シクラメンのかほりは、「かをり」が正しい。また香りのないシクラメンが一般的

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小椋佳

シンガーソングライターで、銀行員でもあった小椋佳さん(1944年~ )の大ヒット曲に「シクラメンのかほり」という歌があります。

私は以前から気になっていたのですが、「かり」は「かり」が正しいのではないかという疑問です。

「匂う」は、「歴史的仮名遣い」では、「にふ」ですが、これと「香り」の「かり」を勘違いして混同されたのではないかと思います。あるいは「顔」の「か」との混同かも知れませんね。

1.「歴史的仮名遣い」と「現代仮名遣い」

「歴史的仮名遣い」とは、仮名遣いの一種で、「現代仮名遣い」と対比して「旧仮名遣い」とも呼ばれます。

「歴史的仮名遣い」は、一般に江戸時代中期の契沖による「契沖仮名遣い」を修正・発展させ、明治時代から第二次世界大戦終結直後までの公文書や学校教育において用いられたものであり、平安時代初期までの実際の綴りを発掘したものを基礎としています。

第二次世界大戦後の「国語国字改革」で「現代仮名遣い」が告示されるまで、公教育の場で「正式な仮名遣い」として教えられて来ました。

2.歴史的仮名遣いの不完全性

「歴史的仮名遣い」の原理は、「仮名発明当初の表記を引き継ぐこと」ですが、現実には本来の表記を完全に特定できるわけではなく、誤りもいくつかあるようです。

たとえば、「机」は「突き据ゑ」の意味もあるとされ、戦前長らく「つくゑ」と表記されてきましたが、平安時代の文献を調べた結果、「突き枝(え)」が正しいとされ、現在では「つくえ」が正しいとされています。

「紫陽花」は諸説ありますが、最古の和歌集の『万葉集』では、「味狭藍」「安治佐為」、平安時代の辞典『和名類聚抄』では、「阿豆佐為」の字を当てて書かれています。「集真藍」がなまったという説もあります。

古形の「あつさゐ(あづさゐ)」から「あぢさゐ」に変化して来たようです。

私は、小椋佳さんの楽曲は好きで、美空ひばりさんに提供された「愛燦燦」や堀内孝雄さんに提供された「愛しき日々」「憧れ遊び」などは、絶品だと思っています。

3.シクラメンには香りのないものが一般的

なお、蛇足ながら、野生種のシクラメンには香りがありますが、園芸品種のシクラメンには、香りがほとんどありません。この曲のタイトルを見て、スイセン、キンモクセイ、ジンチョウゲやフリージアのような芳香があると、勘違いして想像する方がおられるのではないかと思い、念のため申し上げます。興ざめかも知れませんが・・・

なお、「シクラメンのかほり」がヒットした後に、「香りのあるシクラメン」(芳香シクラメン)の品種が作られるようになりました。これは野生種と園芸品種の「種間交配」によって作られたものだそうです。

小椋佳さんにケチをつけるつもりは毛頭ありませんが、長年気になっていたことなので、ここに書いてみました。

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