「黄金世代」「プラチナ世代」「第三世代」の若手女子プロゴルファーが大活躍する昨今ですが、不調に喘ぎどん底で苦しんでいる中堅・ベテラン選手もいるなど、明暗が分かれています。
有村智恵は、プロデビュー以来メジャー1勝を含む通算14勝を挙げる実力に加えて、その可愛いルックスもあって大人気の女子プロゴルファーとなりました。
しかし、2018年に6年ぶりの優勝(14勝目)を挙げた後は、シード権は維持したものの低迷が続き、今季はとうとうシード権を失う結果となりました。
2022年は、年間トップ10は3回で、賞金ランキング50位、メルセデスランキング61位と低迷し、メルセデスランキングによるシード権を獲得できませんでした。
なお、彼女は今年の最終QTに出場せず、当面休養することを11月24日、自身のインスタグラムで表明しました。来季は「妊活」に専念するそうで、引退については否定し、「試合に出ない期間じゃないと出来ないゴルフとの向き合い方や学び方もしていきたい」と綴っています。
しかし、涙の復活優勝を遂げた33歳の金田久美子(11年6ヵ月ぶりの通算2勝目)や37歳の藤田さいき(11年35日振りの通算6勝目)もいます。東北高校の1学年下の菊地絵理香は昨年に続いて今年も優勝(通算5勝)しました。
有村智恵は、決してまだ「終わった人」ではありません。「妊活」終了後はぜひ復活して、上位を(できれば優勝を)目指してほしいものです。
2020年の新型コロナウイルスの流行をきっかけに、ゴルフは「密にならずに楽しめるスポーツ」ということで人気になりました。ゴルフ練習場やゴルフ場で若い人たちの姿を見かける機会が明らかに増えました。その勢いは2022年もとどまることを知らず、むしろ加速しているように感じます。
かつては「オジサンのスポーツ」と言われ、若い世代には敬遠されていましたが、今はむしろ「オシャレなスポーツ」として若者たちや女性からも支持されています。最近の日本人の若手女子プロゴルファーの活躍もその一因ではないかと私は思います。
2019年8月4日、「黄金世代」と呼ばれる若手女子ゴルファーの一人の渋野日向子(当時20)が、「全英女子オープンゴルフ」に優勝しました。
これをきっかけに、日本の女子プロゴルフ界に宮里藍以来のフォローの風が再び吹き始めたようです。それまでは韓国勢に圧倒されっぱなしで、毎週のように韓国人選手に優勝をさらわれていましたが、2020年~21年からは明らかに日本人の女子プロゴルファーの活躍が目覚ましいものになってきました。
現在女子プロゴルフ界では、小祝さくら・渋野日向子・原英莉花・勝みなみ・新垣比菜・淺井咲希・河本結・大里桃子などの「黄金世代(1998年4月2日~1999年4月1日生まれ)」や古江彩佳・澁澤莉絵留・西村優菜・安田祐香・吉田優利などの「プラチナ世代(ミレニアム世代)(2000年4月2日~2001年4月1日生まれ)」と呼ばれる20代前半の選手が大活躍するようになって来ました。
さらにその下の世代の山下美夢有・笹生優花・西郷真央などの有望選手は「第三世代」あるいは「新世紀世代」と呼ばれ始めています。
これについては「女子プロゴルフが再び面白い!黄金世代・プラチナ世代・新世紀世代が大活躍」「女子ゴルフ賞金ランキング争いは熾烈!シード権争いはメルセデスランキング。」という記事に詳しく書いていますので、ぜひご覧ください。
そこで今回は、ツアー14勝を挙げる実力を持ちながらも、今季シード権を失った有村智恵についてご紹介したいと思います。
1.有村智恵の超可愛い画像
2.有村智恵とは
有村智恵(ありむら ちえ)(1987年11月22日~ )は、熊本県熊本市出身。東北高等学校卒。身長159cm、体重57kg。血液型O型。日本ヒューレット・パッカード所属。
趣味は「音楽鑑賞 買物」で、好きな色は白・ピンクです。2021年12月に一般男性と結婚しました。
得意なクラブはピッチングウェッジ。日本女子ツアー屈指のショットメーカー、ショットの切れはツアー随一と評されています。
(1)アマチュア時代
熊本市立尾ノ上小学校時代は水泳選手で、九州大会出場の経験もあります。小学4年時(10歳)よりゴルフを始め、一時期坂田ジュニアゴルフ塾にも在籍しましたが指導方針の違いから1年で籍を離れ、以後は父の指導で力を付けていきました。
九州学院中学校時代には、2年時に「日本ジュニアゴルフ選手権 」(女子12歳-14歳の部)、3年時に「全国中学校ゴルフ選手権大会」で優勝しています。
その後、憧れの宮里藍を追うようにして東北高等学校に進学。同校在籍時は、「東北女子アマチュアゴルフ選手権」や「東北ジュニアゴルフ選手権」で優勝しています。高校3年時には日本ゴルフ協会アカデミック・ゴルフ・アウォード高校生の部・奨励賞を受賞しています。
2006年3月に高校卒業後は、再び地元熊本を拠点としプロツアーに参戦しています。2006年7月実施のプロテストを2位に7打差をつけるトップの成績で合格し、同年8月1日に日本女子プロゴルフ協会正会員(78期生)となりました。
(2)プロ入り後
正会員としてのトーナメント初出場は、8月25-27日の「ヨネックスレディスゴルフトーナメント」。2006年シーズンの年間獲得賞金ランキング(賞金ランク)は60位と50位を下回ったためシード権は獲得できませんでしたが、ファイナルQTで3位となり2007年シーズンツアーへのほぼ全試合出場が認められました。
2007年シーズンは韓国系アメリカ人コーチのジェイ・ユーンに師事し、優勝こそないものの、トップテン入りが10回、賞金ランク13位、賞金総額約4,764万円となり、初のシードを獲得しました。
2008年6月29日、兵庫県・マダムJゴルフ倶楽部で開催された「プロミスレディスゴルフトーナメント」で初優勝。20歳220日での日本女子ツアー初優勝は史上6位の年少記録です。2008年シーズンは獲得賞金約4,735万円と2007年の獲得賞金とほぼ同額を維持したものの、賞金ランクは23位と10位順位を下げる結果となりました。
2009年シーズン前に、コーチである父の下を離れ活動拠点を熊本から東京に移し、専属コーチをつけない方針で2009年シーズンに臨みました。
同年4月24日、静岡県・川奈ホテルゴルフコース富士コースで行われた「フジサンケイレディス」第1ラウンドの5番ホールで、日本女子ツアー史上9人目となるアルバトロスを達成。同日、兵庫県・山の原ゴルフクラブで行われた男子ツアーのつるやオープンでも15番ホールでデビッド・スメイルがアルバトロスを達成したため、日本の男女ツアーで同日にアルバトロスが達成される珍しい記録となりました。
2009年7月26日、米国女子ツアー初参戦となる「エビアン・マスターズ」では30位タイ。同年8月2日、メジャー初参戦となる「全英リコー女子オープン」では予選落ちという結果に終わりました。
2009年8月16日、「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」では、初日から3日連続首位の完全優勝を達成。2009年シーズン3勝目を挙げ勝利数で横峯さくら・諸見里しのぶに並び、賞金ランクにおいても諸見里・横峯に続く3位へと上昇しました。
2009年9月27日、第37回「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」で4勝目を挙げ、自身初・日本女子ツアー史上10人目の年間獲得賞金1億円突破を果たし、生涯獲得賞金は2億円を超えました。共に史上4番目の若さでの記録です。
2009年11月22日、第28回「大王製紙エリエールレディスオープン」では、22歳の誕生日をぶっちぎり優勝で飾り、最終戦の三つどもえ賞金女王争いに持ち込みました。“イチロー本”効果で54ホール最少ストローク日本人歴代2位の通算20アンダーをマークし5勝目を挙げました。
2009年シーズン最終結果は、賞金女王こそ逃したものの賞金ランク3位、獲得賞金1億4080万4810円と、共に自己最高を更新しました。
2011年7月15日、「スタンレーレディスゴルフトーナメント」の1日目で8番ホールではアルバトロスを、16番ホールではホールインワンを達成。1日でアルバトロスとホールインワンを決めたのは、女子の世界主要ツアーでは初、日本プロゴルフでは男女通じて初、また日本女子プロツアーにおいて複数回のアルバトロスの記録も史上初です。有村は、リードを守って自身2度目となる完全優勝を果たしました。
2012年9月9日、滋賀県甲賀市のタラオカントリークラブ 西コースで開催された「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」を通算13アンダーで優勝し、公式戦・4日間競技初勝利。
2013年から2017年までは賞金ランク50位以下で終わるも、QTランキング8位で迎えた2018年は、7月の「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント」で6年ぶりの優勝(ツアー通算14勝目)を果たすなど復調。賞金ランクを26位とし6年ぶりの賞金シードに復活しました。
2019年は日本女子プロゴルフ協会の選手会に当たるプレーヤーズ委員会の委員長に就任し、協会と選手との橋渡し役を務めながら、選手としても、ツアー優勝は無かったものの賞金ランク37位に入り賞金シードを維持しました。