「冬のソナタ」という韓国ドラマが日本で大人気になったのは、2004年(平成16年)ですから、もう14年も経ったのですね。主演のペ・ヨンジュンが「ヨン様」と呼ばれて中高年女性の間に「冬ソナブーム」が起こりました。このドラマが「韓流ドラマ」「韓流ブーム」の火付け役になったのは間違いありません。
当初は、妻がテレビで見ている程度で、私は全く関心がありませんでした。「宮廷女官チャングムの誓い」あたりから、妻が熱心に韓流ドラマを見るようになりましたが、私はまだ見る気が起こりませんでした。
毎週日曜日の午後9時から、NHKのBS放送で「韓流時代劇」が始まったのをきっかけに私も見るようになりました。「イ・サン」「トンイ」「王女の男」「太陽を抱く月」「馬医」「奇皇后」などです。
「イ・サン」は、「宮廷女官チャングムの誓い」で有名になった韓国ドラマ界の巨匠イ・ビョンフン(1944年生まれ)が監督した作品です。彼の作品は、友情や純愛のストーリーを織り交ぜながら、ロマンの香り高いドラマティックな作品が多く、引き込まれます。次回はどうなるかと楽しみになります。「トンイ」「馬医」も、イ・ビョンフン監督の作品です。その他の監督のドラマは、何故か見劣りします。
1.「良い人」と「悪い人」をはっきりさせていること
韓流ドラマを見ていて、私は子供の頃に「街頭テレビ」でよく見た「プロレス中継」によく似ているなと思いました。プロレスの人気者だった力道山がいみじくも言ったように、「プロレスはスポーツではなく、一種の興行(ショー)」です。「ヒール(Heel)」と呼ばれる悪役が、急所攻撃や凶器を用いた反則を執拗に繰り返し、それに耐えに耐えた後、もう我慢がならないと「ヒーロー(Hero)」とも言うべき日本のレスラー(力道山がその代表格)が、「空手チョップ」などで反転攻勢に出て、最終的に「ヒール」を降参させるというものです。この隠忍自重した後のヒーローの痛快な大活躍に、観客は溜飲を下げ拍手喝采した訳です。正義の味方の「月光仮面」や、「水戸黄門」「遠山の金さん」などの「勧善懲悪もの」とはちょっと違います。どちらかと言えば池波正太郎原作の「仕掛人・藤枝梅安」に近いものがあります。
2.不正や不当な差別・圧力を憎み、正義感の強い「判官びいき」の日本人の心情にも合うこと
韓流ドラマを数多く見ているわけではないので、断言は出来ませんが、「韓流時代劇」に限って言えば、まさにそんな感じです。
なお、「現代ドラマ」では、「交通事故」「記憶喪失」「空港」「出会っていながら気付かずに擦れ違い」「相続争い」「豪邸」「高級セダン」「貧しい境遇にある主人公が実は大金持ちの子供だった」という設定がよく出てくるような気がします。そんな「非日常的な設定の物語」がドラマチックで面白いのかもしれません。
3.抒情的で物悲しい挿入歌の調べが日本人の心情に合っていること
これも、「韓流時代劇」に限った話かもしれませんし、あるいはイ・ビョンフン監督の作品特有のことかもわかりませんが、物悲しい挿入歌がヒロインの悲しい境遇にぴったり合っています。
最後に私事ながら、最近は、「韓流現代ドラマ」の「恋する泥棒」と「明日も晴れ」を妻が見ているのを横目で見ながら、ブログを書き続けている毎日です。