GoTo一時停止や時短要請は有効か?京大・宮沢准教授の目玉焼きモデルに注目!

フォローする



京大宮沢准教授自粛しないコロナ対策

<2020/12/18追記>宮沢孝幸氏が12/16に「SNS自粛を表明」したのは残念!

Twitter@takavet1「宮沢孝幸 箕山之節」で、「大学の方からSNSを自粛するようにとの通達がありました。従います。」とのツイートがありました。

「言論弾圧ではなく、苦情に大学が対応出来なくなったということです。」とのコメントですが、今一つすっきりせず、残念です。

私はド素人なので、科学的に正しいかどうか断言できませんが、GoToトラベルを実施していない韓国でも感染が拡大しているのを見ると「自然増」と考えるべきで、「GoToトラベル悪者論」はどうも感情論のような気がします。

<2020/12/15追記>首相が表明した「GoToトラベルの全国一斉に一時停止」は愚策

菅首相は12/14に、「12/28から1/11にかけて、GoToトラベルを全国一斉に一時停止する」と発表しましたが、これは支持率低下に対する打開策かもしれませんが、泥縄式で変更についての十分な説明もなく、「専門家の意見を聞いて」というだけで信念がありません。

ホテル・旅館などの観光業者や旅行業者、飲食業者の「年末年始の書き入れ時」に水を差すだけでなく、利用する旅行者を含めて大混乱・パニックを招き、倒産や景気腰折れのリスクが大きいと私は思います。

現在、札幌市・大阪市では、新型コロナ対策として「GoToトラベル一時停止」や「時短要請」が行われており、まもなく東京都・名古屋市も「GoTo一時停止」措置が取られる見込み(時短要請は東京都でもすでに実施済)です。また12月下旬までの期限を延長して1月11日までとすることも検討されているようです。

政府のコロナ対策専門家会議の分科会や、日本医師会や東京都医師会などは、「感染拡大の抑止」と「医療崩壊防止」のためとして、「GoToトラベル一時停止や時短要請」の大合唱です。

テレビの情報番組なども、、連日「GoToトラベル一時停止や時短要請」について専門家を招いて意見を聞いたり、議論したりしています。大半が、これらの対策に賛成の意見です。

しかし、私は最近のこのような「コロナ対策」について、その有効性に疑問を持っています。そして、マスコミは必要以上にコロナに対する国民の不安を煽っているように感じます。

専門家の中で、私と同じような考え方を持っている少数派の一人に、京大・宮沢准教授がいます。素人では、元読売テレビアナウンサーで現在ニュースキャスターの辛坊治郎氏がいます。

宮沢准教授は、TwitterやYouTube、「正義のミカタ」や「そこまで言って委員会NP」など大阪のテレビの情報番組で独自の意見を披露していますが、あまり知られていませんので、ご紹介したいと思います。

京大宮沢准教授3つの感染対策

1.京大・宮沢准教授とは

宮沢孝幸(みやざわたかゆき)氏(1964年~ )は、兵庫県西宮市出身で、東大農学部を卒業した獣医師で、獣医学博士です。

現在、京大ウイルス・再生医科学研究所の准教授です。

獣医でもある彼はこれまでに50種類以上のウイルスを研究しており、本人によれば「たぶん日本一の大家」だそうです。新興ウイルスは全て動物由来であることから、非病原性ウイルスに至るまで研究フィールドは広く深いそうです。

2.京大・宮沢准教授の考え方

新コロなんかに負けるな

宮沢准教授の考え方は、大体次のようなものだと私は理解しています。

(1)「新型コロナウイルス」は未知のウイルスではなく、既知のウイルス

彼によれば、ヒトコロナウイルスNL63は11世紀に発生しました。つまり我々は平安時代から『ウィズコロナ』であり、コロナウイルスは未知のウイルスではなく、既知のウイルスです。

「新型コロナウイルス」は、SARSコロナウイルスに酷似しており、「SARSの弱毒版」と考えてよいそうです。

ウイルスに感染していても発症しない(無症状の)人が多いので、「どーんと受け止めるべきだ」とのことです。

(2)コロナは根絶できない

コロナは根絶できないので、いたずらに恐れるのではなく正しく恐れるべきです。2020年3月時点での彼の試算では、新型コロナによる死者数は累計4,000人程度で、2018年の季節性インフルエンザの死者数3,325人と比べてもそれほど多くありません。

「GoToトラベル一時停止や時短要請」では感染者数は減りません。もしそれで、「感染死」が減ったとしても「経済死」(倒産による自殺や景気の悪化など)が増えるだけです。

失業率と自殺者数の相関関係を見ると、失業率が1%上がると、2千人~4千人が亡くなります。実質GDPが2020年度に14.2%下落すると、14万人が死ぬという予測データもあります。コロナ死より経済死の方が圧倒的に多くなるのです。

(3)1/100作戦

百分の一作戦

新型コロナウイルスに感染することを「ゼロリスク」で対応しようとするのは無理があります。

このウイルスを日本からなくすことは無理なので、「自分がうつらない」ことよりも、「他人にうつさない」ことに注意を向けるべきです。「マスク」はそのために重要です。

そこで彼が提唱しているのが「1/100作戦」です。

ウイルスが1つでもあれば感染するのではなく、これまでの動物実験では「ネコの病原性ウイルスでは、試験管で産出されるウイルス100万個に対して、ネコを感染させるには1万個が必要」です。

つまり、「感染性ウイルスを100分の1程度にすれば感染しない」ということです。新型コロナは発症前後数日はウイルスを伝達しやすいですが、7日以降はウイルスを伝達しません。

発症後10日で唾液中のウイルス量は発症日の100分の1になります。その段階では他人にうつりません。

そう考えれば対策は楽になりますし、過剰な対策はトータルで人的被害を拡大します。新型コロナは簡単にうつるウイルスではないので、交通機関の対策は現在のままで十分です。

政府や知事は、いたずらに国民や地域住民の不安を煽るのではなく、「各人が正しい感染予防対策をすれば、過度に恐れる必要はない」という皆を安心させるメッセージを発信すべきです。

つまり、「正確な知識を国民に伝え、恐怖心や不安感を取り除くことが大切」だということです。

(4)目玉焼きモデル

2020/11/22、宮沢准教授は新たな新型コロナ対策として、「目玉焼きモデル」を発表しました。

最近の報道では、「全国の新型コロナ新規感染者数は過去最多を連日更新」とよく聞きますが、彼は「東京都の感染第三波はすでにピークアウトしている」と分析しています。

これは「GoTo停止や飲食店の営業時間短縮に関係なく自然に減少した」と見ています。そして「来年の冬までは大きな波は来ない」と予測しています。

「発症日ベースで考えると、東京都では11月17日にピークアウトしているのはデータから明らか。感染から4日~14日程度で発症するため、感染日ベースなら11月10日にピークアウトしてる」とのことです。

東京都が飲食店に営業時間短縮を要請したのが11月28日なので、自粛に関係なく自然減したと考えられるのです。

この「自然減」を説明する理論(仮説)が「目玉焼きモデル」です。

「感染しやすさ」によって「同心円状に5つのゾーン」に分類、最も感染しやすいのが中心部の「黄身」で、「夜の街」など繁華街に当たります。

「白身」の部分は外側に向かって「家庭内感染や寮」「一般的な生活」「自主的に強力な感染対策を実行する人」「巣ごもりしている人」の順で感染しにくくなります。

彼の理論では「感染の炎」はまず黄身の部分が燃え始め、外側の白身に徐々に延焼すると、燃えた部分の感染は収束フェーズに入るということです。

「東京や大阪の主要都市の『夜の街』などは夏までにほぼ燃え切りました。それは、第三波で新宿・歌舞伎町のクラスター(感染者集団)がほとんど出ていないところをみても明らかです。燃え切ったゾーンに時短要請を行って水をかけても効果は乏しく今は家庭内や寮などの感染対策を集中的に行うべきだ」と彼は強調しています。

京大ウイルス学者登場!コロナ感染を防ぐ逆転の発想 ウイルスの性質を利用した戦略とは?|藤井聡(京都大学大学院教授)× 安藤裕(自民党衆議院議員)× 宮沢孝幸(京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授)
スペシャル・インタビュー動画「コロナの現状と感染対策について」京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 宮沢准教授