「フェルミのパラドックス」とは?宇宙人の存在に関する逆説

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エンリコ・フェルミ

皆さんは「宇宙人」や「UFO」の存在を信じますか?

科学者でも、宇宙人の存在の可能性を信じている人はいますし、民間航空機やアメリカ海軍のパイロットにも「UFO」に遭遇した人もいると聞いたことがあります。

しかしこれは「オカルト」か「都市伝説」のように考えて信じない人がほとんどだと思います。宇宙人の存在の可能性は否定しないまでも、宇宙の彼方ではあまりにも距離が遠く離れているため、現実に接触できる可能性は皆無だというのが正直な感想でしょう。

しかし物理学者で宇宙人の存在に関する面白いパラドックスを考えた人がいます。

1.エンリコ・フェルミとは

宇宙人の存在に関する「フェルミのパラドックス」を考えたのは、イタリア出身の物理学者で「フェルミ推定」を提唱したことでも知られるエンリコ・フェルミ(1901年~1954年)です。彼は1938年にノーベル物理学賞を受賞しています。

彼は「マンハッタン計画」(原子爆弾開発・製造計画)に参画し、世界初の原子炉の運転に成功し、「核時代の建設者」「原子爆弾の建設者」とも呼ばれました。

2.宇宙人の存在に関する「フェルミのパラドックス」とは

フェルミのパラドックス

「フェルミのパラドックス」とは、「地球外文明の存在の可能性の高さ」と「そのような文明との接触の証拠が皆無である事実」との間にある矛盾のことです。

フェルミは、当時考えられていた「宇宙年齢」の長さと宇宙にある膨大な恒星の数から、地球のような惑星が恒星系の中で典型的に形成されるならば、宇宙人は宇宙に広く存在しており、そのうちの数種は地球に到達しているべきだと考察しました。

彼が「もし恒星間航行が可能な宇宙人がいるなら、なぜ連絡して来ないのか?そいつは一体どこにいるのかね?」という形で最初に提言しました。

3.「フェルミのパラドックス」に対するさまざまな解釈・意見

「フェルミのパラドックス」に対しては、いくつもの解釈・意見が提示されました。

(1)ドレイクの方程式

「ドレイクの方程式」とは、「銀河系に地球と星間通信ができるような宇宙文明の数がどれくらいあるかを推定する式」のことで、次のような式で表されます。

「宇宙文明方程式」「グリーンバンク方程式」とも呼ばれます。

NR×fp×ne×fl×fi×fc×L

N:宇宙文明の数 

R:銀河系の中で1年間に誕生する星の数

fp:誕生した星が惑星を持つ確率

ne:生命が生存できる環境を備えた惑星の数

fl:生存に適した惑星上で生命が発生する確率

fi:発生した生命が知性を持つ確率

fc:進化した生命が高度な技術文明を発達させる確率

L:技術文明が実際に通信を送ることが可能な年数(その文明を維持継続できる年数)

アメリカの天文学者・天体物理学者フランク・ドレイク(1930年~ )によって1961年に提案されました。

最初の3項目(パラメーター)は天体物理学的要因、次の2項目は生物学的要因、最後の2項目は社会・文化的要因です。

実際に各パラメーターにどのような数値を当てはめ得るかは、議論の分かれるところです。

Nは、1から100万まで種々の値が提案されています。

(2)動物園仮説

宇宙人は存在するが、何らかの制限またはある意図のために、まだ地球にやって来ていないとする説です。

「宇宙人は地球人の存在をすでに知っているが、地球人に干渉しないために自分たちの存在を隠している」「地球を含む宙域は保護区指定されており、宇宙人が自由に立ち入ることはできなくなっている」などの仮説は古くからありました。

1973年にマサチューセッツ工科大学の電波天文学者ジョン・ボールが発表した論文「The Zoo Hypothesis」によって「動物園仮説」という名称が定着しました。

地球は宇宙人から見れば、動物園のような観察対象に過ぎないという意味です。

しかし、この仮説は「宇宙人が地球人のことを熟知した上で、地球人への干渉を自粛している」、あるいは「宇宙人同士が(暗黙にもせよ)何らかの合意(協定)を結んでいて、宇宙人が地球に自由に立ち入れない」ことを前提としています。

そのため、「宇宙人はどのようにして地球人のことを知ったのか?」、あるいは「どのようにして宇宙人同士の合意を行ったのか?」という疑問が残ります。

(3)その他の仮説

①宇宙人(地球外知的生物)は存在しないとする仮説

この宇宙には、地球以外に生命体は存在しないとする仮説です。したがって「存在しない物は来ない」という結論です。

②宇宙人は存在し、すでに地球に到達しているが検出されないとする仮説(UFO陰謀説)

③宇宙人は存在し、過去に地球に到達していたが、最近は到達していないとする仮説

④宇宙人は存在するが、恒星間空間に進出し地球にたどり着くための進化・技術発展における難関を突破できていない(通信できるまで進化できていない)とする仮説

(4)チャネリング

これは、宇宙人からの通信があるという前提の話で、「スピリチュアル」の領域になります。

「チャネリング」とは、「高次の霊的存在・大聖・神・宇宙人・死者など」の「超越的・常識を超えた存在、通常の精神(自己)に由来しない源泉との交信法、交信による情報の伝達」のことです。

「チャネリング」を行う人を「チャネラー」と呼びます。

「昴」の作詞作曲秘話として、谷村新司が彼自身が本に書いていることですが、この曲が誕生したのは、彼が引っ越しをする最中に突然歌詞と曲想が浮かび、梱包用の段ボールに書き留めて、一気呵成に完成した曲だそうです。

しかも、不思議なことに、「チャネラー(霊媒者)」のごとく「プレアデス星団」から交信してくる「声」が彼には聞こえたそうです。しかも、その声は「日本語」だったそうです。

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コメント

  1. かわうそくん より:

    宇宙人が地球を訪問することができないのは、やはり宇宙空間を移動する時間が非常にかかることが最大の原因ではないでしょうか?しかもそれに要するエネルギーは膨大なものです。
    しかもその間ずっと放射線の被ばくを受けるわけですから生命は持たないでしょう。
    人類(に限らず)が恒星間を飛行することは永久に不可能だと思います。
    フェルミのパラドックスはそれゆえ破綻すると思います。
    他の天体の住民が無人探査機を飛ばす可能性はなくはないと思います。先日のオウムアムなどはその可能性を捨てきれないと思います。