私は、駆け出しのサラリーマンの頃、デール・カーネギーの「道は開ける」という本を読み、仕事上の悩みが軽減された記憶があります。
私が特に印象に残っている言葉は、「やることによる疲労よりも、やらないことによる(精神的)疲労の方が大きい」です。
デール・カーネギー(1888年~1955年)は、アメリカの作家・教師で、自己啓発、セールス、企業トレーニング、スピーチおよび対人スキルに関する各種コースの開発者です。
1948年にアメリカで出版された「道は開ける」は、全世界で売り上げ1500万部以上の大ベストセラーです。日本語版は300万部以上も売れており、今日でも支持を得ている自己啓発の名著です。
今回は、この本の内容の要約を簡単にご紹介します。
1.「道は開ける」とはどんな本か
この本は、ストレスに悩む現代人に「悩みの解決方法を教える自己啓発本」です。著者のデール・カーネギー自身も相当な苦労人で、セールスマンとしてさまざまな職を転々とした後、演劇を学び役者を志した時期もあります。
そんな彼が、「実際に実践した悩み解決の具体的な方法論」を紹介したものです。方法論と事例が豊富なので、わかりやすいのが特長です。彼らの経験に学べば、「自分はまだやれる」という自信がつくはずです。
2.「道は開ける」のエッセンス
(1)悩みの基本的事項を知れば道は開ける
①悩みの基本的事項
・今日一日の区切りで生きる。明日のことで不安になったり、過去のことで落ち込まないこと
・苦境に陥ったら、「最悪の場合どうなるか?」を考えて、それを受け入れる覚悟をする
・悩みに対する戦略を知らない人は早死にする。だから自分なりの解決策を手に入れる
②悩みを分析する基礎技術
・悩みの大半は、判断の根拠となる知識がないのに、あえて判断しようとすることから生じる
・「悩みは何か?」「原因は何か?」「選択肢や解決策は何か?」「最善策はどれか?」と考える
(2)悩む習慣を断てば道は開ける
①悩みの習慣を早めに断つ方法
・悩みの習慣を断ち切るなら、常に忙しく仕事をしていること
・ささいなことで大騒ぎしないこと
・過去は墓場に送る(いちいち掘り返してクヨクヨしない)
②平和と幸福をもたらす精神状態を作る方法
・我々の人生は考え方で作られる。だから平和や勇気、健康や希望で心を満たす
・復讐や仕返しはしない。相手を傷つける以上に自分も傷つく
・1分でも、嫌な人のことは考えない
(3)批判を気にしなければ道は開ける
①悩みを完全に克服する方法
・祈ること(特定の宗教を信じるとか、神を信じるとかではなく静かに瞑想すること)
②批判を気にしない方法
・批判は偽装された賛辞である(あなたの魅力が嫉妬されているから批判される)
・批判が怖いなら常に最善を尽くす
・自分の愚行を記録して見返そう。そして自分で自分を批判しよう
(4)疲労と悩みを予防すれば道は開ける
①疲労と悩みを解決する方法
・疲れる前に休む
・不眠症で悩まないようにするためには、眠くなるまで起きて仕事をする。または読書する
・起きていられないほど肉体を疲れさせて、ぐっすりと眠る
②「私はいかにして悩みを解決したか」の具体的事例集
3.「道は開ける」の名言
(1)過去の出来事に囚われている人へ
我々にとって大切なことは、遠くにぼんやりと存在するものに目をやることではなく、身近にハッキリと存在することを実行することだ
(2)不安と戦っている人へ
やっかいごとを数え上げるな。恵まれているものを数えてみよう
(3)批判されるのが怖い人へ
死んだ犬をけ飛ばす人はいない
(4)怒りっぽい人へ
避けられない運命には調子を合わせよう
(5)人生に絶望している人へ
他人に興味を持つことによって、自分自身を忘れよう。毎日誰かの顔に、喜びの微笑が浮かぶような善行を心がけよう