「ふるさと納税」とは何かをわかりやすく説明します。「偽サイト」にもご注意!

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ふるさと納税偽サイト

東京や大阪などの都会に出て働いている人々が、自分の出身地の都道府県や市町村に少しでも貢献できる制度として、2008年に「ふるさと納税」制度が出来ました。都会の自治体にはたくさんの税収が入るのに、自分の生まれ育った自治体にはあまり税収が入らないからです。

ただ、この「ふるさと納税」制度は、自分の出身地の自治体でなくても、自分の好きな自治体を選べることになっていたのが、問題が起きることになった原因かも知れません。

1.「ふるさと納税」とは何か

ここで、「ふるさと納税」制度について、簡単に説明しておきます。

①ふるさと納税とは、都道府県や市町村への「寄付」です。原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が「寄付金控除」の対象となります

②自分の生まれた故郷に限らず、どの自治体にでもふるさと納税を行えます。寄付金の使い道については、ふるさと納税を行った本人が選択できる自治体もあります

③事務の流れは、「自治体を選ぶ」→「ふるさと納税をする」→「確定申告をする」→「所得税からの控除を受ける」→「翌年度の住民税からの控除を受ける」

2.ふるさと納税の「問題点」

しかし、「豪華な返礼品」がネットでも話題になり、自分の故郷の自治体でなくても、「高額返礼品」目当てに「返礼率」の高い自治体への「ふるさと納税」が急増して問題になりました。

中には70%~80%の返礼率の返礼品を出す自治体もあったようです。総務省の2015年度の調査によれば、ふるさと納税の返礼品の購入・送付にかかった費用は受入額の平均で4割に上ったそうです。2017年には、総務省が「ふるさと納税」制度の趣旨を逸脱するような返礼品に歯止めをかけるため、「返礼率は30%以下とする」よう通達を出しました。

この「ふるさと納税」については、名前は聞いたことがあるけれど実際にやったことがない人が多いと思います。しかし、最近テレビで「ふるさと納税」のCMがよく流れるようになり、ネットでも「楽天でふるさと納税できます」などの「ふるさと納税サイト」の広告をよく目にします。

3.ふるさと納税の「偽サイト」の乱立

そこに目を付けたのが、「寄付金の詐取」を狙う詐欺集団で、最近「ふるさと納税」の「偽サイト」が乱立しているそうです。

福岡県古賀市は12月4日、「ふるさと納税の偽サイトが見つかった」と発表しました。「楽天ふるさと納税」画像を不正にコピーし、申し込み(支払い)金額を35%値引きした額で返礼品がもらえるように表示されていたそうです。福岡県では12の市町村の偽サイトを確認したとのことです。

北海道三笠市を名乗る偽のふるさと納税サイトでは、返礼品の黒皮スイカが特価でもらえるとあり、静岡県磐田市の公式サイトの画像をコピーした偽サイトでは、44万円の商品が33万8,000円に割引などと書かれていたそうです。

山形県酒田市でも「ふるさと納税偽サイト」注意喚起を出しています。

「さとふる」や「ふるさとチョイス」などの「ふるさと納税サイト」も、「偽サイト注意喚起」を発表しています。これらの運営会社では、「大幅な割引表示をしていたり、自治体の住所や連絡先の記載がなかったりするサイトは偽物である可能性が高い」として、そうしたサイトから寄付をする前に、自治体に確認を取るなどの対応を呼び掛けています。

振込先口座が個人名」になっていたり、「文字化け」があったり、「不自然な日本語」があったりすることもあるようですので、併せて注意してください。

「偽サイト」では、「返礼品が届かない。税控除も受けられない。クレジット情報などの個人情報が盗まれる恐れがある」など悪いことばかりです。「偽サイト」は、「外国人詐欺集団」による犯罪の可能性があるそうです。

総務省も、「ふるさと納税」の「偽サイト」についての注意喚起を行っています。菅官房長官は、詐欺被害が出ていることについて、「大変残念。警察において取締りを行う。総務省からも各地方自治体に注意を促し、対応を要請する」と述べています。

皆さんの中で、「ふるさと納税」をしようと考えておられる方は、自治体の「公式ホームページ」から入るようにするなど、十分注意して対応してください。