「フジコ・ヘミングさん」と「辻井伸行さん」のピアノ演奏は魂を揺さぶる

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辻井伸行

私の父が映画音楽が好きで「ヨーロッパ映画音楽大全集」とか「アメリカ映画音楽大全集」などのレコードを集めていましたので、私もよく聞いていました。姉がクラシックと映画音楽、ポップスが好きだったので、ベートーベンやブラームス、ドヴォルザークなどのクラシック、「ウェストサイド物語」や「サウンドオブミュージック」、「悲しき雨音」などのレコードもよく聞きました。

社会人になってからは、自分でカラヤン指揮のベートーベンとかモーツァルト、チャイコフスキー、ラフマニノフ、ドビュッシー、ショパン、ヴィヴァルディなどのレコードを買い漁りました。

特にカラヤン指揮・ベルリンフィルハーモニー交響楽団の演奏は、他の指揮者による演奏に比べて、力強くて歯切れがよく、メリハリもあってとても好きでした。

そんな中で、レコード店で視聴してすぐ購入を決めたのは、フジコ・ヘミングさんの「奇蹟のカンパネラ」のCDでした。

1.フジコ・ヘミングさん(1932年~ )

私は最初に視聴した時、衝撃を受けました。彼女は「魂のピアニスト」と呼ばれていますが、本当に「彼女の魂が叫ぶような音色と迫力ある演奏」に圧倒されました。

彼女は父親がロシア系スウェーデン人で、母親が日本人ピアニストというハーフで、ベルリンで生まれています。

小学生のころから「天才少女」と騒がれましたが、前半生は順風満帆ではなかったようです。

父親が日本の生活になじめず、妻と2人の子供を残して、スウェーデンに帰ってしまいます。そのせいで、長らく無国籍状態であったり(現在はスウェーデン国籍)、16歳の時に中耳炎で右耳の聴力を失うなどの悲運に見舞われますが、苦闘の末、35歳の時にはブルーノ・マデルナのソリストとして契約します。

しかしウィーンでのリサイタルの直前に、風邪をこじらせて左耳の聴力も失ってしまいます。耳が聞こえないまま初日のリサイタルは行ったものの、結果は散々で、翌日以降は全てキャンセルとなったそうです。

音楽家として、辻井伸行さんのように目が不自由なのも大変なハンディキャップですが、聴力を失うことはそれ以上のハンディキャップだと思います。

それでも、ドイツで耳の治療を受けながらピアノを弾き続け、ピアノ教師の資格を取り、細々と活動を続けました。

60代でまだ無名なピアニストでしたが、1999年に彼女の波乱万丈な人生を描いたNHKのドキュメンタリー番組が放送されたことで、一気に世間にその名が広まりました。

なお、現在左耳は40%回復しているそうです。

彼女は、他のピアニストに比べて、「スローテンポ」で「ミスタッチ」も多いと言われますが、なぜか心に響く演奏です。カラオケバトルの番組で、「声がよくて音程が正確でも、心に響かない素人」の方が「本家のプロ歌手」より高得点になることがありますが、これは「歌の心」をカラオケの機械は読み取れないためです。

彼女は「私はミスタッチが多い。直そうとは思わない。批判する方が愚かしい」、「ぶっ壊れそうな鐘があったっていいじゃない。機械じゃないんだから」と語っています。

彼女は、子供の頃、ピアニストであった母親からピアノ演奏についてのスパルタ教育を受けたそうです。何だかベートーベンの幼少時代と似た話ですね。

2.辻井伸行さん(1988年~ )

彼は、先天的に目が不自由ですが、天賦の音楽的才能があったため、幼いころから本格的にピアノの勉強を始め、7歳で「全日本盲学生音楽コンクールピアノ部門で1位となり、10歳で「三枝成彰スペシャルコンサート」で大阪センチュリー交響楽団と共演して鮮烈なデビューを飾りました。

その後、12歳で、第一回ソロ・リサイタルをサントリーホールで行うなど、目覚ましい活躍を始めたことは、テレビ番組などを通じてよく知られています。2007年には20歳でプロデューを果たしています。

ところで、彼は全盲のため、全ての長い楽譜を暗譜しなければなりませんので、常人には想像できない困難が伴います。

コンテストなどで、「現代音楽」の場合は楽譜を見ることが許されているそうですが、彼の場合は、全て暗譜しなければならない訳で、相当なハンディキャップだと思います。

そういう困難を乗り越えて、大活躍しているのですから、「天才」「奇跡のピアニスト」と呼ばれるのもうなづけます。

私は音楽にそれほど詳しくないのですが、彼の良いところは、美空ひばりやテレサ・テンのような天才的歌手が歌の心を見事に表現するのと同じように、「作曲者が意図したであろう解釈」「表現してほしいと思った演奏」をしているのではないかと思います。


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debut 10 years [ 辻井伸行 ]



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