漢字で書いた「花」や「花木」の名前(その2)(「さ行」~「た行」)

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鷺草

現在は、花や花木の名前も、昆虫の名前と同様に植物や動物全般に「カタカナ表記」が多くなりました。しかし、花や花木の漢字名を知ると、カタカナでは味わえない風情が感じられて愛着がさらに深まるように私は思います。

百花繚乱の画像とともにお楽しみください。

前に「あ行~か行」の花をご紹介しましたので、今回は「さ行」~「た行」の花をご紹介しましょう。

1.漢字で書いた花や花木の名前

(1)さ行:鷺草・山茶花・皐月(杜鵑)・百日紅(猿滑)・山査子・紫苑・射干(著莪/胡蝶花)・石楠花(石南花)・芍薬・秋海棠・秋明菊・沈丁花・忍冬(吸葛)・水仙・睡蓮・鈴蘭・菫・李(酢桃)・千日紅・染井吉野

(2)た行:泰山木(大山木)・立葵・蒲公英・月見草・躑躅・椿(海柘榴)・露草(鴨跖草)・石蕗・灯台躑躅(満天星)・蕺草(毒痛み)・鳥兜

2.漢字で書いた花や花木の読み方

(1)さ行

①鷺草(さぎそう)

鷺草サギソウ

「サギソウ」は上の画像を見てもわかるように、鷺の舞姿を彷彿とさせる優美な花で、「造化の妙」という言葉がぴったりするように私は思います。

日本各地の日当たりの良い低地の湿地に生える球根性の蘭です。親株から走出枝(そうしゅつし、ランナー)を伸ばして、その先端に翌年の球根を作ります。

②山茶花(さざんか)

サザンカ山茶花

「サザンカ」と言えば、童謡の「たきび」にも出てくる垣根などによく植えられている身近な花ですね。

「サザンカ」とよく似た花に「ツバキ(椿)」があります。

開花時期は、「サザンカ」が10月~12月であるのに対し、「ツバキ」は12月~4月です。

「サザンカ」の花の多くが完全に平開して咲くのに対して、「ツバキ」の花は平たく開いて咲くことはほとんどなく、カップ状に咲くものが多いのが特徴です。

もっと分かりやすい違いが「花の散り方」です。「サザンカ」が花弁がバラバラになってそれぞれ散っていくのに対し、「ツバキ」はそっくり丸ごとポトリと落ちます。

「江戸時代の武士は、椿は首ごと落ちるので縁起が悪いと言って嫌った」という俗説があります。

サザンカとツバキ

ところで、「山茶花」はなぜ「さんさか」と読まずに「さざんか」と読むようになったのかご存知でしょうか?

これは、「さんさか」を「さざんか」と言い間違えたのが定着した(字音サンサクヮの転)ものです。これは言語学では「音位転換(音位転倒)」(メタセシス)と呼ばれています。

しかし、「さざんか」とよく似た音の「山査子(さんざし)」も、「さざんし」となりそうなものですが、そうはなっていません。「山査子」は「山茶花」ほど馴染み深い花ではないから、言い間違いも起きなかったのかもしれませんね。

余談ですが、「山茶」は中国語で「ツバキ」のことです。「サザンカ」は中国語で「山梅」と書きます。

「椿」という漢字は中国語にもありますが、「椿(チュン)」という全く別の高木です。

「ツバキ」に「椿」という漢字をあてたのは、日本で独自に作られた「国字(こくじ)」です。春を呼ぶ代表的な花というイメージでしょうか?

そして、ツバキとよく似たサザンカには、ツバキには既に「椿」という漢字があてられているので、「ツバキに似た花」ということで、中国語の本来のツバキを表す「山茶」に「花」を付けたのでしょう。

③皐月/杜鵑(さつき)

皐月サツキ

「サツキ」とよく似た花に「ツツジ(躑躅)」があります。

「サツキ」と「ツツジ」の違いの一つに「花の色」があります。「サツキ」は真紅や赤紅色の花弁など赤系の色が多いのに比べ、「ツツジ」は品種改良が頻繁に行われているため、赤紫・ピンク・白・白の花弁の赤い線が入ったものなど、豊富な色の種類があります。

開花時期は、「ツツジ」が4月から5月初旬であるのに対し、「サツキ」は5月から6月にかけてです。

葉にも違いがあります。「サツキ」の葉が硬くツルツルしているのに対し、「ツツジ」の葉は柔らかく、葉の裏にはふわふわした毛が生えています。

④百日紅/猿滑(さるすべり)

サルスベリ百日紅

「サルスベリ」については、「サルスベリとアガパンサスにまつわる思い出話」に詳しく書いています。ぜひご一読ください。

⑤山査子(さんざし)

山査子サンザシ

「サンザシ」は、中国原産の落葉低木で、日本には朝鮮半島経由で1734年に薬用植物として渡来したとされ、果肉と種は健胃・整腸剤として用いられます。漢名の山査子がそのまま和名として使われるようになりました。

日本では白い花を咲かせ、赤または黄茶色の実がつくサンザシや、ピンク色の八重咲のセイヨウサンザシが栽培されています。

日本ではあまり栽培されていませんが、ヨーロッパではセイヨウサンザシが生垣や街路樹として多く植えられています。

⑥紫苑(しおん)

シオン紫苑

「シオン」については、「紫苑は秋の美しい花で和歌や俳句にも多く詠まれています。花言葉もご紹介します」という記事に詳しく書いています。ぜひご一読ください。

⑦射干/著莪/胡蝶花(しゃが)

射干シャガ

日本各地の低地や人里近くの湿った森林によく見られる常緑多年草です。葉はやや厚く強い光沢があって垂れます。春に茎を斜めに伸ばして、その先に白地に青い斑点が入る花を多数咲かせます。私はサントリーの山崎工場で、大群落を見たのが印象に残っています。

この「シャガ」も「サギソウ」と同様に「造化の妙」を感じさせる優美な花です。

ボタニカルアート(細密植物画)の楽しみ」という記事でも、「射干」の美しさについて触れています。

⑧石楠花/石南花(しゃくなげ)

石南花シャクナゲ

「シャクナゲ」は常緑性の花木です。原種が19世紀中期に「プラントハンター」によって中国から西欧にもたらされ、その花の美しさと豪華さで当時の人々を驚嘆させ、数多くの交配が行われてきました。

これまで世界各地で5000を超す園芸品種が作られ、西洋では春を彩る花木として庭に欠かせない存在となっています。

⑨芍薬(しゃくやく)

芍薬シャクヤク

女性の美しい立ち居振る舞いや容姿を花にたとえて表現する言葉に「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花」というのがありますね。

確かに「シャクヤク」は「ボタン(牡丹)」や「ユリ(百合)」とともに豪華絢爛たる花です。「顔佳草(かおよぐさ)」「夷草(えびすぐさ)」とも呼ばれます。

「立てば芍薬座れば牡丹」と言われる理由は、牡丹が、「落葉した低木の幹から新芽を出し、花を咲かせる」ことから、座った姿に見えるというわけです。一方、芍薬は開花時期になると、地面からスッと伸びた長い茎の先に花が咲く」ことから立ち姿に見えるというわけです。

「ボタン」が「花の王様」(花王)と呼ばれるのに対して、「シャクヤク」は「花の宰相」という異名があります。ただし「シャクヤク」は草本であるのに対して、「ボタン」は木本(落葉小低木)です。

「シャクヤク」は薬として中国から日本に渡来したことから、その名に「薬」の漢字が用いられています。中国では昔「綽約(しゃくやく)」と書いていたことから、日本でも「しゃくやく」と呼ぶようになりました。

なお「芍薬」の「芍」は「抜きんでて美しい」という意味があり、「見とれてしまうほど麗しい花をつける薬草」ということです。

⑩秋海棠(しゅうかいどう)

シュウカイドウ秋海棠

「シュウカイドウ」は、日本各地で半野生化していることから、日本原産と思われがちですが、江戸時代に中国から渡来した帰化植物で、開花時期は8月~10月です。

瓔珞草(ヨウラクソウ)、相思草、断腸花、八月春とも呼ばれます。

バラ科の「海棠(かいどう)」に似た花を秋に咲かせることから、この名が付きました。林床などの湿り気のある半日陰でよく繁茂します。

ちなみに「海棠」(下の画像)とは、バラ(薔薇)科の落葉低木で、桜が咲いた後の時期に花を咲かせる花木で、普通「花海棠(はなかいどう)」と呼ばれます。

「海棠」は中国では、唐の玄宗皇帝が酔って眠る楊貴妃を海棠に喩えたように、美人の形容に使われる花木として有名です。

ちなみに「棠」は梨という意味をもっており、「海棠」は海外から伝えられた梨という意味があるそうです。なお「棠」は本来「ノカイドウ(ヤマカイドウ)」を指し、「海棠」が海岸寄りの陸地で見られたため、区別するために「海」をつけ「カイドウ」と呼ぶようになったという説もあります。

海棠カイドウ

⑪秋明菊(しゅうめいぎく)

しゅうめいぎく秋明菊

「シュウメイギク」は、秋の風情を感じさせる優雅な花で、切り花をはじめ、花壇や鉢植えに広く利用されています。

日本へは古い時代に中国から渡来し、京都の貴船地方に野生化したものが見られます。これが「キブネギク(貴船菊)」で、本来の「シュウメイギク」です。

名前に「菊」と付いていますが、キク科ではなくキンポウゲ科の花です。

名前の由来は、秋に菊に似た明るい花を咲かせることにちなみます。

⑫沈丁花(じんちょうげ)

沈丁花ジンチョウゲ

「沈丁花」は、「金木犀」「梔子」とともに「三大香木」と言われます。「ジンチョウゲ」と「キンモクセイ」の香りは、気持ちが落ち着き心が癒されるような感じがしてとても好きですが、「クチナシ」は強い香水のようで私は昔から苦手です。

名前の由来は、香木の沈香(じんこう)のような強い芳香と、丁子(ちょうじ:香辛料のクローブの原料)の花に似た花姿を持つことからきています。

学名の「Daphne」は、ギリシャ神話に登場する精霊ダフネに由来し、「odora」は芳香があることを意味する言葉です。

⑬忍冬/吸葛(すいかずら)

スイカズラ忍冬

北海道北部を除く日本全土に分布する蔓性植物です。林の下や川の土手などで他の樹木に絡まりながら育つことが多いですが、海岸で地面を這うように広がるケースもあります。

「スイカズラ」という名前は、古くは子供が好んで花を口にくわえて甘い蜜を吸ったことに由来するという説や、花の形を人が蜜を吸うときの唇の形に見立てたものと言う説などがあります。

別名の「ニンドウ(忍冬)」は、冬に耐える意で、暖地では冬でも一部の葉が落ちない(半常緑)ことにちなみます。

5月から7月にかけて咲く花は長さ3から4cmほどで、二輪が並んで咲きます。「キンギンボク(金銀木)」や「ハナヒョウタンボク(花瓢箪木)」などと同じように、咲き始めは白色で、散り際には黄色(クリーム色)に変わるため、別名「金銀花(きんぎんか)」とも呼ばれます。

⑭水仙(すいせん)

水仙スイセン

「スイセン」は春を告げる草花として古くから親しまれています。

和名スイセンは、中国での呼び名「水仙」を音読みしたものです。漢名の「水仙」は、「仙人は天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来します。

「水辺に育ち、仙人のように寿命が長く、清らかな」という意味から名付けられました。別名に「雪中花」「雅客」などがあります。

属名の「ナルキッソス」は、ギリシャ語で「麻痺させる」という意味の「ナルケ」に由来するとか、ギリシャ神話に登場するナルキッソスという美少年の名にちなむなど諸説があります。

ギリシャ神話によれば、ニンフ(妖精、精霊)の「エコー」は愛する美少年ナルキッソスに振り向いてもらうことができなかったので痩せ細り、声だけの存在になってしまいます。「エコー」を哀れんだ女神「ネメシス」は、池に移った自らの姿に心酔しているナルキッソスを水仙の花にしたということです。

余談ですが、意外なことに水仙は全草に毒を持っています。「美しい花には毒がある。知らないと危険、身近な植物の毒性に注意!」という記事に詳しく書いています。

⑮睡蓮(すいれん)

睡蓮

「スイレン」と言えば、フランスの印象派の画家クロード・モネ(1840年~1926年)の絵画が有名ですね。

モネの睡蓮の絵画

「スイレン」は、世界中の熱帯から温帯の広い範囲に分布する植物で、深い切り込みが1本入った円形の葉と、水面に浮かぶ花が特徴です。水位が安定している池や沼で育つ水生の宿根草で、さまざまな花色があります。

学名の「ニンファエア(Nymphaea)」は、ギリシャ神話に登場する水の精「ニンフ(nymph)」に由来するとされています。

ちなみに「ニンフ」は、英雄ヘラクレスに捨てられ、ナイル川に身を投じてスイレンになったとされている妖精です。

この伝説とは別に、スイレンは水辺に咲くことから、花を摘み取ろうとすると魔物によって水中に引きずり込まれるという伝説がドイツなどヨーロッパ各地にあります。これはたぶん、「水辺で遊んでいると危険なことがある」という子供に対する戒めではないかと思います。

⑯鈴蘭(すずらん)

鈴蘭スズラン

「スズラン」は春の訪れを知らせる代表的な花の一つです。日本で最も多く栽培されているのは、ヨーロッパ原産の「ドイツスズラン」で、日本原産の「スズラン」(君影草)よりも草姿・花ともに大型で丈夫です。

なお、全草に毒を持っており、特に花と根に多く含まれているので注意が必要です。「美しい花には毒がある。知らないと危険、身近な植物の毒性に注意!」という記事に詳しく書いています。

⑰菫(すみれ)

菫スミレ

「スミレ」と言えば、「三色すみれ(ビオラ)」(下の左の画像)や「パンジー」(下の右の画像)を思い浮かべる方も多いと思います。

三色すみれ豪華なパンジー

日本在来の「スミレ」は、日当たりのよい草地や田畑の脇、堤防、道端などに生える多年草です。

根元から多数の葉や花茎を伸ばし、花茎の先に花径2cm前後の濃紫色の花を一輪つけます。

⑱李/酢桃(すもも)

李スモモ

バラ(薔薇)科サクラ属の落葉小高木です。「酢桃」とも書きます。

スモモの果実は桃に比べて酸味が強いこともあり、食物としては我々にあまり馴染みがありません。スモモの木自体が私の住んでいる大阪府には少ないため、花もあまり見かけません。

しかし「李下に冠を正さず」とか「桃李もの言わざれども下自(おの)ずから蹊を成す」ということわざや。「スモモも桃も桃のうち」という早口言葉でよく知られています。

また韓国初代大統領の李承晩や、女子プロゴルファーのイ・ボミ(李ボミ)やイ・チヒ(李知姫)のように韓国の人の苗字に多いので記憶にあります。

⑲千日紅(せんにちこう)

千日紅センニチコウせんにちこう

「センニチコウ」は私が子供の頃、家の庭の花壇に、「ヒャクニチソウ(百日草)」や「ダリア」「ホウセンカ(鳳仙花)」などとともに植わっていて、毎年秋に種を取り、翌年に種をまいて育てていたので馴染み深い花です。

この花は、厚さと乾燥に強く、日本の夏に適した性質で、長期間咲き続けます。「千日紅」と呼ばれるゆえんです。

庭や花壇、鉢に植えて育てたものが、切り花としてよく仏壇に飾られます。

⑳染井吉野(そめいよしの)

ソメイヨシノ染井吉野

現代は「花見」と言えば「桜」で、奈良の吉野山の「山桜」以外は圧倒的に「ソメイヨシノ」です。

「ソメイヨシノ」は、母を「エドヒガン(江戸彼岸)」、父を日本固有種の「オオシマザクラ(大島桜)」の雑種とする交配で生まれた日本産の栽培品種の桜です。

遺伝子研究の結果、1995年に「全てのソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑してできた単一の樹を始源とする栽培品種のクローン」であることが明らかにされました。

これは大変驚くべきことです。

(2)た行

①泰山木/大山木(たいさんぼく)

たいさんぼくタイサンボク

「タイサンボク」は、次にご紹介する「タチアオイ(立葵)」とともに、私にとっては「夏が来たと実感させてくれる花」です。

「タイサンボク」は、「モクレン(木蓮)」や「コブシ(辛夷)」などと同じ仲間です。早春から続くこの「マグノリア(モクレン)属」の最後を飾る花です。

6月から7月に、大輪で純白の香りのよい花を咲かせます。花の白と常緑で光沢のある葉の深緑色との対比は非常に美しいものです。

②立葵(たちあおい)

立葵たちあおいタチアオイ

「ホリホック」は、真っ直ぐに高く伸びる草姿から「タチアオイ」の和名があります。2mくらいに伸びる長い茎に、花を穂状につけます。

梅雨入り頃に花穂の下から咲き始めて順々に咲き上がり、花が終わる頃に梅雨が明けると言われています。

③蒲公英(たんぽぽ)

蒲公英たんぽぽ

「タンポポ」の名前の由来は、花後の姿が綿球の「タンポ」に似ているので「タンポ穂」と呼ばれたとする説、花茎を切り出して、その両側を細く切り裂いて水に漬けると反り返り「鼓」の形になるので「タン・ポン・ポン」という音の連想からという説、タンポポが鼓を意味する小児語であったことから、江戸時代には「ツヅミグサ」(鼓草)と呼ばれていたものが、転じてこの植物もタンポポと呼ばれるようになったとする説などがあります。

④月見草(つきみそう)

月見草ツキミソウ

「ツキミソウ」は、メキシコ原産で江戸時代に観賞用として渡来しました。花期は6月~9月頃で、花は夕方の咲き始めは白色ですが、翌朝のしぼむころには薄いピンク色になります。

同属種である「オオマツヨイグサ(大待宵草)」「マツヨイグサ(待宵草)」などのことを「月見草」と呼ぶこともあります。

⑤躑躅(つつじ)

ツツジ混色ツツジ躑躅

「ツツジ」については、「サツキ(皐月)」の項目で詳しく書きましたのでご覧ください。

⑥椿/海柘榴(つばき)

椿ツバキ

「ツバキ」については、「サザンカ(山茶花)」の項目で詳しく書きましたのでご覧ください。

⑦露草/鴨跖草(つゆくさ)

露草つゆくさ

「ツユクサ」は畑の隅や道端でよく見かける雑草です。朝咲いた花が昼にはしぼむことが朝露を連想させることから、この名がつけられました。

私が子供の頃、家の花壇には「ムラサキツユクサ(紫露草)」(下の画像)が植えられていました。最近はほとんど見かけませんが・・・

ムラサキツユクサ

⑧石蕗(つわぶき)

つわぶき石蕗

「ツワブキ」は海岸近くの岩場などに生え、初冬に黄色い花を咲かせます。葉柄は食用になりますが、観賞用に庭園に植えられることもあります。私の家でも植えています。

名前の由来は、「艶葉蕗(つやはぶき)」、つまり「艶のある葉を持った蕗」から転じたとする説や、「厚葉蕗(あつはぶき)」、つまり「厚い葉を持った蕗」から転じたとする説などがあります。

⑨灯台躑躅/満天星(どうだんつつじ)

どうだんつつじドウダンツツジ

「ドウダンツツジ」は生垣によく利用される落葉性低木です。春には白いベル型の小さな花をいくつも咲かせ、庭を優しい雰囲気に包んでくれます。また秋に真っ赤に紅葉する姿も見ごたえがあります。

「ドウダン」は、枝分かれしている様子が、昔夜間の明かりに用いた灯台(結び灯台)の脚部と似通っており、その「トウダイ」から転じたものです。

「満天星」の表記は、本種の中国語名の表記をそのまま引用し、和名のドウダンツツジの読みに充てたものです。

⑩蕺草/毒痛み(どくだみ)

どくだみドクダミ

「ドクダミ」は私の子供の頃は「ジュウヤク(十薬/重薬)」と呼んでいました。転んだ時などに、庭に生えている「ジュウヤク」の葉を揉んで傷口に当てて手当しました。

雑草でもあり、引き抜くと独特の強い臭いが手に残ったものです。

⑪鳥兜(とりかぶと)

トリカブト鳥兜

「トリカブト」と言えば、私は1986年に起きた「トリカブト保険金殺人事件」を思い出します。

それまで、「トリカブト」のことは全く知りませんでしたが、凶器として「トリカブト毒(アコニチン)」が用いられたことで大きく報道されました。

「トリカブト」は、「ドクウツギ」「ドクゼリ」と並んで「日本三大有毒植物」とされています。

美しい花には毒がある。知らないと危険、身近な植物の毒性に注意!」という記事に詳しく書いています。

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