」とは、「芝居小屋の向こう桟敷の後方、舞台から最も遠い客席のこと」です。また、そこに座る客のことで、安価な席にたびたび通ってくる見巧者の客を指します。ここから転じて「大向うに座った客が掛ける声」、また「その掛け声を掛ける客」のことも指します。

「大向うを唸らせる」とは、そういった芝居通をも感心させるほどの名演のことです。

歌舞伎を見ていると、よく立役者が大見得を切るところで、大向こうから「成田屋!」とか「音羽屋!」とかの声が掛ります。

これは、普通歌舞伎役者の方から、掛け声をかける専門の人に依頼しているのです。歌舞伎では劇の雰囲気を盛り上げるため、大向こうから声を掛けてもらう演出が定着しています。

劇場は、掛け声の会に所属することを条件に声を掛ける者に「木戸御免」(芝居などに料金を払わずに入れること)の許可証を発行しているそうです。

「オタ芸」も、この歌舞伎の「大向うからの掛け声」のようなものなら、迷惑ではなく、むしろ雰囲気を盛り上げるものなのですが・・・

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