ケサランパサランとは?幸せを呼ぶ伝説は本当か?捕まえて育てられる?

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ケサランパサラン

皆さんは、空中をふわふわと浮遊する綿毛のような謎の物体をご覧になったことはないでしょうか?

これは実は「ケサランパサラン」と呼ばれるものの一つです。

「ケサランパサラン」は、見つけると幸せになると言われている不思議な生き物です。ただし実際は生き物かどうかも定かではありませんし、その正体もはっきりとはわかっていません。

そこで今回は「ケサランパサラン」という不思議な謎の物体について、わかりやすくご紹介したいと思います。

1.ケサランパサランとは

ケサランパサラン

「ケサランパサラン」(「ケ・セランパサラン」)は、江戸時代以降の民間伝承上の謎の生物とされる物体です。外観は、タンポポの綿毛や兎の尻尾のようなフワフワした白い毛玉とされます。

西洋でゴッサマー(gossamer)やエンゼル・ヘア(angel hair)と呼ばれているものと同類のものと考えられています。

(1)「ケサランパサラン」の概要

ケサランパサラン

白い毛玉のような物体で、空中をフラフラと飛んでいると言われます。東北地方では嵐の前などに雷とともに降ってくるという伝承があります。一つ一つが小さな妖力を持つ妖怪とも言われますが、植物か動物かは判然とせず、未確認動物として扱われることもあります。

名前の由来については、スペイン語の「Que Será, Será(ケ・セラ・セラ)」が語源だという説、「袈裟羅・婆裟羅」(けさら・ばさら)という梵語が語源だという説、羽毛のようにパサパサしているからという説、「何がなんだかさっぱりわからん」を意味する東北地方の言葉との説などがあります。

ケサランパサランを見つけると幸運になるという伝承があります。ケサランパサランを持っているということはあまり人に知らせないほうがいいと言われているため、代々密かにケサランパサランを伝えている家もあるということです。

穴の開いた桐の箱の中でおしろいを与えることで飼育でき、増殖したり、持ち主に幸せを呼んだりすると言われています

しかし、穴がないと窒息して死んでしまう、おしろいは香料や着色料の含まれていないものが望ましい、1年に2回以上見るとその効果は消えてしまうなどと言われることもあります。

ケサランパサランは1970年代後半に広く知られるようになりましたが、この時ケサランパサランとされた物の多くは、花の冠毛からできたものでした。

『和漢三才図会』より「鮓荅」

和漢三才図会

ケサランパサランとの関係は明らかになっていませんが、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には「鮓荅(へいさらばさら、へいさらばさる)」という玉のことが記載されています。

同書によれば、これは動物の肝臓や胆嚢に生じる白い玉で、鶏卵ほどの大きさのものから、栗のイガやハシバミくらいの小さいものまであり、石や骨にも似ているがそれとは別物で、蒙古人はこれを使って雨乞いをしたとあります。著者・寺島良安はこれを、オランダで痘疹(痘瘡の発疹)や解毒剤に用いられた平佐羅婆佐留(へいさらばさる)と同じものとしています。

近代では、「鮓荅」は「さとう」と読み、動物の胆石や腸内の結石と解釈されています。

(2)「ケサランパサラン」の正体

ウサギの毛玉のような動物系のものとタンポポの綿毛に似た植物系のものがあるとされます。正体は明らかではなく、以下のように“動物の毛玉”“植物の花の冠毛”などいくつかの説があります。またはこれらすべてを総称してケサランパサランとして認識されている可能性があります。

<動物性>
東北などの寒冷な地域において、小動物が捕食された際に食べ残された毛皮の皮膚の部分が縮まり、毛を外側にして丸まったものとも言われています。この他、牛や馬などといった動物の胆石や結石などだという説もあります。
<植物性>
アザミやオキナグサ、ブタナなどといった植物の花の冠毛が寄り集まって固まったものであるとされます。ガガイモの種の綿毛とも言われます。綿状のカビだという説もあり、白粉を与えると増えるというのはこのためだとも言われます。また、ビワの木でよく目撃されることから「ビワの木の精」とも呼ばれています。
<鉱物性など>
オーケン石 (okenite) や、雪虫、アオバハゴロモの幼虫などが、その正体だとされることもあります。

2.「ケサランパサラン」の展示

姫路市立動物園に展示のケサランパサラン

山形県鶴岡市の加茂水族館や兵庫県姫路市の姫路市立動物園で展示されています。

加茂水族館では村上龍男・名誉館長が1990年頃に月山山麓のブナの木の下で発見した綿毛状の物質を展示しています。ここでは「ワシなどの猛禽類がウサギなどの小動物を食べた際に排泄される毛玉(ペリット)である」と説明されています。

また、姫路市立動物園では2010年ごろから展示されていますが、これは猛禽類が餌を消化しきれずに吐き出した羽根の塊であり、猛禽類の生態を知ってもらうための企画として展示されています。

3.「ケサランパサラン」が登場する作品

<音楽作品>
  • ケサランパサラン – 小出稚子のオーケストラ曲
  • ビジュメニア – 悠木碧の楽曲
  • ケサランパサラン – every♥ing!の楽曲
  • ケサランパサラン – sora tob sakanaの楽曲
  • 結接蘭 破接蘭 – レベッカの楽曲
  • ケサランパサラン – DECO*27の楽曲
<ゲーム>
  • とんがりボウシと魔法の365にち – ふしぎじかんに「むしのなかま」として捕まえることができ、ピンク、黒の2色がある。本作以降のとんがりボウシシリーズにも登場。
  • スーパーマリオワールド (ケセラン・パサラン)
  • 世界樹の迷宮III 星海の来訪者
  • ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
  • リヴリーアイランド
  • モンスターストライク
  • にゃんこ大戦争
<漫画>
  • 地獄先生ぬ〜べ〜 – 真倉翔原作・岡野剛作画の漫画。
  • 超人学園 – 石沢庸介の漫画。
  • 東方茨歌仙 〜 Wild and Horned Hermit. – ZUN原作、あずまあや作画の漫画。
  • 繰繰れ! コックリさん – 遠藤ミドリの漫画。
  • そのアパート、座敷童子付き物件につき… – 小夏ゆーたの漫画。
  • ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。
  • ケサランなにがしとスープ屋さん – 堀井優の漫画。
  • 先輩!今から告ります! – 慎本真の漫画。
  • 東京都北区赤羽 – 清野とおるの漫画。
  • ねこようかい – ぱんだにあの漫画。
<小説>
  • いま集合的無意識を、 – 神林長平の小説。

4.化粧品メーカーおよび製品ブランド名としての「ケサランパサラン」

「ケサランパサラン( Kesalan Patharan) 」は、ピアス傘下の百貨店向け化粧品メーカーおよび製品ブランド名でもあります。

1987年に大阪のピアス社より販売を開始。名称の由来は伝説上の生物「ケサランパサラン」であり、さらにその語源としてスペイン語 Que seran, pasaran を挙げています。

1995年にケサランパサラン株式会社が設立され、同時に展開が始まったピアス社のブランド複合取扱ショップであるパウダーパレットでも取扱を開始しました。

2006年にまつ毛エクステンション施術を開始。各百貨店内店舗(エクステサロン)での施術は同社を嚆矢とし、その後アイブロウデザイニングの施術も開始し並行して展開。2010年には百貨店外の直営店を表参道(東京都渋谷区神宮前4丁目)に開店しました。

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