日本語の面白い語源・由来(そ-④)算盤・素麺・卒寿・雀斑・染井吉野・そそっかしい

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算盤

日本語の語源には面白いものがたくさんあります。

前に「国語辞典を読む楽しみ」という記事を書きましたが、語源を知ることは日本語を深く知る手掛かりにもなりますので、ぜひ気楽に楽しんでお読みください。

以前にも散発的に「日本語の面白い語源・由来」の記事をいくつか書きましたが、検索の便宜も考えて前回に引き続き、「50音順」にシリーズで、面白い言葉の意味と語源が何かをご紹介したいと思います。季語のある言葉については、例句もご紹介します。

1.算盤(そろばん)

算盤教室

そろばん」とは、横長の枠に珠(たま)を数個貫いた軸を並べ、指で珠を上下させて計算する計算器です。

そろばんは、室町時代末頃に中国より日本へ伝わりました。

古代中国では、数を数えることを「算」といい、数を数える盤の意味で「算盤」となりました。

算盤を「そろばん」と読むのは、唐音の「ソワンパン」が訛ったとする説が有力とされます。

他には、琉球語の「スヌパン」や「スルバン」、「走盤(そうばん)」からといった説もあります。

そろばんの漢字表記には「十露盤」の当て字以外にも、昔は「三羅盤」や「曾呂盤」など、50種以上の当て字が使われていました。

2.素麺(そうめん)

そうめん

そうめん」とは、小麦粉に塩水を加えてこね、油を塗って細く引き延ばして干した麺です。茹でて用います。冷やし素麺。流し素麺。

そうめんは、中国から伝来したと考えられ、室町時代から「索麺(さうめん)」の名で文献に見られます。

「索」には縄をなう意味があり、その製法が名前の由来と思われます。

江戸時代以降、「さう」と「そう」の発音が混同されて「そうめん」とも言われるようになり、「素麺」の表記が一般化しました。

そうめんの「そう」に「素」の字が当てられた由来は、麺の白さからと考えられています。

「素麺」「冷素麺(ひやそうめん)」は夏の季語で、次のような俳句があります。

・文月の ものよ五色の 絲素麺(正岡子規

・のど過ぐる 渓流の音 冷素麺(鈴木光子)

・昼餉また 冷素麺に 異存なし(高澤良一)

・冷素麺 きらら光りの 切子鉢(星川佐保子)

3.卒寿(そつじゅ)

卒寿

卒寿」とは、数え年で90歳(また、その祝い)のことです。

卒寿は、「卒」の俗字「卆」を分解すると「九十」になることから、90歳を呼ぶようになりました。

卒寿の祝い方は、基本的に還暦と同じですが、祝いの色は古希・喜寿・傘寿と同じく紫です。

4.雀斑(そばかす)

そばかす

そばかす」とは、顔や首・手など露出の多い部分にできる褐色の小斑点のことです。女子に多く、思春期に目立ちはじめ、日光に当たると増えます。

そばかすは、江戸時代から見られる語で、読みの「そばかす」と漢字の「雀斑」は、それぞれ別のものに由来します。

読みの「そばかす」は、ソバの実を粉にした後の「蕎麦殻(そばがら)」に似た斑点ができることから、「蕎麦の滓(そばのかす)」で「そばかす」と呼ばれるようになりました。

漢字の「雀斑」は、そばかすの斑点が、スズメの羽にある斑点に色や形が似ているため、当てられたものです。

そばかすには、スズメの卵にある斑点の模様に似ていることから「雀卵斑(じゃくらんはん)」、直射日光に当たる機会が多い夏に増えることから「夏日斑(かじつはん)」といった呼び方もあります。

5.染井吉野(そめいよしの)

ソメイヨシノ

ソメイヨシノ」とは、サクラの一種で、オオシマザクラとエドヒガンとの雑種です。日本の代表的な桜。

ソメイヨシノは、染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木屋が江戸時代末期に品種改良した園芸品種で、明治以降全国に広まりました。

染井村にちなんだ名前ですが、当初は「ソメイヨシノ」でなはなく、奈良県山岳部の桜の名所「吉野山」にちなんで、「吉野桜」と命名されていました。

しかし、吉野山の桜はヤマザクラの類で、「吉野桜」の名は誤解を招くとして、明治33年(1900年)、上野公園の桜を調査した藤野寄命博士が「染井吉野(ソメイヨシノ)」と命名し、『日本園芸雑誌』に発表したことに由来します。

6.そそっかしい

そそっかしい

そそっかしい」とは、態度や行動に落ち着きがない、あわて者である、不注意であることです。

そそっかしいは、「そそかし(い)」を促音化し、強調した語です。
「そそかし」は、「取り急ぎ事をする」という意味の自動四段動詞「そそく」が形容詞化した語。
「そそく」は、「慌てる」「そわそわする」という意味の自動四段動詞「いすすく」に由来します。

そそっかしいは、落ち着きないさまが本来の意味ですが、そこから「不注意だ」「軽率だ」という意味も含まれるようになりました。

古くは、そそっかしいと同系の形容詞に「そそこし」「そそかはし」などがありました。