「虎は死して皮を残し、人は死して名を残す」ということわざがありますが、名を残すだけでなく死後もお金を稼ぎ続けている人々がいます。
皆さんは「死後も稼ぎ続ける歌手や映画スターらのセレブ」がいることをご存知でしょうか?
今回はこのようなセレブをご紹介したいと思います。
1.死後も稼ぎ続ける歌手や映画スターらのセレブ
(1)ランキングベスト10
アメリカのForbes(フォーブズ)が2019年10月に発表した2019年のランキングは次の通りです。
1位:マイケル・ジャクソン(1958年~2009年)約6000万ドル(ミュージシャン)
2位:エルビス・プレスリー(1935年~1977年)約3900万ドル(ミュージシャン・俳優)
3位:チャールズ・シュルツ(1922年~2000年)約3800万ドル(漫画家)
4位:アーノルド・パーマー(1929年~2016年)約3000万ドル(プロゴルファー)
5位:ボブ・マーリー(1945年~1981年)約2000万ドル(ミュージシャン)
6位:ドクター・スース(1904年~1991年)約1900万ドル(絵本作家)
7位:ジョン・レノン(1940年~1980年)約1400万ドル(ミュージシャン)
8位:マリリン・モンロー(1926年~1962年)約1300万ドル(女優)
9位:プリンス(1958年~2016年)約1200万ドル(ミュージシャン・俳優)
10位:ニップジー・ハスル(1985年~2019年)約1100万ドル(ラッパー)
2.収入源
「キング・オブ・ポップ」と呼ばれたマイケル・ジャクソンは7年連続首位で、主な収入源はソニーとの合弁で設立した著作権管理会社「ソニー/ATVミュージック・パブリッシングが保有する作品カタログだそうです。
「キング・オブ・ロックンロール」と呼ばれたエルビス・プレスリーは、「世界史上最も売れたソロアーティスト1位」ですが、死後42年経っても稼ぎ続けています。
チャールズ・シュルツは、漫画「ピーナッツ」の作者です。生命保険会社メットライフはスヌーピーとチャーリー・ブラウンのキャラクターの広告使用を終了しましたが、シュルツとのライセンス契約は2019年まで残っていました。
上位にランクインしたミュージシャンの多くは、死去を受けて作品の売上高が大幅に増加しています。
3.著作権の保護期間
「著作権の保護期間」とは、「著作権の発生から消滅までの期間」です。この期間内は著作権は保護され、著作権者は著作物を原則として独占排他的に利用できます。
世界160カ国以上が締結している著作権に関する「ベルヌ条約」(正式名称:文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約)では、権利の発生要件としては「無方式主義」、権利の保護期間としては「著作者の生存期間および著作者の死後50年」を原則としていますが、より長い保護期間を与えることも認められています。これは著作者本人および子孫2代までを保護するためとされています。
そのため、大多数の国は「著作権の保護期間」を「著作者の死後50年(あるいはそれ以上)」としています。
EU諸国やアメリカは「死後70年」を適用し、メキシコは「死後100年」、コートジボワールは「死後99年」としています。
日本は、1971年1月1日から「原則、死後50年」としていましたが、2003年の法改正で「映画の著作物だけが、原則公開後70年」となりました。さらに2018年12月30日施行のTPP11法改正によって、「原則、死後70年」となりました。