梨は夏から秋にかけて収穫される果物で、シャリシャリとした食感とみずみずしい甘さで古くから日本で親しまれています。
ところで皆さんは、買ってきた梨が甘くなかったり、硬すぎたり、逆に熟し過ぎたりしていた経験はありませんか?
カットされたメロンやスイカの場合は「12」とか「14」といった「糖度表示」がある場合が多いので選びやすいのですが、梨の場合には「糖度表示」がありません。
では私たちはどうすれば甘い食べごろの梨を見分けたらよいのでしょうか?
そこで今回は、おいしい梨の見分け方(甘さや鮮度)をわかりやすくご紹介したいと思います。
1.鮮度の良いおいしい梨の見分け方
梨農家の人によると、梨を収穫する目安は、「梨が透けて見えるもの」「梨にぼんやりと明かりが灯っているもの」などと表現します。
ただ、この感覚はプロのもので、素人の我々にはよくわかりません。
(1)一般的な判別方法
そこで一般的には、次のような判別方法がおすすめです。
皮に張りがあって傷や色ムラがなく、軸がしっかりしていて、形がふっくらと左右均等で、ずっしりと重みがあるもの
(2)NHK「ためしてガッテン」で紹介されていた方法
これは2020年9月23日のNHK「ためしてガッテン」で紹介されていた方法です。
①「赤梨」の場合
「幸水」「豊水」「新高」などの赤梨の皮にはもともと穴が開いていて、それを塞ぐように「コルク」が出来ます。梨の皮の表面にあるツブツブです。このコルクは未熟な段階ではごつごつしていますが、熟してくると段々目立たなくなります。このコルクは、穴から病原菌が侵入するのを防ぐ役目を果たしているそうです。
お尻(軸のある方の反対側)のコルクを見るとよくわかります。お尻側は一番最後に熟すため、お尻のコルクが目立たなくなっているものが熟しているサインというわけです。
赤梨の場合は、実験の結果「色が濃いものが甘いとは限らない」(皮の色は糖度とは関係がない)ことがわかったそうです。実は赤梨の皮は二重になっていて、表皮の下にもう一枚皮があり、その下の皮が成熟度を表しているそうです。したがって私たちはコルクで判断するしかありません。
②「青梨」の場合
「二十世紀梨」などの青梨にはコルクがありませんので、黄色っぽくなっているのが熟しているサインです。
2.甘くなかった場合は料理に使うのがおすすめ
もしも不幸にして甘くない梨に出会ってしまった場合は、料理に使うのがおすすめです。
梨はすりおろしてお肉を漬け込むと柔らかくしてくれる効果があり、タレにも甘みがついて特に生姜焼きにすると最高においしくなります。
前に「おいしいメロンの選び方・見分け方」、「おいしい柿の選び方・見分け方」の記事も書いていますので、参考にしていただければ幸いです。