星をテーマにした曲や歌。スターダスト・星に願いを・昴・冬の星座など

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満天の星

星は、「流れ星が流れる間に心の中で3回願い事を唱えると叶う」という言い伝えがあったり、「占星術」(星占い)が古くから広く行われていたり、88の「星座」に名前が付けられているのを見てもわかる通り、太古の昔から世界中の人々に親しまれてきたものです。

昔は今より空気が澄んでいて、もっと多くの星が見えたはずですから、太古の昔の人々は満天の星空を仰ぎ見ながら、さまざまな思いにふけったのでしょう。

そのため星をテーマにした歌は、唱歌の「冬の星座」をはじめ、坂本九の「見上げてごらん夜の星を」や、谷村新司の「昴」、ジャズの「スターダスト」、ディズニー映画「ピノキオ」でおなじみの「星に願いを」などヒット曲が多数あります。

(1)冬の星座

冬の星座(歌詞付き) 唱歌 (1947年 中学音楽教科書)

「冬の星座」は、堀内敬三(1897年~1983年)作詞の日本の唱歌です。1947年(昭和22年)発行の国定教科書『中等音楽』に掲載されました。2007年(平成19年)に日本の歌百選の1曲に選ばれています。

「さゆる空」の「さゆる」は「冴ゆる」。空が冴えわたってくっきり見えること。

「奇しき(くすしき)」は、「不思議な」の意味。古語「奇し(くすし)」の連体形。

「ものみな」は、物は皆、つまり「すべての物が」の意味。

「いこえる」は「憩える」。ゆったりとくつろぐ、休息する、といった意味。

「しじま」は、静まり返っていること。漢字では「静寂」または「無言」を充てる。

「オリオン、スバル、北斗」は星座。

「無窮(むきゅう)」とは、果てしないこと、無限、永遠

メロディーには、1871年にウィリアム・ヘイス(William S. Hays)( 1837年~ 1907年)によって作詞・作曲されたアメリカのポピュラー・ソング「愛しのモーリー」(Mollie Darling)が用いられています。モリーという女性に対して、「僕の事好きだって言ってくれ」と悶々とする男の狂おしい心境を歌ったラブソングです。

この曲のメロディーは賛美歌のようで、「冬の星座」の歌詞にぴったりだと私は思うのですが、原曲の歌詞が激しい恋心の歌だったとは驚きですね。

詞は新たに作られたもので、翻訳曲ではありません。なお、日本では「冬の星座」以前にも、中村秋香(1841年~ 1910年)が作詞した唱歌「他郷の月」が「愛しのモーリー」のメロディーを使用しています。

(2)見上げてごらん夜の星を

『見上げてごらん夜の星を』は、1963年5月にリリースされた坂本九(さかもと きゅう)のシングル曲(作詞:永六輔、作曲:いずみたく)です。

元々は、1960年初演のミュージカル劇中主題歌であり、歌詞の内容もこのミュージカルのストーリーを反映したものになっています。1963年11月に坂本九主演で映画化されました。

1960年初演のミュージカル『見上げてごらん夜の星を』は、永六輔・いずみたくが制作・公演した和製ミュージカルの先駆け的作品です。そのストーリーは、初演当時の日本における集団就職の時代が背景となっています。

戦後の高度経済成長期においては、製造業をはじめとして多くの若い働き手が求められていました。東京・上野駅には、集団就職のために地方から集まった若者たちが次々と到着し、その様子は1964年(昭和39年)の歌謡曲『あゝ上野駅』にも歌われました。

集団就職の若者たちは、昼間は企業で働きながら、夜は定時制高校(夜間学校)に通い勉学に励む者も多かったのです。ミュージカル『見上げてごらん夜の星を』の主人公も、昼は働き、夜は定時制高校に通う、そんな苦学生の一人でした。

『見上げてごらん夜の星を』の「夜の星」とは、夜間学校で勉学に励む集団就職の若者たちを暗示するものであり、ささやかな幸せを求めて苦学に励む彼ら自身の姿が夜空の小さな星に投影されているのでしょう。

定時制高校(夜間学校)は、昼間の高校(全日制高校)と同じ校舎と教室を使用しています。ミュージカル『見上げてごらん夜の星を』の主人公が夜間学校で使う机は、昼間の高校で女学生が使っている机でした。

主人公の青年は、昼間に同じ机に座る女学生と机を介して文通を始め、やがて知り合う仲となります。将来への夢を持ち、悩み多き年頃の二人。主人公の青年は、彼女と手を取り合い、「見上げてごらん夜の星を」と歌い上げるのでした。

(3)昴

『昴 すばる』は、1980年4月にリリースされた谷村新司のシングル曲です。ソロ活動では最大のヒット曲であり、NHK紅白歌合戦に同曲で5回出場しています。

谷村新司は明治の詩人・石川啄木の愛好者として知られ、『昴 すばる』の歌詞も啄木の作品から大きな影響を受けています。

歌詞の意味については、聞き手それぞれが自由に解釈すればよいのですが、谷村新司本人が自著の中で一つの解釈を示しています。

私も前に「谷村新司の昴の歌詞は啄木の悲しき玩具に由来。プレアデス星団との交信秘話も紹介」という記事で私の解釈を述べています。

ちなみに昴(すばる)とは、おうし座の散開星団「プレアデス星団」のことです。青白い星の集団で、肉眼でも7個前後の星を視認できます。

「すばる」の語源は「統べる/統ばる/統まる」であり、多くの物が一つにまとまった状態を表しています。

(4)スターダスト

Stardust‐Nat King Cole(スターダスト‐ナット・キング・コール)

「スターダスト」(Stardust)は、ホーギー・カーマイケルが1927年に発表したジャズのスタンダード・ナンバーである。楽曲名は「スター・ダスト」とも称されます。

ちなみに「Stardust」とは「星屑(ほしくず)」という意味です。

最初のレコーディングは、カーマイケル楽団により、インディアナ州リッチモンドにあるゲネット・レコードのスタジオで行われました。元々は「ミディアムテンポ」の楽曲でしたが、1928年に「スローテンポ」のレコーディングが行われ、1930年にアイシャム・ジョーンズがバラードナンバーとしてレコーディングして以来、「スローバラード」として定着しています。

1929年に、ミッチェル・パリッシュにより歌詞がつけられました。1931年にはビング・クロスビーが発表して以来、多数のヴォーカリストによって歌い継がれている曲でもあります。

スター・ダスト(Stardust) – ザ・ピーナッツ (The Peanuts)

日本でのカバーは、ザ・ピーナッツが1961年から1972年まで放送された日本テレビ『シャボン玉ホリデー』のエンディングで歌ったのが有名ですが、そのほかに江利チエミや美空ひばりもカバーしています。

(5)星に願いを

【星に願いを】When You Wish Upon A Star / Cliff Edwards 歌詞和訳付き【ディズニー】

『星に願いを』(When You Wish upon a Star/ホェン・ユー・ウィッシュ・アポン・ア・スター)は、1940年のディズニー映画「ピノキオ」主題歌です。

映画の冒頭では、「物言うコオロギ」ジミニー・クリケット(Jiminy Cricket)が『星に願いを』を歌い上げます。

ピノキオは、おもちゃ職人のゼペットが作ったあやつり人形。子供のいないゼペットは、ピノキオが「自分の子供になりますように」と星に願ったのです。

子供のいないゼペットの願いは、人形を人間にしてほしいという突拍子もない願いでしたが、金髪の妖精ブルー・フェアリー(The Blue Fairy)が現れ、ピノキオに人形のままで生命を授けました。

「勇気を持って正直で優しい性格になれば人間になれる」と、ゼペットの願いが叶うチャンスを与え、コオロギのジミニー・クリケットを良心役に任命したのでした…

『星に願いを』(When You Wish upon a Star)

作詞:ネッド・ワシントン(Ned Washington)
作曲:リー・ハーライン(Leigh Harline)

When you wish upon a star
Makes no difference who you are
Anything your heart desires
Will come to you

星に願いをかけるとき
あなたが誰かなんて関係ない
心の底から願えば
何でもきっと叶う

If your heart is in your dream
No request is too extreme
When you wish upon a star
As dreamers do

もしあなたの心が夢の中にあれば
どんな願いも 願い過ぎなんてない
あなたが星に願う時
夢見る者がそうするように

Fate is kind
She brings to those to love
The sweet fulfillment of
Their secret longing

運命は優しい
愛すべき人々の
密かな願いを
優しく叶えてくれる

Like a bolt out of the blue
Fate steps in and sees you through
When you wish upon a star
Your dreams come true

それは青天の霹靂(へきれき)
運命は歩み寄り あなたの心を見通す
あなたが星に願う時
夢はきっと叶う

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