定年退職後の学びの場である市民大学講座と老人大学、及び大学院をご紹介します

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ケヤキの森市民大学講座

<2021/7/31追記>2020年、日本人の平均寿命は過去最高を更新

2020年の日本人の平均寿命は、男性が81.64歳(2019年は81.41歳)で、スイスに次いで世界第2位、女性が87.74歳(2019年は87.45歳)で引き続き世界第1位です。

定年退職後は、「有り余るほどの時間」があります。サラリーマン時代は「時間がない、お金もない」の「無い無い尽くし」でしたが、「人生100年時代」を迎えて、定年後の人生はかつてないほど長いものとなっています。

私のように70歳まで「派遣社員」として働いた人間でも、男性の平均寿命から考えるとあと11年あります。60歳で完全リタイアした人なら21年もある計算です。

もちろん、「健康寿命」が「平均寿命」に限りなく近い「ピンピンコロリ」が理想ですが、それには適度な運動も欠かせないと思います。

「体の健康」とともに大切なのが「頭の健康」で、認知症にならないよう適度に頭を使うことも大切です。「小人閑居して不善を為す」ということわざもあります。

「白首北面(はくしゅほくめん)」という四字熟語もあります。これは「年老いてもなお向学心の衰えないこと」や「老人になってもなお、先生について教えを乞うこと」を表す言葉です。なお「北面」とあるのは、中国では位の高い者が南を向いて座り、低い者は北を向いて座ったことから「先生の指導を仰ぐこと」です。

そこで、今回は定年後の頭の健康に最適な「学びの場」についてご紹介したいと思います。



1.市民大学講座

「市民大学講座」については、地方公共団体が開設している講座が多数あります。

「老人福祉法」に基づいて地方公共団体の首長が行う場合と、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」または「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」に基づき教育委員会が行う場合とに分かれます。また、大学において開設されることもあります。

高槻市では次のような講座が開かれています。

(1)けやきの森市民大学定期講座

高槻市立「生涯学習センター」において、たとえば次のような講座が開かれています。

・毎日新聞社提携講座「時代を読む『記者の目』」

・阿武山地震観測所提携講座「内陸地震と南海トラフ地震」

・関西大学公開講座「笑い学の世界」

(2)高槻市大学交流センター事業市民講座

大阪医科大学・大阪薬科大学の教授・助教・講師らによる次のような講座が開かれています。

・「ー15ワットの思考力ー~ヒトのエネルギー代謝~」(大阪医科大学)

・「自分を理解する心理学」(大阪医科大学)

・「かゆみ疾患治療新時代~アトピー性皮膚炎と蕁麻疹を中心にして~」(大阪医科大学)

・「うちの子、もしかして学習障害?~でも、学習障害って何だろう?」(大阪医科大学)

・「誤嚥性肺炎を防ぐ~予備軍の間にできること~」(大阪薬科大学)

(3)高槻市民環境大学

高槻市は、市内にある水や緑など豊かな自然環境を守り、次世代に引き継いでいくため、「環境保全活動の担い手育成」を目指して、高槻市民環境大学を開講しています。

これは、講義だけでなく、里山や河川など高槻の良好な自然環境を生かした「野外実習」を幅広く取り入れており、多様な視点で環境分野の問題を学ぶことができます。

高槻市以外の地域にお住まいの方も、それぞれの自治体で「市民大学講座」が開講されていると思いますので、ぜひインターネットで検索してみてください。

2.老人大学

(1)NPO法人「大阪府高齢者大学校」

高齢者が新しい知識と教養を身につけることにより、地域社会においてリーダー的役割を果たすとともに、自らの生きがいづくりを図ることを目的としています。

(2)NPO法人「大阪北部コミュニティカレッジ」

公開文化講座として「道の歴史を探る」「天皇家の歴史」「日本近代文藝の魅力を探る」「日本古典文学と仏教」などが開講されています。

(3)特定非営利活動法人「シニア自然大学校」

「生涯学習・社会貢献活動システム」として、自然が好きな人たちや、歴史や文化に興味のある人たちが、楽しく学びながら、気の合う仲間と生きがいを持って各地で活動するボランティア団体です。

3.大学院

専門的なことをもっと掘り下げて勉強・研究しようとする方には、「社会人のための大学院コース」を設けている大学がありますので、こちらにチャレンジされてはいかがでしょうか?

京阪神の国立大学については、次の通りとなっています。

(1)京都大学

京都大学では以下の「研究科」で「社会人特別選抜」を実施しています。

「法学研究科、経済学研究科、医学研究科、工学研究科、農学研究科、エネルギー科学研究科、情報学研究科」

(2)大阪大学

大阪大学では以下の「研究科」で「社会人特別選抜」を実施しています。

「文学研究科、人間科学研究科、法学研究科、医学系研究科、歯学研究科、薬学研究科、基礎工学研究科、情報科学研究科、高等司法研究科」

(3)神戸大学

神戸大学では以下の「研究科」で「社会人特別選抜」を実施しています。

「国際文化学研究科、人間発達環境学研究科、法学研究科、経済学研究科、経営学研究科、理学研究科、医学研究科、保健学研究科、工学研究科、システム情報学研究科、農学研究科、海事科学研究科、国際協力研究科、科学技術イノベーション研究科」

最近は、「育休中のママ」がキャリアアップのために大学院に入学し、「MBA」(修士)を目指すケースも増えているそうです。

4.セカンドステージ大学

「セカンドステージ大学」というのは、「50歳以上が対象で、履修期間は1年間。修了すると『履修証明書』をもらえるが、『学位』はもらえない」というものです。

シニア向けに大学が運営する「専用大学」で立教大学などにあります。立教大学のセカンドステージ大学の野沢正充副学長は「シニアが第二の人生で何をするかを決めるきっかけにしてほしい」と話しています。

同大学は通常の大学より受講料が安く人気があるため、2020年度は受講生の定員を30人増やして100人にする予定とのことです。修了後は「大学院」に進学したり、NPO法人を立ち上げたりとさまざまだそうです。

5.リカレント教育

「リカレント教育」は、一般的には「社会人の学び直し」「生涯学習」という意味で使われていますが、本来の意味は、「生涯にわたって教育と就労を交互に行うことを勧める教育システムのこと」です。

新たな知識や技術を身につけることは、働き続け、生き続ける上で欠かせない取り組みです。しかし、パーソル総合研究所の調査によれば「自主的な学びを行っていない人(特に何も行っていない人)」が47.5%もおり、リカレント教育はまだまだ進んでいないというのが実情です。

私のような70歳過ぎの完全リタイアした「終わった人」でも、好奇心を持ち続けて行こうと考えています。現役世代の若い人も、「学校を卒業したら、勉強とはおさらば」ではなく、学び続けることは大切なことだと思います。ダイレクトに仕事に役に立たないかもしれませんが、何か良い効果があるのではないかと私は思います。

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