トランプ大統領の「弾劾裁判」はあるのか?元顧問弁護士コーエン氏の爆弾証言!

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トランプとコーエン

2月27日の「第二回米朝首脳会談」の最中に、トランプ大統領の元顧問弁護士のコーエン氏がトランプ大統領にとって極めて不利になる爆弾証言を行い、全米にテレビ中継されました。彼はFBIとの「司法取引」に応じています。

これは、「北朝鮮との外交交渉」で得点を稼ぎ支持率を上げようとしているトランプ大統領にとって大打撃で、成り行きによっては「弾劾裁判」が行われる可能性もあるのではないでしょうか?

1.元顧問弁護士コーエン氏の証言とは

2月27日、トランプ大統領の元顧問弁護士であるコーエン氏(被告)は、議会証言に立ち、トランプ氏を「詐欺師でペテン師の人種差別主義者」と呼んで激しく批判しました。「トランプ氏の下で10年間働いたことを恥ずかしく思う」とも述べています。

証言の主な内容は次の四点です。

(1)トランプ氏の不倫相手だった女優への「口止め料」を違法な形で支払うよう指示された

(2)2016年の大統領選挙の際、民主党のヒラリー・クリントン候補に打撃となる情報が内部告発サイト「ウィキリークス」で公開されたことを、トランプ氏は事前に知っていた

(3)トランプ氏は2016年の大統領選挙運動中、モスクワでの「トランプタワー建設計画」の交渉をコーエン氏に指示したが、この計画についてトランプ氏から偽証するように暗黙の指示を受けた

(4)大統領選でのトランプ陣営とロシアの共謀疑惑について、直接の裏付けとなることは知らないが、トランプ氏が共謀に関与したとの「疑いを抱いている」

2.アメリカ大統領の「弾劾裁判」とは

(1)合衆国憲法の規定

アメリカ合衆国憲法第2条第4節には、次のようにあります。

「大統領、副大統領及びその他の合衆国の公務員は、反逆罪、収賄罪その他の重度の犯罪及び非違行為のため弾劾され、有罪判決を受けたときには解職される」

(2)大統領の弾劾手続き

①下院において過半数の議員が弾劾に同意すること

②上院で、連邦最高裁判所長官が弾劾裁判長となって弾劾裁判を行い、上院の67人以上の出席議員の3分の2以上の賛成が得られること

上記2つの条件を満たせば、アメリカ大統領は罷免されます。

(3)過去に弾劾手続きで罷免された大統領

弾劾によって罷免された大統領はいません。

しかし、弾劾手続きが取られたが「放免」された大統領が二人います。第17代のアンドリュー・ジョンソンと、第42代のビル・クリントンです。

ジョンソンは、「黒人への差別問題」、クリントンは「ホワイトハウス実習生だったモニカ・ルインスキーとの不適切な行為」が原因でした。

また、弾劾手続きは取られなかったものの、弾劾されそうになった大統領も二人います。第10代のジョン・タイラーと、第37代のリチャード・ニクソンです。

タイラーの原因はよくわかりませんが、ニクソンは「ウォーターゲート事件」が原因です。