ロンドン漱石記念館が一旦閉館後、再開されてよかったが、国の補助も必要では?

フォローする



ロンドン漱石記念館

夏目漱石(1867年~1916年)は、日本人に最もなじみ深い文豪だと思います。私も個人的に最も好きな作家で、現在の私のバックボーン(精神的支柱)になっているような偉大な存在です。

1.ロンドン漱石記念館

留学先のロンドンに「ロンドン漱石記念館」があったのですが、入館者数の減少や維持費の問題から2016年に閉館しました。

しかし、漱石研究家やファンから資料を閲覧したいという強い要望があって、2018年に再開しました。

このロンドン漱石記念館は、国や公的な団体によって運営されているものではなく、漱石研究家として知られる恒松郁生氏が、漱石最後の下宿の真向いの住宅を自費で買い上げ、1984年にオープンした「私的記念館」です。

漱石について書かれた書籍や漱石が留学中に読んだと思われる雑誌、購入した本、文部省からの辞令のコピーなど漱石研究に欠かせない豊富な資料が揃っています。

天皇陛下も浩宮(ひろのみや)時代の1984年に訪れています。

開館以来32年間、漱石研究者やファンにとって欠かせない場所となって来ましたが、少額の入館料以外は、運営費・維持費・資料集めの費用などすべて恒松郁生氏の手弁当だったため、限界が来たようです。漱石没後100年ということもあり、一つの区切りと考えられたようです。

2019年5月に再開した場所は、ロンドン南郊サリー州の恒松郁生氏の自宅です。2月~9月の間、週3回だけ、メールでの事前予約制で閲覧に供されています

このような恒松郁生氏の長年にわたる私費を投じた文化事業については、国の補助金があってもおかしくないと思うのですが・・・

表現の不自由展・その後」という「芸術とも呼べない偏向した政治活動のような企画展」(途中から中止)があった「あいちトリエンナーレ2019」のような事業に補助金を出すくらいなら、日本の宝とも言うべき夏目漱石にゆかりの資料を恒松郁生氏が私費を投じて収集し保存してきた「ロンドン漱石記念館」のような価値のある息の長い文化事業の方に、国の補助金を回すべきだと私は思います。

2.日本の漱石記念館

ところで「漱石記念館」は、日本国内では「新宿区立漱石山房記念館」があります。

新宿区は漱石が生まれ育ち、その生涯を閉じた場所でもあるので最もゆかりの深い土地と言えるでしょう。

<展示内容>

(1)漱石の生涯、人物像、家族など漱石を知る上で基本的な情報がわかるグラフィックパネルや映像

(2)漱石の書斎である「漱石山房」の再現展示

(3)小説の草稿や初版本

(4)書簡や葉書

<所在地> 〒162-0043 新宿区早稲田南町7

<電話番号> 03-3205-0209 <FAX番号> 03-3205-0211

<開館時間> 10時~18時(ただし、入館は」17時30分まで)

<休館日> ①月曜日(月曜日が休日の場合は、直後の休日でない日)、②年末年始、③その他設備維持のための臨時休館日

<観覧料> 一般:300円、小・中学生:100円

(ただし、小・中学生については、学校休業中は観覧料無料)

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村