「天地創造」や「生命の起源」、「万物の根源」についての四つのアプローチ

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ミケランジェロの天地創造

人間は太古の昔から、「天地創造」や「生命の起源」、「万物の根源」の謎についての素朴な疑問を持ち続けて来ました。

それに対する答えを示すものとして、四つのアプローチがありました。

今回はこれについてご紹介したいと思います。

1.哲学的アプローチ

これは「万物の根源」を追究した古代ギリシャの自然哲学者たちです。彼ら自然哲学者たちは、神話的世界観を排して、自然の世界は神々の恣意的な働きに左右されるものではなく、それ自体で確固とした秩序を備えた存在であり、また、その秩序は人間の観察と思考によって把握できると考えたのです。

タレス、ピタゴラス、ヘラクレイトス、エンペドクレス、デモクリトス、アリストテレスなどです。

2.宗教的アプローチ

①ユダヤ教・キリスト教

ユダヤ教の「ヘブライ語聖書」、キリスト教の聖典である「旧約聖書」の「創世記」によれば、「神」(エホバという「創造主」)は6日間で天地と万物を創造し、7日目に休息を取ったとされています。

これは、現代の我々から見ると単純で幼稚な作り話ですが、「神」を信仰させるために、人々の根源的で素朴な疑問である「天地創造」の謎を「神によるもの」と説いて、その宗教の権威付けに利用したものだと思われます。

②神道

イザナギとイザナミが日本を生んだという「国生み物語」です。これは、3.②で述べる「古事記」に書かれています。これは「日本の国土創世譚」です。

③仏教

仏教では「創造主」はいません。「万物は因縁生なり」と教えられています。この世の全ては「因縁」によって生じたということです。米は籾種(もみだね)を「因」とし、空気や土、肥料などを「縁」として生じた結果です。

また「芥子粒の中に三千大千世界を入れて広からず狭からず」と教えられています。芥子粒という小さなものも「因縁」によって生じています。「因」を遡れば、芥子の花があり、その種があり、その前の花があり・・・とどこまでも遡れます。「縁」を見れば、空気があり、太陽があり、大宇宙が一つの芥子粒が出来るのに関係しているというわけです。維摩経には「一毛巨海を呑み、芥子須弥を容(い)る」とあります。

「因果の道理」に従って、始まりのない始まりから、終わりのない終わりに向かって永遠に続いて行くという考え方だと思います。

3.政治的アプローチ

①王権神授説

「王権神授説」とは、「王権は神から付与されたものであり、王は神に対してのみ責任を負い、また王権はローマ教皇や神聖ローマ皇帝も含めた神以外の何人によっても拘束されることがなく、国王のなすことに対しては人民は何ら反抗できない」とする政治思想です。

「王権神授説」を初めて唱えたのは、16世紀のフランスの法学者・経済学者ジャン・ボダン(1530年~1596年)です。イングランドのロバート・フィルマー(1588年頃~1653年)も「父権論」で「国王の絶対的支配権は、人類の祖アダムの子供に対する父権に由来する」と述べています。

この「王権神授説」は「絶対王政」の理論的根拠となりました。これは為政者である国王だけに都合の良い考え方ですね。

古事記

日本においては、「天皇制」を正当化し、権威付けをするために、「神を天皇家の祖先とする物語」を作りました。それが「古事記」です。

「古事記」は712年に編纂された「日本最初の歴史書」と言われています。上中下の3巻からなり、上巻では「天地創造」から「神代」を語り、中・下巻では「初代神武天皇」から「33代推古天皇」までの事蹟を記しています。

原本は残っておらず、複数の「写本」が存在するだけです。

全体の3分の1が「神代の神話」ですが、その理由は「永続する国家基盤を作るためには、天皇家が神の子孫であることを示し、支配体制の根拠とする必要があったから」です。

それにしても、「古事記」は、「天地開闢」といい「出雲と天孫降臨」「高千穂と神々の戦い」といい奇妙奇天烈・奇想天外な物語です。

「天地開闢」の中の「天地の始まりと神様の誕生」「イザナギ・イザナミの国生み・神生み」「天の岩戸と高天原の神々」など、我々現代人の常識的感覚からすれば「馬鹿々々しいあり得ない話」が満載です。

しかし、こんな一見不真面目で嘘八百の物語を一体誰が考えたのか興味はあります。

4.科学的アプローチ

16世紀以降、哲学にも宗教にも政治にも囚われない純粋に科学的なアプローチが始められました。

スイスのパラケルスス、イタリアのレディ、オランダのレーウェンフック、イタリアのスパランツァーニ、フランスのパスツール、スウェーデンのアレニウス、ソ連のオパーリンなどによって、様々な研究が行われて来ました。

日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」への着陸に成功しましたが、これも「生命の起源」を探る科学的アプローチの一つです。

「リュウグウ」は、地球から3億4000万kmのかなたにあり、4年をかけてたどり着きました。岩石のかけらを採取して来るそうで、「太陽系の成り立ち」や「生命の起源」についての手掛かりが得られると期待されています。



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