前に「キラキラネーム」の話題を記事に書きましたが。今回は最近増えて来たと言われる「しわしわネーム」についてご紹介したいと思います。
1.「しわしわネーム」とは
2000年代に入って流行し始めた「キラキラネーム」に逆行する形で、最近「しわしわネーム」が話題になっています。「流行は繰り返す」ということでしょうか?
「しわしわネーム」とは、「日本的で古風な印象があり、大正・昭和時代のような古めかしさを感じさせる名前」のことです。
「レトロな印象があり、素敵でかわいい」と感じる人も増えているようで、大正ロマンや昭和モダンを「おしゃれ」と感じて、子供の名前に付ける人もいるようです。
私たち「団塊世代」の名前は、男は下に「一」や「二」、あるいは「郎」や「男」を付け、女は下に「子」を付けるのが圧倒的に多かったように思います。
2.芸能人が子供につけた「しわしわネーム」の具体例
芸能人で子供に「しわしわネーム」を付けている具体例としては、次のような方々がおられます。
中村獅童・竹内結子夫妻の「太郎(たろう」、葉加瀬太郎・高田万由子夫妻の「向日葵(ひまわり)」「万太郎(まんたろう)」
やはり、奇抜で奇をてらったような「キラキラネーム」の反省あるいは反動から、平凡ではあっても日本人の名前としてふさわしい「しわしわネーム」を付けようという動きが出て来たということでしょうか?
3.日本人のバランス感覚の良さ
これは、日本人の「バランス感覚」の良さを表しているのかも知れません。
政治の世界では、「自民党政治」が長く続き、いろいろな不満や問題が出て来たところに、野党を寄せ集めた「民主党」が出来たので、2009年に「民主党政権」が誕生しました。これは、多くの国民が、「一度、自民党にお灸を据えよう」「一度、民主党にやらせてみよう」と思った結果です。
しかし、皆さんもご存知のように、「民主党」は全く政権担当能力がないことを露呈しただけでなく、鳩山元首相の沖縄問題での対応や、菅元首相の原発事故問題での対応のまずさが大きな禍根を残しました。
それで、自民党政権に戻った訳ですが、今の野党を見ていると、やはり「反対だけで対案提出能力がない野党」のままだなと思いますし、とても政権を任せられる政党はないと痛感します。
閑話休題、本論に話を戻しましょう。
4.芸能人や有名アスリートの「しわしわネーム」の具体例
芸能人の芸名や、有名アスリートで「しわしわネーム」と言えば、北川景子さん、石原さとみさん、広瀬すずさん、黒木華さん、二階堂ふみさん、木村文乃さん、佐々木蔵之介さん、神木隆之介さん、阿部慎之助さん、大谷翔平さんなどがいます。
阿部慎之助さんは、母親がピーター(本名:池畑慎之助)の大ファンだったので、ピーターにあやかって名付けたそうです。
大谷翔平さんは、父親が出身地の奥州平泉にゆかりのある源義経にちなんで、義経の戦うと飛ぶイメージから、「翔」の字を用い、平泉から「平」を取って名付けられたそうです。
蛇足ですが、「翔」という字が、「名前」の文字として使用が認められるようになったのは、昭和56年からです。ちょっと意外な感じもしますね。
5.小説の登場人物の名前が人気となった具体例
池波正太郎の歴史小説に「剣客商売」というのがあります。主人公の秋山小兵衛の息子大治郎の嫁が女剣士で佐々木三冬(みふゆ)という名前ですが、池波ファンのお父さんたちがこの「三冬」という名前を気に入って、女の子の名前に付ける人が多かったという話もあります。
これは、小説の中で「三冬(みふゆ)」という女性像がとても魅力的だったからで、漢字が気に入ったという理由ではなさそうです。
この「三冬(みふゆ)」という名前は、「キラキラネーム」のようでもあり、「しわしわネーム」のようでもありますね。
「三冬(みふゆ/さんとう)」の本来の意味は、冬の3か月(陰暦10月・11月・12月)のことです。「三冬月(みふゆづき)」は、陰暦12月の異称です。
6.時代を反映した子供の名前の付け方
大正時代の男の子の名前は、「正」「清」「博」という漢字が多く、戦前戦中は、「勇」「勝」「勲」「功」「武」などの勇ましい名前が多かったようです。
大正時代の女の子の名前は、「千代」「文子」「ハル」「ハナ」などが多く、昭和の前半は「昭子」や「和子」が多く、その後しだいに「美」の付く名前が多くなったようです。