皆さんはウクライナ出身で、現在日本で活動している「ウクライナの歌姫」ナターシャ・グジーをご存知でしょうか?
1.ナターシャ・グジーとは
ナターシャ・グジー(Nataliya Gudziy)(1980年~ )は、日本で活動しているウクライナ出身の歌手で、バンドゥーラ演奏家(バンドゥリースト)です。
彼女はウクライナのドニエプロペトロフスク州(現ドニプロペトロウシク州)の村に生まれ、チェルノブイリ原子力発電所から3.5kmのプリピャチに転居しました。1986年4月26日の「チェルノブイリ原子力発電所爆発事故」によって被曝した後、避難生活で各地を転々としてキエフ市に移住しました。
ウクライナの民族楽器バンドゥーラの音色に魅せられ、8歳より音楽学校で学んでいます。チェルノブイリ原発事故で被災した少年少女を中心に結成された民族音楽団「チェルボナ・カリーナ」(チェルノブイリの赤いカリーナの実)のメンバーとして、1996年、1998年に来日し、全国で「チェルノブイリ救援コンサート」を行っています。
2000年からは日本語を学びながら日本での本格的な活動を開始。その透明で美しい水晶の歌声とバンドゥーラの可憐な響きは、多くの聴衆の心を惹きつけています。2005年7月のウクライナ大統領ヴィクトル・ユシチェンコ来日の際には、首相官邸での小泉純一郎首相主催の夕食会に招かれ、演奏を披露しました。
「チェルノブイリ救援コンサート」のほか、テレビ・ラジオ・音楽教室や学校での国際理解教室など多方面で活躍しています。2016年には、音楽を通じた日本とウクライナの相互理解の促進に対する功績が認められ、日本の外務省から外務大臣表彰を受けました。
彼女は多くの日本の歌を日本語で、バンドゥーラの伴奏によって歌っています。ぜひ聞いてみてください。
2.バンドゥーラとは
バンドゥーラ(ウクライナ語: бандура)は、15世紀に成立したウクライナの民族楽器です。弦鳴楽器の一つでリュート属に分類されます。西洋のリュートと東洋の琴を合わせたような外見をしています。
音色はピアノとギターを合わせたような音色で、50から60までの弦が半音階で5オクターブに渡って調律されています。。演奏はコサックの時代以降に盛んになりました。
日本在住の奏者ナターシャ・グジーによれば、この楽器はかつて盲人が職業に使っていて日本の琵琶との共通性があると語っています。
ナターシャ・グジー/歌手・バンドゥーラ演奏家 オフィシャルサイト / Nataliya Gudziy official website (office-zirka.com)