「不満買取センター」とは?メリットとデメリットは?ビッグデータ活用でヒット商品が生まれるかも

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不満買取センター

最近は、「不用品買取」、「宝石・貴金属・金買取」「着物買取」など「買取」が大はやりですが、たまたまインターネットを見ていたら「不満買取センター」という面白いサイトを見つけたのでご紹介します。

1.不満買取センターとは

「不満買取センター」は、「(株)インサイトテック」と言う会社が2015年3月から始めたサービスです。不満買取件数は1000万件を突破し、現在会員数は41万人を超えているそうです。また、100社を超える企業と取引実績があるとのことです。

「ユーザーのあらゆる不満を集めて、それを企業に届けることによって、より良い社会を作るという理念」のもとに作られたサイトです。

投稿した不満は、1件につき1~10ポイントもらえ、500ポイント貯まるとAmazonギフト券と交換できます。なお「プロフィール情報」(性別、生年、都道府県、職業)をあらかじめ入れておくと、不満を売るたびに4ポイント加算されるそうです。

「不満買取センター」側は、アプリに投稿された不満を買い取り、企業に対して「消費者の意見」という形で販売するわけです。

2.不満買取センターのメリット・デメリット

(1)メリット

①日頃不満に思っていることをぶちまける(投稿する)ことで小遣い稼ぎができる

②商品に対する不満は、企業にとって商品を改善するための貴重な情報になる

③投稿者も、「単なる不満」から前向きに「改善策を考える」方向に転換することで頭の体操になる

(2)デメリット

①買取単価が低すぎる

「ハピタス」や「モッピー」のような「アンケートサイト」の簡単なアンケートでも最低1ポイント(1円相当)のポイントがあります。(ただし、アンケートサイトの中には、1アンケート10銭というのもあります)

②最低交換単位の500ポイントを貯めるのは至難の業

プロフィール情報を入れて、1件で最低5ポイントとしても、100件の不満を投稿する必要があります。これだけの数の不満を考えるのは相当な努力が必要です。

③投稿に労力と時間がかかる

アンケートサイトへの回答に比べて、「不満」を考えた上でそれを「記述」する必要があるので、労力と時間がかかります。

3.「ビッグデータ」をうまく活用する方法

消費者の「不満・意見・要望」をメーカーに伝えるやり方には、個々の商品の容器などに記載された『お客様の声係』宛てに投稿したり、「商品モニター」になって意見を述べたりする方法が以前からありますが、この「不満買取センター」は新しい試みと言えます。

今後、このようなビッグデータをうまく活用する方法は、「メーカー」や「商品」を絞り込んだデータを使って、質の高い前向きな「改善意見」を吸い上げ、AIで精緻に分析した上で企業に提供することではないかと思います。

好事例としては、フランスベッドが、「ベッドの頭の部分に物が置けるようなデザイン」にしたことです。これは、「商品に対する不満」ではなく、「生活シーンに対する不満」として、「ベッドにスマホ充電用のコンセントがないという意見を参考にしたものです。

フランスベッドの担当者は、「以前は、ベッドの頭の部分に物が置けるタイプはスペースがもったいないという先入観・思い込みがあった」そうです。しかし、スマホの普及によって、「ベッドの頭の部分にスマホを置き、充電もできるようにしたい」というニーズが強いことが分かったのだそうです。そう言えば、数年前に次男が結婚した時に買ったベッドには、頭の部分に物が置ける細長いスペースがあり、スマホ充電用コンセントも付いていました。

多分、「不満買取センター」に寄せられる不満は玉石混淆で、「ゴミのような不満」も少なくないと思われます。

そこで、各企業の「お客様の声係」を、(株)インサイトテックの「不満買取センター」が「受託代行」するような形でデータを集約・分析する方がピンポイントで成果が上がるのではないかと私は思います。

また、「外国人観光客の不満や不便に思ったこと」などのニーズを、トリバゴなどの旅行予約サイトから集めて「ビッグデータ分析」を行い、旅行代理店や鉄道会社、ホテルなどに情報提供することも有意義ではないかと思います。これによって訪日外国人観光客に優しい「日本のおもてなし」の更なる改善に寄与できるのではないでしょうか?

<追記>「ポイントサイト比較」記事もご覧ください。