「恐怖体験」にまつわるぞっとするような話

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幽霊

皆さんは山の中を一人で歩いていて、誰もいないはずなのに「何かがいる」ように感じたことはありませんか?私は、あまり「幽霊」とか「心霊」とかは頭から信用しない方ですが、「物の怪(もののけ)」がいるような何かぞっとする感覚に襲われたことが何回かあります。

一人で誰もいない山の中を歩いているため、何もないのにただ「恐怖感」を覚えただけでしょうか?それとも「山の霊」「山の神(「恐い奥さん」の意味ではありません)」でしょうか?

今回は、ほかの人から聞いた「恐怖体験」をいくつかご紹介します。

1.父から聞いた幽霊の話

父が子供の頃、顔見知りの近所のお婆さんが亡くなりました。その翌日の夜、外の便所(昔のトイレは、今と違って水洗ではなく、「汲み取り式」のため、便所は家の外にありました)に入ると、亡くなったお婆さんが座っていたという話です。

父は、私と同じように「恐がり(臆病者)」でしたから、びっくりして飛んで出たそうです。

2.母から聞いた虫の知らせの話

ある日の朝、食器棚の中で「パチッ」と陶器がひび割れるような音がしたので、中を覗くと湯飲み茶碗が割れていました。不思議なことがあるものだとは思いましたが、あまり気にも留めませんでした。

そして昼前に父が、「今日は出前の寿司でも取ろうか」と言うので、少し早昼(はやひる)にはなりますが、母と二人分の盛り合わせ寿司の出前を頼んだそうです。

すると、その日の昼過ぎに、今朝親戚の人が亡くなったとの知らせがあり、父は急いで弔問に出掛けました。

こういうのを「虫の知らせ」と言うのでしょうか?

3.中学の先生から聞いた話

(1)私の通っていた中学の校舎は、元工兵隊の兵舎でした。太平洋戦争中にある初年兵が、いじめをした古参兵を撲殺して処刑された後、初年兵の亡霊の鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)と泣く声が毎夜兵舎に聞こえたそうです。

(2)A先生が子供の頃、玄界灘でよく泳いだそうです。当時は「水泳パンツ」はなくて「六尺褌(ふんどし)」一丁でした。先生は泳ぎが得意だったので、かなり沖まで出たそうです。

すると不意にサメが近づいて来ました。先生はとっさに「六尺褌」をほどいて足首に巻き付けて、サメと並ぶように泳ぎました。「サメは自分の体長より長いものは襲わない」という言い伝えがあったからです。

その言い伝えは正しかったようで、しばらくの間、先生と並んで泳いだ後、サメは去って行ったそうです。先生はとっさの機転で命拾いをした訳です。

(3)B先生の故郷の漁師の話です。ある時漁に出た船が嵐に遭って難破しました。漁師たちは全員夜の海に投げ出されましたが、どちらに向かって泳いでいくかで意見が分かれました。

年配の大人たちは、波のない静かな方に向かって泳ぎ出しました。しかし最年少の若者だけが「白い波が立っている所には岩があるに違いない」と言って、そちらの方に泳ぎました。

その結果、若者は岩場にたどり着き、無事に生還しましたが、他の漁師は誰一人戻って来ませんでした。ひたすら沖へ沖へと泳いで行って、力尽きたのでしょう。