「学力テストの成績」と「教師の給与査定」

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吉村市長学力テスト

1.学力テストの成績を教師の給与査定に反映する方針の吉村大阪市長

先日、吉村大阪市長が、大阪市の「全国学力テスト」の成績がずっと最下位を続けていることを問題視し、その対策として、「学力テストの成績が向上した学校の教師には給与を上げ、成績が横ばいないし下落した学校の教師の給与は下げる」方針を打ち出しました。

小学6年と中学3年を対象とした「全国学力テスト」の結果を、教員給与や学校予算に反映させるというものです。吉村市長としては、「全国20の政令指定都市の中でずっと最下位なのに、教師の問題意識が全く伝わって来ない。教師の意識を改革して、大阪市の児童・生徒の学力向上を目指したい」ということなので、まっとうな考えだと思います。

2.教師や教育学者の反発

これに対して、教師側は猛反発していますし、教育学者も、「以前にも同様の勤務評定があったが、教師が精神障碍者の成績を集計から除外したり、成績の悪い子供をテスト当日は休ませる等の弊害があったため、中止された経緯がある」として反対しています。さらに林文科相までが、「学力テストの趣旨や目的を踏まえてほしい」と慎重な判断を求めているそうです。「自然体でやれ」ということでしょうか?

3.教師や教育学者、文科相の反対意見は的外れ

しかし、私は、これらの反対意見は的外れだと思います。教師は、自分達が生徒に理解させる努力が不足しているのを棚に上げて、生徒の成績が悪いと自分達の給与が下がるのは我慢できないようです。また、教育学者の言う「弊害」は、教師が自分達の努力不足・力量不足をごまかすために、そういう小細工をしたことを咎めることもせず、あたかも「勤務評定が悪い」と言っているようです。文科相も、「現在の全国の小学6年・中学3年の学力の現状をありのままに把握したいだけで、無理して成績を上げようとしなくていいですよ」と言っているようです。

4.元サラリーマンから見ると教師はぬるま湯体質

もちろん、大阪市の教師の中には子供の教育に情熱を燃やし、真剣に学力向上に取り組んでおられる方も少なくないとは思います。十把一絡げに先生を批判するのは乱暴で、素人の私が言うのは僭越の極みかもしれません。しかし民間企業のサラリーマンを長く勤め、「厳しい業務目標」や「サービス残業」「持ち帰り仕事」が当たり前だった身には、どうしても「ぬるま湯体質」に見えてしまうのです。

私が大学生の頃、「でもしか先生」という言葉をよく聞きました。高度成長期にかけて、教師の採用枠が急増し、教師の志願者が殆ど容易に就職できた時代に、他にやりたい仕事がないから「先生でもやろう」とか「先生にしかなれない」といった消極的動機で教師になった無気力で不活発な先生のことです。

教師用の教科書は、「教科書レーダー」(俗称:さぼ)のような注釈や教える際のポイントなどが沢山書いてあるそうなので、ド素人でも授業が出来そうな気もします。ただし私は部外者なので真偽のほどはわかりませんが・・・

吉村市長は、現在の大阪市の生徒の学力が、全国最下位というのはどう考えても許せないし、なぜそんなに低いのか?教育現場は一体何を考えているのか?学力向上のための努力をしているのか?」という憤懣やるかたない気持ちだと思います。私も同感です。

5.「貧困家庭が多いのが学力最下位の理由」という指摘は誤り

大阪市の学力が最下位の理由として、「貧困家庭が多い」という人もいます。貧困家庭は、勉強部屋の確保や、塾に行かせる余裕がないからだということのようです。

しかし、大学受験ならいざ知らす、小学校や中学校の勉強内容で、そんな理由が成り立つのでしょうか?はなはだ疑問です。「学の前に書来たる」という言葉もあります。何事も志さえあれば、おのずから道は開けるものです。私より少し上の世代の人から「縁側でリンゴの木箱を机代わりにして勉強した」という話を聞いたこともあります。

6.「成績が向上したら教師の成果」とは限らない

ただ、一方で、生徒の成績が向上したとしても、それは教師の成果だと一概には言えないと思います。自力で勉強に励むようになった子供もいれば、塾や家庭教師にわかりやすく教えてもらって成績が向上した子供もいるでしょう。

ですから、大阪市の教師の取るべき道は、学力テストの上位の市の教育現場を見学し、関係者から話を聞いたり、塾の先生の授業なども見学して、どういう工夫をしているのかを学ぶのが先決なのです。そして、自分達も創意工夫を凝らして、生徒が理解しやすいような授業を工夫すべきなのです。

7.学力トップクラスの教育県が取り組んでいる対策

余談ですが、昔から学力が全国トップクラスの「教育県」として有名な福井県では、教員の大量定年退職を補う対策として若手教員の採用枠を拡大しています。その若手教員のやる気を刺激するため、「担当科目や学校の壁を越え、教材活用や授業の工夫について研究する若い教員の活動(自主研)に、県教育委員会が1グループ年間10万円まで補助」しているそうです。

そして、大阪市の児童・生徒達が、社会の荒波に揉まれるようになった時に、十分太刀打ちできるような学力を身に付けさせるように努力すべきなのです。そうすれば、おのずと「全国学力テスト」の成績も向上するはずです。自分たちの給与も上がる訳ですから「儲けもの」ではないでしょうか?

特に最下位にいる子供たちを少しずつレベルアップするだけなら、少し努力すれば実現できるのではないでしょうか?ゴルフでも「100の壁」とか「90の壁」がありますが、120とか130をいつも叩いているへぼゴルファーなら、少し本気になって努力すれば10打や20打の改善は簡単なのと似ています。常に80台で回るとか、シングルになる難しさとは比較になりません。棒高跳びのブブカの「小刻みの」世界記録更新のように、少しずつ順位を上げて行けば、教師の皆さんの給与も徐々にアップして万々歳ではないでしょうか?

そういう努力・工夫もせずに、ただ「反対」では、吉村市長が怒るのも当然です。皆さんはどう思われますか?