「北」を含むことわざ・慣用句・熟語

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北窓三友

1.北窓三友(ほくそうのさんゆう)

文人に必要と言われている「琴(きん)・詩・酒の三つの友」のことです。出典は白居易の詩「北窓三友」です。

白居易(772年~846年)は「長恨歌」などで有名な唐代中期の詩人です。

2.北枕はせぬもの

釈迦が涅槃(ねはん)の時、頭を北にして臥したことから、死者の頭を北に向けて寝かせるので、普段ふつうの人間が北向きに寝ることを不吉だとして嫌って言う言葉です。

「頭北面西(ずほくめんさい)」という四字熟語があります。これは「頭を北に向け、右脇を下にして西を向いて横になること」または、そのようにして死んだ人を横たわらせることです。これが「北枕」の語源とされている言葉です。

3.北轍南轅(ほくてつなんえん)

「意志と行動が別の方向を向いていて、互いに反していることのたとえ」「目的と行動とが相反するたとえ」です。出典は「申鑒(しんかん)」です。

「轍(わだち)」は車輪の跡で、「轅(ながえ)」はかじ棒のことです。車輪の跡は北に向かっているのに、かじ棒は南を向いているという意味です。

「北轅適楚(ほくえんてきそ)」「適楚北轅(てきそほくえん)」とも言います。これは車の轅(ながえ)を北にして南の楚に行く意です。

4.北斗七星(ほくとしちせい)

北斗七星

北の空に見える大熊座(おおぐまざ)の七つの星のことです。

「斗」は「柄杓(ひしゃく)」の意で、北の空にひしゃくの形をなして連なるのでこう呼ばれます。古来、時刻の測定や航海の指針とされてきました。

なお。上の画像「春夏秋冬の北斗七星の位置」にある「The Big Dipper」とは「大きなひしゃく」という意味です。

5.北面稽首(ほくめんけいしゅ)

「相手に対して臣下の位置にいて、頭を地面に付くまで下げる礼の仕方」のことで、「最上の挨拶方法」です。

「北面」は北向きに座ることで、南向きの玉座に対することから、臣下の位置にいる意です。「稽首」は頭が地面に付くまで下げて礼をする意です。

6.北門之嘆(ほくもんのたん)

「仕官しても志を得られない嘆き」のことです。出典は「詩経」です。

7.北邙の塵(ほくぼうのちり)

火葬されて塵と化すことで、死ぬことを言います。「北邙一片の煙(ほくぼういっぺんのけむり)」とも言います。

8.泰山北斗(たいざんほくと)

「その道の大家として最も尊ばれる人物」「学問や芸術などの一つの分野で、最も優れている人」のことです。「泰山北斗のごとし」とも言います。出典は「唐書」です。

「泰山」は中国山東省にある名山で、「北斗」は北斗七星のことです。中国では泰山と北斗七星が人々から仰ぎ見られていたからです。略して「泰斗(たいと)」とも言います。

9.追奔逐北(ついほんちくほく)

走って逃げる賊などを追いかけて走ることです。出典は「文選」です。

「追」と「逐」は追いかけるという意味で、「奔」と「北」は走って逃げるという意味です。

10.北国の雷(ほっこくのかみなり)

「着の身着のままの状態」を洒落て言う言葉です。「北国に鳴る雷」の「北鳴り」と「着たなり」を掛けたものです。

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