「季語の季節」と「二十四節気」「旧暦」「新暦」の季節感の違い

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季語の季節対比表

二十四節気図

「時は元禄15年 師走半ばの十四日 江戸の夜風を震わせて 響くは山鹿流儀の陣太鼓 」というのは講談の忠臣蔵の「討ち入りの場面」の語りです。しかしこれは旧暦(太陰暦)の12月で、現代の新暦(太陽暦)では1月30日の出来事です。しんしんと雪が降り積もるのは、温暖化前の江戸時代でも12月半ばでは確率は低いでしょう。

浅野内匠頭が吉良上野介に切りつけた「松の廊下の刃傷事件」は、元禄14年3月14日に起きました。そして、浅野内匠頭は「風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとかせん」と辞世を詠んで即日切腹させられました。これも旧暦の3月で、新暦では4月21日です。

「忠臣蔵」の映画などでは、辞世にある浅野内匠頭の無念の思いを象徴するように桜の花びらがはらはらと散る様子が描かれます。3月半ばでは桜はまだ固いつぼみのままです。

それにしても、この忠臣蔵の物語は実話に基づくものですが、要所要所で「ドラマチックな場面」が多く用意されていることに感心させられます。忠臣蔵の人気の秘密はこんなところにもあるのでしょう。

1.「旧暦」と「新暦」

(1)旧暦

旧暦と呼ばれる「太陰太陽暦」は、月の満ち欠けを基準にしていますが、太陽の動きも考慮して季節のズレがないように工夫した暦です。

新月から新月までの期間は平均29.5日なので、1年は354日です。太陽の動きを基準とする1年より11日少なく、3年で約1カ月のズレを生じます。

それを解消するために、約3年に一度「閏月(うるうづき)」を設けて対応していました。

(2)新暦

新暦と呼ばれる太陽暦(グレゴリオ暦)は、地球が太陽の周りを回る周期を基準にしたものです。地球が太陽の周りを一回りする周期は365日あまりです。1年間を365日とした上で、4年に一回366日(閏年)として調整しています。

2.俳句の「季語の季節」と「二十四節気」「旧暦」「新暦」との関係

「若葉」が「夏」の季語であったり、「朝顔」や「西瓜(すいか)が「秋」の季語であったりして、現代の季節感とのズレを感じることがよくあります。

しかし、「若葉」は二十四節気の「立夏」のころ(5月6日ごろ)の季語で、「朝顔」や「西瓜」も「立秋」のころ(8月8日ごろ)の季語とわかれば納得が行きます。

古来、日本人は細やかな季節感を持ち、春夏秋冬というアバウトな「四季」では飽き足らず、それぞれの季節に「初・仲・晩」を付けて「初春・仲春・晩春」と呼び、さらにその「12の季節」を「前半・後半」に分けたうえで、「二十四節気」としてそれぞれにふさわしい名前を付けました。

これらの関係をわかりやすく示したものが最初に掲げた対比表です。これで少しは感覚のズレが修正できるのではないかと思います。

それにしても、俳句の歳時記を繙いてそこに掲げられた季語を見ると日本人が季節を感じる豊かで細やかな感情に驚かされます。

歳時記には、春夏秋冬のそれぞれの季節ごとに、「時候」「天文」「地理」「生活」「行事」「動物」「植物」の項目が分かれており、たくさんの季語が収録されています。今では「カラー写真」の付いた読んで楽しく見ても楽しい歳時記も出ていますので、ぜひ読まれることをお勧めします。