宗教法人の非課税は今こそ廃止すべき!

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休眠宗教法人脱税の温床

<2022/7/18追記>旧統一教会への恨みから安倍元首相を狙撃した山上徹也容疑者

事件後の報道を見ると、いかに旧統一教会が「献金」という名目のあくどい金集め(山上徹也容疑者の母親を破産に追い込んだばかりか家族の人生もめちゃくちゃにするような金の巻き上げ)をしていたことが明らかになってきました。

今こそ、旧統一教会のような多額の献金を日本人の信者に要求したり「霊感商法」などの「悪徳商法」を行っている宗教法人を摘発して実態を解明するとともに、「宗教法人の非課税・優遇税制」は即刻廃止すべきだと私は思います。

日本は「緊急事態宣言解除」を行い、「経済活動再開」の動きはあるものの、現在のところ「新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)」の世界的感染拡大(パンデミック)は依然として続いており、日本も用心しながら経済活動再開を始めました。

そんな中、世界的に経済活動停滞が長期化すれば、リーマンショック以上の不況となり、極端な場合は大恐慌が起きる恐れもあります。

前に「コロナ不況の克服策」の記事を書きましたが、今回はもう一つの克服策をご紹介したいと思います。それは、「宗教法人の非課税廃止・優遇税制廃止」です。

ところで新型コロナウイルス対策の2020年度第2次補正予算案を巡って、「中小企業を念頭に置いた『持続化給付金』の対象に宗教法人を含める案が一時、政府内で検討されていた」との報道が5/28にありました。

宗教団体への公金支出を禁じた憲法89条違反の疑いがあるとして、自民党総務会で反発が続出し、27日の閣議決定段階では除外されたとのことです。これは明らかに憲法違反であり、そのような案が出てくること自体信じられませんし呆れるばかりです。

宗教法人については今こそ「非課税廃止・優遇税制廃止」を決断すべき時です。

1.「宗教法人の非課税廃止・優遇税制廃止」とは

「宗教法人」とは、「教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成することを主たる目的とする団体」です。宗教法人の境内地などは公共施設という扱いで、伝統や文化、芸術などを継承する公益性の高さから公益法人の一つとされています。

ジャーナリストの山田直樹氏によれば、この宗教法人に対する非課税措置や優遇税制を廃止すれば、年間4兆円の税収増が期待できるとのことです。

(1)宗教法人の非課税制度

学校法人」「宗教法人」などの「公益法人」については、「収益事業に該当しない所得」に対して「法人税は非課税」となっています。

「非課税になるもの」の代表的なものは「喜捨金(きしゃきん)」で、お布施・お守り・お札・おみくじ・お賽銭・読経料・戒名料・玉串料などです。ただし、非課税の品目でも、仕入れ原価と販売額との間に通常にはない程度の開きがある場合は、売上利潤とみなされ課税対象と判定されるそうです。

しかし、「寺の近くのコインパーキング(駐車場)」や「暦や絵葉書の販売」「不動産販売」「出版」などの「収益事業」には課税されます。ただ、以前ある寺の近くの駐車場で駐車料金の領収書に「お布施」と印刷してあったのを見て驚いたことがあります。私はお布施をした覚えもないのに・・・

なお、僧侶や神官などの「宗教者個人」が宗教法人から給与や賞与を受け取る場合は、「所得税」「住民税」が一般のサラリーマンと同様に課税されます。

(2)宗教法人の優遇税制

宗教法人に対する法人税の優遇税制は、維持や管理のハードルが高いリスクやデメリットを凌ぐ大きなメリットとなっています。

たとえば、所得の2割は「宗教法人本来の業務への寄付金」として「損金算入」が認められています。また残り2割についても通常より低い税率で、利子や配当なども原則として非課税になっています。

2.宗教法人の問題点

(1)公益性よりも金儲けの側面の方が大きい

かつてもそうだったかもしれませんが、今や宗教法人は公益性よりも「金儲け主義」が目立ちます。

このような宗教法人に対して優遇税制や非課税の特典を与えることは、多くの国民の納得を得られないのではないかと思います。

(2)活動内容が不明の宗教法人の増加

文化庁の「宗教統計調査」(平成30年)によると、単位宗教法人は7079団体、包括宗教法人は399団体あり、宗教法人の総数は18万を超えている(平成29年12月31日現在)そうです。

しかし近年は、一部の宗教法人が実態をつかめなくなるような無報告や不活動の宗教法人が急増し、認証取り消しがなかなか出来ない現況と相まって、「脱税の温床」となる事例が後を絶たないようです。

(3)休眠中の宗教法人の売買

これは宗教法人を隠れ蓑にした「脱税」の懸念があります。

2011年1月30日付の朝日新聞に、宗教法人が事実上売買されている特集記事が掲載されました。

宗教法人は税制上かなりの優遇措置があるため、そのメリットを目的としてインターネット上でも堂々と売買の取引がされているということです。

その背景には休眠中の宗教法人が急増していることがあります。「休眠中」とは、「1年間の活動報告が国や都道府県に提出されていないもの」のことです。

朝日新聞の調べでは、「全国18万2527の宗教法人を調べたところ、休眠中のものが1万6750、全体の9.2%もあった」とのことです。

この休眠宗教法人を狙って不動産業者らが売買に介入しているようです。関係者によれば、休眠状態の法人格を買うのが一番手っ取り早いのだそうです。

休眠法人を悪用する手口としては、会社名義のホテルや飲食店で得た利益の受け皿を宗教法人にして、所得隠しをすることが多いそうです。要するに宗教法人が悪用されているのです。

(4)政権与党に特定の宗教法人が支持母体の公明党が入っていることがネック

多分、多くの国民は宗教法人への非課税や税制優遇に疑問を持っていると思うのですが、政府や自民党が、改革に乗り出さないのは特定の宗教法人が支持母体の公明党の存在があるからではないかと思います。

(5)自民党を支持する巨大な宗教法人があることもネック

ただし、公明党ばかりでなく、自民党を支持する巨大な宗教法人もあり、これらの宗教法人の既得権を奪うことになる「宗教法人の非課税廃止・優遇税制廃止」は、「大票田の喪失」につながりかねず、なかなか踏み切れないというのが今の実情かもしれません。