「大阪府立中之島図書館」を寄付した「住友財閥」の「住友吉左衛門」

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住友吉左衛門

現在一般の書籍や専門書を収蔵する「大阪府立図書館」は、東大阪市に新築されており、「大阪府立中之島図書館」は「大阪関係資料」と「古典籍」などの特殊な書物中心の図書館に衣替えしています。

この「大阪府立中之島図書館」は、住友財閥の第15代住友吉左衛門氏(1865年~1926年)の寄付によって建てられたものです。

1.「大阪府立中之島図書館」とは

かつては、夏休みに多くの受験生たちが勉強する姿がよく見られました。私は大学時代に何度か通いました。ギシギシ鳴る階段を上って閲覧室に入ったことが懐かしく思い出されます。

「大阪府立中之島図書館」の本館と書庫は、1904年(明治37年)に完成しました。

外観は「ルネッサンス様式」で内部空間は「バロック様式」を基本としながら、優れたデザインで格調高い建築となっています。「コリント式円柱」に支えられる正面はギリシャ神殿を、ドーム状の中央ホールは教会のような造りになっています。

1974年(昭和49年)には国の重要文化財に指定されています。

2.「住友財閥」とは

「住友財閥」は、三井財閥・三菱財閥と並ぶ日本三大財閥の一つです。

「業祖」は、「家祖」住友政友の姉婿の蘇我理右衛門で、「南蛮吹き」と言われる銅精錬の技術を開発し、銅吹き所が住友家の家業となります。住友家は江戸時代以来「別子銅山」の経営を事業の主力とし、明治時代には、金属産業から関連産業に進出します。第一次世界大戦後は諸企業を傘下に収め巨大財閥となります。

第15代住友吉左衛門氏は、野村徳七や小林一三と並ぶ大茶人で、風流人でした。1895年(明治28年)には住友銀行を創設しています。当初は住友吉左衛門氏の個人経営の銀行でした。

彼は、1897年(明治30年)の欧米視察旅行で、世界の商工業の繁栄や運営手法を目にして、経営者として成長を遂げます。同時に美術、建築など古今の文化に対する知識を深め、欧米の上流社会の生活・儀礼への理解も増しました。中でも欧米の富豪が文化事業や社会事業に惜しげもなく私財を投じて奉仕活動をしていることに感銘を受け、それが中之島図書館建設の決断へとつながったようです。

寄付としては、上記の中之島図書館のほかに、住友家の茶臼山本邸(慶沢園)を大阪市に寄付しており、現在「大阪市立美術館」となっています。この美術館は天王寺公園内にあります。