「ドレミ」と言えば、学校の音楽の授業で最初に覚える音階です。また私は、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中の「ドレミの歌」を思い出します。ジュリー・アンドリュースの4オクターブの美しい歌声とアルプスの美しい風景が目に浮かびます。
1.ドレミの起源
ところで、このドレミの起源は何でしょうか?
これは、ラテン語の聖歌(グレゴリオ聖歌)の「歌詞」から取られたものです。イタリアのグイード・ダレッツオが、この曲の各節の頭の音が1音ずつ順に上がって行くことを利用して「ドレミファ」を作ったのです。
原典は、カトリック教会での「洗礼者聖ヨハネの誕生」の祝日、6月24日の第二晩課の時に歌われていた「ヨハネ讃歌」の歌詞の一番です。
Ut queant laxis resonare fibris Misa gestorum famuli tuorum ,Solve polluti labii reatum, Sancte Ioannes.
(汝のしもべが、弦をかきなでて、汝の妙なるわざをたたえ得るように、このけがれある唇の罪をのぞかせたまえ、聖ヨハネよ。)
上の赤文字で表されたところから、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ」という名称(音名・階名)が採用されたそうです。
2.日本音階との違い
日本固有の音階は「五音音階」で、「ヨナ抜き音階」と「ニロ抜き音階」の二つに大別されます。
「ヨナ抜き音階」は、「四七抜き音階」とも表記し、「ヨナ抜き長音階」(音階は、C,D,E,G,A,C)を西洋音楽の長音階に当てはめた時に、主音(ド)から四つ目のファと七つ目のシがない音階(ドレミソラ)のことです。雅楽の呂旋法がこれに当たります。
「ヨナ抜き短音階」は、陰音階の主音をAに変更したもの(音階は、A,B,C,E,F,A)です。
「ニロ抜き短音階」は陽音階で、A, C, D, E, G, A です。「ニロ抜き長音階」はC, E, F, G, B, C で、琉球音階と同じです。