「SaaS」とは?クラウド、PaaS、IaaS、ASPとの違いは?

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SaaS

最近「SaaS」という言葉を時々耳にするようになってきました。このほか、「クラウド」や「PaaS」「IaaS」「ASP」などの言葉もあり、ちょっと付いていけない感じもします。

そこで今回はこれについて分かりやすくご紹介したいと思います。

1.クラウドとは

「SaaS」も「クラウド」の一種なので、まずクラウドの説明から入ります。

クラウドとは英語の「Cloud(雲)」を語源とした言葉で、「もやもやと実態のないインターネットの世界」を表す言葉です。

この言葉を最初に使ったのは、GoogleのCEOのエリック・シュミット氏で、彼は2006年に「サーチエンジン戦略会議」で次のように述べています。

ブラウザの種類も、アクセス手段も、パソコンかマックか携帯電話かも無関係です。「クラウド)」のような巨大なインターネットにアクセスすれば、その利益、恵みの雨を受けられる時代になっています。

現在では、「インターネットを経由して提供されるサービス全般」を指す言葉として使われています。

「パッケージソフト」の場合は、初期費用を支払って(購入して)自社のサーバーや個人のパソコンに「アプリケーションをインストールして運用・管理」します。

「クラウドサービス」の場合は、使用者が管理・運用している「アプリケーションの利用料を支払い、インターネット経由でサービスとして利用」します。

この「クラウドサービス」は、「SaaS(Software as a Service)」、「PaaS(Platform as a Service)」、「IaaS(Infrastructure as a Service)」の3つに分類されます。

2.SaaSとは

「SaaS」とは「サービスとしてのソフトウェア」のことです。つまり、これまでパッケージソフトとして提供されていた機能が、クラウドサービスとして提供される形態のことです。

現在では、一般にクラウドサービスと言えば「SaaS」を指します。働き方改革やデジタルマーケティングなどをテーマに、年率10%超の急成長を遂げています。市場規模は2020年までに約3,800億円になると見込まれています。

SaaSの特徴は次の3つです。

(1)インターネット環境下ならどこでも自由にアクセスできる

(2)データをオンラインストレージに保存できる

(3)複数のチーム・複数の人数で管理・編集ができる

3.PaaSとは

「PaaS」とは「開発基盤としてサーバー、ストレージ、ネットワークに加えて開発系のミドルウェアをクラウドサービスとして提供するもの」です。プラットフォームとは、アプリケーションの土台のことです。

PaaSの特徴は次の3つです。

(1)提供されたプラットフォームの上で開発を行える

(2)プラットフォームの情報が多ければさまざまな開発ができる

(3)自分でプラットフォームを使用してシステムを構築できる

4.IaaSとは

「IaaS」とは「サーバー・ストレージ・ネットワークといった従来ハードウェアとして提供されていた機能を、クラウドサービスとして使用者に提供し、自由にアプリやシステムを開発できるサービス」のことです。

IaaSの特徴は次の2つです。

(1)自由度の高いアプリやプラットフォームを作れる

(2)専門的な知識が必要になる

5.ASPとは

「ASP」とは「Application Service Provider」の略で、「アプリケーションサービス提供者」のことです。

1998年の登場当時は、経済性と合理性の観点から、中小企業を中心に爆発的に普及すると予測されていました。

しかし、「高速インターネット環境の未整備、セキュリティへの不安、ほかのアプリとの連携ができない」などの理由で徐々に衰退して行きました。

ASPはSaaSの前身となるサービスで、ASPの欠点を解消して爆発的に普及したのがSaaSです。そして2006年以降、SaaSを表現する新たな言葉として登場したのがクラウドというわけです。