中曽根康弘元首相の「合同葬」に多額の税金を使うのは問題が多い

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中曽根康弘

2019年11月29日に亡くなった中曽根康弘元首相(1918年~2019年)の「内閣と自民党との合同葬」が10月17日に東京・高輪の「グランドプリンスホテル新高輪」で開かれることになり、政府が2020年度一般会計予備費から約9,600万円を支出することを決定したとの報道がありました。

1.この時期に「元首相の合同葬に巨額の税金を投じること」は疑問

現在のようなコロナ禍の時期に、大勢の人が参集する合同葬を開くことも問題ですが、元首相の合同葬に巨額の税金を投じることは全く理解に苦しみます。2020年度一般会計予備費は、今後のコロナ禍対策に使うべきもので、この種のセレモニーは自民党の経費で簡素に行うのが筋だと私は思います。

2.加藤官房長官の「必要最小限の経費」との感覚を疑う

加藤官房長官

さらに驚いたのは、加藤官房長官が約9,600万円を「必要最小限の経費」と説明した感覚です。私には「かなり豪華で派手な合同葬」のように見えます。

高給取りの政治家の金銭感覚はこんなものかもしれませんが、何にそんなにお金がかかるのでしょうか?「億単位のお金をかけていない」から「必要最小限の経費」ということなのでしょうか?

加藤氏は「国民視点で改革」と行政デジタル化への決意表明で述べていましたが、舌の根も乾かぬうちに、早速「国民視点欠落の旧態依然たる政治」「前例踏襲主義」を実践しているようです。

前に『「皇位継承式典」への「多額の税金投入」は問題ではないか?』という記事を書きましたが、今回の合同葬もよく似た問題です。

3.中曽根康弘元首相とは

中曽根康弘元首相(1918年~2019年)は、「国鉄民営化」を成し遂げるとともに、ロナルド・レーガン大統領(1911年~2004年)との「ロン・ヤス関係」や「不沈空母発言」で、貿易摩擦等により悪化していた日米関係を改善させ、強固なものとしました。

若手議員の頃は「青年将校」と呼ばれ、後に原子力関連法案の議員立法にも尽力しました。「首相公選制」を唱え、憲法改正を悲願としました。小派閥を率いる中で「政界の風見鶏」と呼ばれることもありました。