外国の地名の漢字表記についての面白い話をご紹介します。

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外国地名漢字表記

前に「外国の国名の漢字表記についての面白い話」の記事を書きましたが、今回は「外国の地名の漢字表記についての面白いの話」をご紹介したいと思います。あわせて、前の記事で紹介できなかった面白い国名の漢字表記についてもご紹介します。

1.発音のよく似た文字を当てた「音訳当て字タイプ」

(1)倫敦・龍動(ロンドン)London

(2)紐育・紐約・紐約克(ニューヨーク)New York

(3)巴里・巴黎(パリ)Paris

(4)伯林(ベルリン)Berlin

(5)桑港(サンフランシスコ)San Francisco

昔の日本人には、「ソーホーシスコ」と聞こえたため、元々は「桑方西斯哥」と表記し、さらに同市が港町であることから港を最後に付けて「桑方西斯哥港」と表記していました。しかし、これではあまりにも長すぎるので、「桑港」と略記するようになったそうです。

(6)葡萄牙(ポルトガル)Portugal

ポルトガルの漢字表記に「葡萄(ぶどう)」という文字が入っていますが、果物のブドウとは無関係です。「葡萄」は中国語では「ポータオ」と読むので、単純な音訳当て字です。

(7)愛斯蘭(アイスランド)Iceland

(8)阿斯福(オックスフォード)Oxford

(9)格陵蘭・臥児狼徳(グリーンランド)Greenland

2.外国語の意味から文字を当てた「翻訳当て字タイプ」

(1)牛津(オックスフォード)Oxford

この地名の「Ox」は「雄牛」で「ford」は「浅瀬」という意味です。「津」は「渡船場、船着き場」という意味なので、「牛津」と表記することにしたものです。

ちなみに、日本の佐賀県にも「牛津」という地名があります。なお、2005年に小城町・三日月町・牛津町・芦刈町の4町が合併して小城市となり、自治体としての「牛津町」は消滅ました。

(2)聖林(ハリウッド)Hollywood

「Holly」は「Holy(聖なる)」とスペルは違いますがよく似ています。「wood」の意味は「森」なので、意訳のつもりなら「聖森」としておくべき(「林」は「forest」)だったのではないかと思います。ただ致命的なのは「Holly」は「柊(ひいらぎ)」のことなので、正しくは「柊森」とすべきところでした。

(3)氷島・氷州(アイスランド)Iceland

「Ice」は「氷」ですが、「land」は「土、陸地」なので、正確な翻訳当て字としては「氷地」でしょう。「島」は「island」です。

蛇足ですが、「アイスランド」は緑豊かな島で、「グリーンランド」(緑蘭・緑州)は島の80%以上が氷と万年雪に覆われた島です。ただし、人間が入植する前の「アイスランド」は元々国土の1/4が樺の森林でしたが、19世紀まで続いた伐採により森林面積は減少しました。また羊などの家畜を持ち込んだため、草や若木を食い荒らしたため、国土の2/3を覆っていた植生が1/2に減少しました。

本論から脱線しますが、「アイスランド」と「グリーンランド」の命名の由来については、面白い話があります。両島の名付け親は「殺人犯」で通称「赤毛のエリック」と呼ばれる人物です。982年に殺人犯として国外追放された後、3年ほど現在のグリーンランド周辺を探検して氷に閉ざされた大地を発見しました。彼は国外追放から戻ると、「緑豊かな大地を見つけた」と嘘をついて「入植者」を集めたそうです。実は彼はそれ以前に別の島を「アイスランド」と命名して入植者を集めようとしましたが、名前が悪かったのか一向に入植者が現れなかったそうです。その反省から、あえて「グリーンランド」という夢のある名称を付けたようです。

(4)象牙海岸(アイボリーコースト)Ivory Coast

(5)黄金海岸(ゴールドコースト)Gold Coast

(6)喜望峰(ケープオブグッドホープ)Cape of Good Hope

(7)真珠湾(パールハーバー)Pearl Harbor

(8)紺碧海岸(コートダジュール)Côte d’Azur

(9)珊瑚海(コーラルシー)Coral Sea

3.「音訳当て字タイプ」と「翻訳当て字タイプ」の混合型

(1)剣橋(ケンブリッジ)Cambridge

この地名は「カム川(River Cam)に架かる橋(bridge)」という意味です。この「Cam」の意訳はむずかしかったので、「音訳」の「剣」とし、「bridge」は「翻訳」の「橋」としたわけです。

(2)新西蘭・新西蘭土(ニュージーランド)New Zealand

「新」だけが「New」の「翻訳」で、あとは「音訳」です。