「天穂のサクナヒメ」というゲームソフトが大人気で品切れ!人気の秘密は?

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天穂のサクナヒメ

最近はアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が大ブームで、ニュースにもなるほどですが、もう一つ「天穂のサクナヒメ」というゲームソフトが品切れ状態になるほどの大人気のようで、「令和の米騒動」とも言われているという話を耳にしました。

団塊世代の私には、どちらも馴染みの薄いものですが、「天穂のサクナヒメ」の方が「まんが日本昔ばなし」や「スタジオジブリ」のアニメにも似たほのぼの感があって親近感を覚えます。

1.「天穂(てんすい)のサクナヒメ」について

天穂のサクナヒメ田植え

(1)「天穂のサクナヒメ」とは

「天穂のサクナヒメ」(Sakuna:Of Rice and Ruin)は、「えーでるわいす」が開発し「(株)マーベラス」が今年11月12日に発売したゲームソフトです。

対応プラットフォームは、Nintendo Switch・PlayStation4・PC(Steam)です。

本作は、豊穣神・サクナヒメがヒノエ島を支配する鬼たちに立ち向かうアクションRPGです。「どのようにしたら良い米を作ることができるか」という攻略のために「農林水産省のホームページ」がたくさん参照されるという現象も起きています。

JA(全農)が注目するほど、稲作の表現に本格的に力を入れていることも異色です。JA広報部は公式ツイッターで「あの・・・某お米づくりゲームをなさっている皆さん・・・よかったら弊会の解説冊子『田んぼを作って稲づくりを体験しよう』を参考になさってください!私もまだそのゲームをできていないのでどこまでお役に立つかはわからないのですが・・・」と述べています。

農業の業界紙である「日本農業新聞」でも取り上げられました。

また神明ホールディングスでは、抽選で新発売ゲームソフトなどが当たる「天穂のサクナヒメ」とのコラボキャンペーン第一弾を11月30日まで実施しています。

天穂のサクナヒメ稲の生育

(2)ゲームシステム

稲作は「田植期」「育成期」「収穫期」に分かれます。主人公は稲作を行うことで成長し、稲作を効率化する農業技術を身に付けて行きます。

「田植期」の内訳は、「田起こし」「種籾(たねもみ)選別」「育苗(いくびょう)」「田植」です。

「育成期」の内訳は、「水やり」「肥料」「草むしり」「害虫・益虫」です。

「収穫期」の内訳は「稲刈り」「稲架(はさ)掛け」「脱穀(だっこく)」「籾摺り(もみすり)」です。

収穫したコメの品質・量に応じて主人公の能力は向上し、成長に合わせて技を習得することもあります。

また、ここで上昇した能力値は、アクションパートに引き継がれるため、稲作をやればやるほど、アクションパートを有利に進めることができます。

(3)ストーリー

武神タケリビと豊穣神トヨハナを両親に持つサクナヒメは、裕福な暮らしから自堕落な生活を送っていました。ある日、彼女は人間とトラブルを起こした罰として、鬼に支配されたヒノエ島の調査に赴く羽目になります。

2.「天穂のサクナヒメ」の人気の秘密

天穂のサクナヒメ稲刈り

(1)懐かしい日本の原風景が美しく描かれている

「まんが日本昔ばなし」のような懐かしい日本の原風景や、「スタジオジブリ」のアニメのようなほのぼのとした美しい風景が描かれているのが大変魅力的です。

(2)キャラクターにほのぼの感がありほっこりする

天穂のサクナヒメ稲の収穫

キャラクターも、「まんが日本昔ばなし」や「スタジオジブリ」のアニメと同様にほのぼの感があり、ほっこりした気持ちになります。

(3)多くの子供たちが知らない「稲作」をわかりやすく細かく描いている

私は団塊世代で、父が国鉄(現在のJR西日本)のサラリーマンをしながら小規模な稲作もしていた「兼業農家」なので、田への水入れや、稗・粟などの雑草取り、稲刈りなどの手伝いをした経験もあります。

そのため、農作業のつらさや大変さは少しはわかっているつもりです。

しかし、今の都会や都市近郊の子供たちのほとんどは「稲作」や「畑作」のことを知らないと思います。都会や都市近郊に住む親たちも同様だと思います。

よく「農業体験」に喜んで参加する都会の人々のニュースを見ますが、「初体験で物珍しい」からだと思います。

子供たちもゲームの上とは言え、「稲作シミュレーション」が物珍しくて興味を惹かれるのでしょう。

日本は古来「豊葦原の瑞穂の国(とよあしはらのみずほのくに)」と呼ばれて来ました。これは「豊葦原にあるみずみずしい稲の穂が実っている国」「神意によって稲が豊かに実り、栄える国」という意味です。

ところが戦後、パン食の普及と米の需要減少に伴う「減反政策」によって、水田は急速に減少しました。

このゲームの開発者には、強烈な「米作り愛」と日本の「米作り大国・農業大国復活を願う強い意志」があるように私は感じます。

(4)「米作りのシミュレーション要素」と「鬼と戦う壮快なアクション要素」がある

天穂のサクナヒメ活躍

単なる「お米づくりゲーム」でなく、農具や羽衣を武器に鬼と戦う痛快なアクションも入っています。鬼と戦うのは「鬼滅の刃」と同様です。

「リアルな米作りを体験できるシミュレーション要素」と「鬼と戦う壮快なアクション要素」が組み合わされているのも魅力の秘密でしょう。

(5)レトロブームと古事記・日本書紀などの日本神話や鬼伝説への再注目

桃太郎や鬼滅の刃と同じように「鬼」が出てきます。

最近、昭和時代を「古き良き時代」として懐かしむ「レトロブーム」の風潮があります。

それとは別に、ブームというほどではありませんが、古事記・日本書紀などの日本神話や鬼伝説へ再び注目が集まっているように私は感じます。

「天穂のサクナヒメ」という名前も、古事記や日本書紀の「日本神話」に登場する「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」(または「天照大神(あまてらすおおかみ)」の子の「天穂日命(あまのほひのみこと)」から取ったものでしょう。

現代のような「科学万能の時代」への反動で、「不可思議な話」「神秘的な現象」「神話」などに興味を持ったり、わくわくする人が増えているのではないでしょうか?

12月中旬入荷予約 天穂のサクナヒメ 任天堂スイッチ Nintendo Switch ※入荷次第発送