「人生の楽園」に出演した人はその後も幸せな第二の人生を過ごせているか?

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人生の楽園

テレビ朝日で毎週土曜日の午後6時から「人生の楽園」という番組があります。西田敏行さんと菊池桃子さんのナレーションで、ほのぼのした気分にさせる番組で、私も以前からよく見ています。

「定年後に(または定年前に早期退職して)田舎暮らしを始めた人」が多いですが「Iターンした人」「Uターンした人」も含めて、「長年の夢だった蕎麦屋を始めて、蕎麦打ちに精を出す人」「夫婦でパン屋を開業した人」「喫茶店を始めた人」などが出て来て、それぞれ人生の後半を満喫しているように描かれています。

ただ、私が疑い深い天邪鬼だからかも知れませんが、「ここに登場する人たちは、今後も本当に幸せな人生を送れるのかな?」とふと思ったりします。

1.田舎の人はよそ者を簡単には受け入れない

都会育ちの人は、「田舎の人は素朴で温かい人が多い」という固定観念があるかも知れませんが、実態は「よそ者を排除する傾向がある」ものです。

戦時中に都会から疎開した子供が田舎の子供たちにいじめられたという話はよく聞きます。村社会は閉鎖的なため、よそ者は容易に受け入れず、掟を破った者には村八分にするなどの厳しい側面があります。つい最近も「村八分」を受けたとして訴訟になっている事件があります。

本当の意味で受け入れてもらうには、村社会に溶け込む相当な努力が必要だと思われます。

2.素人が商売を始めても簡単には儲からない

「蕎麦打ちがしたいから蕎麦屋を始める」と言っても、味がそこそこ良いことが最低条件ですし、商業ベースで採算に乗せるのは並大抵のことではありません。

「武士の商法」のような失敗も多いのではないかと思います。最初は物珍しさや、義理で店に来てくれる人がいても、リピーターになる客を獲得するのは至難の業です。

去年の冬から今年の春先にかけて、大阪の御堂筋のオフィス街で、姫路ナンバーの「キッチンカー」をビルの前に停めて、カレーサンドとホットコーヒーを売っている中年の夫婦がいました。残念ながらあまり売れていませんでした。近くにテイクアウトできるコーヒーチェーン店がいくつもある淀屋橋と本町の間ですから、無理もありません。脱サラで開業したのでしょうが、気の毒なことにやがて姿を見なくなりました。

私が小学生のころ、町内で仕舞屋(しもたや)を改造して「お好み焼き屋」(夏は「かき氷屋」)を開業したおばさんがいました。そのおばさんは意外と商売上手でよく流行っていました。それを見た隣の人が、「駄菓子屋」を始めましたが、さっぱり子供のお客が寄り付かず、すぐに廃業しました。

同じ町内でもう一軒「お好み焼き屋」を始めた人がいました。地蔵盆の時に「お好み焼き屋」をやったら儲かるという話が出て、その無責任な口車に乗って「当たり矢」という屋号で始めました。私の家でも隣近所のよしみで一度は買いましたが、味が不味かったので二度と買いませんでした。「的外れ」だったようで、案の定まもなく閉店しました。

「ボランティア」で、幼稚園や老人ホームの行事の時に「蕎麦打ち」をする程度ならよいのですが、多額の設備資金を投入して「商売」として儲けを目指すのは、「年齢」「体力」や「老後資金」のことも考えて慎重に検討する必要があると思います。それと、「田舎」を甘く見てはいけないと思います。

3.「人生の楽園」その後の現実

田舎の全てが悪いわけではありませんが、「田舎暮らし」を「理想の桃源郷に住む」ような「幻想」を持っている「都会暮らしの人」に、「田舎暮らしの厳しい現実」を知ってもらうことも大切ではないかと思う次第です。

私と同じような危惧を持っている人がいると見えて、女性セブンのネット記事に次のようなものがありました。

『笑顔育む木曽馬の楽園』として2009年に同番組に出演した『吉良の赤馬牧場』の河井弘康さん(69歳)、裕子さん(70歳)夫婦も2015年に牧場を閉鎖し、第二の人生に幕を引いていた。

馬の飼育費など、月にかかる経費は20万円くらい。収入は、『人生の楽園』に出た直後は50万円くらいになったが、ひと月しか続かなかった。

何とか営業を続けてきた弘康さんだったが、牧場を開園してから丸6年経った頃、目の異変が起きた。もし牧場を継続するなら、人を雇わなければならない。しかしそのお金はなかった。いつまでも元気に楽しく、幸せな日々が続くと信じて疑わなかった弘康さん。まさかたどり着いた人生の楽園で、病気に襲われるとは夢にも思わなかった。

4.「田舎暮らし」をする場合の心構え

「田舎で農業をやりながらのんびり暮らしたい」という夢を抱いて地方に移住する人は多いですが、失敗して都会に戻って来てしまう人も少なくありません。

「10年先を考えて、何をすればいいのか」を真剣に考える必要がありそうです。極論すれば、都市部で事業を成功させるぐらいの覚悟がないと充実した田舎暮らしはできません。

田舎でも都会でも、事業を成功させるには「プロ意識」が必要だということです。

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