芸能人の「#検察庁法改正案に抗議します」という政治的発言はいかがなものか?

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きゃりーぱみゅぱみゅ

<2020/5/13追記>

コロナ禍による緊急事態宣言が続く中、最近小泉今日子さん、きゃりーぱみゅぱみゅさん、ラサール石井さん、西郷輝彦さんら多くの芸能人が「#検察庁法改正案に抗議します」というツイートをしていて、流行のようになっていることが気になります。

時々芸能人が新興宗教の広告塔になっているという話を聞きますが、芸能人の政治的発言も度が過ぎると「いかがなものか」という気になります。

ハリウッドのセレブ俳優が最近政治的発言をして注目されるようになったことに触発された動きか、あるいはコロナの影響で仕事が少なくなり、政治的発言で注目を集めようとする魂胆かもしれません。

トーク番組などで意見を求められた時に、しっかりした信念のもとに自分の意見を述べるのはよいと思いますが、最近のツイートはそのようなものではないという気がします。

60年安保や70年安保の時、付和雷同した多くの学生デモ隊が「安保反対!安保反対!」というシュプレヒコールをしていたのを思い出してしまいます。

歌手の加藤登紀子さんは、全学連運動家の藤本敏夫氏と獄中結婚したことで有名ですが、彼女が藤本氏から「政治集会で歌ってくれないか?」と頼まれた時、「歌に政治は持ち込みたくない」と断ったという話を聞いたことがあります。これは彼女の立派な見識だと私は思います。

2018年12月にタレントでモデルのローラさんが、「沖縄県名護市の辺野古の埋め立て」について、反対署名を呼び掛ける文言をインスタグラムに投稿しました。

ローラ

芸能人による「政治的発言」に賛否両論が飛び交う事態となっています。

1.ローラさんの発言内容

「We the people Okinawaで検索してみて。美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの。名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう」と呼び掛けています。

彼女のインスタグラムのフォロアー数は、520万人を誇り、国内の芸能人では2番目の多さ(ちなみに1番はお笑い芸人の渡辺直美さんで840万人です)で、影響力は大きく、2日間で4万の署名が集まったそうです。

2.賛成意見

女優の高木美保さんは、『羽鳥慎一モーニングショー』で、「日本は有名人や芸能人の政治的発言はタブーという発想を変える時代じゃないか?」「政治家を倒そうということではなく、この国をよくしたい、政治家にもよくなってもらいたいという純粋さをローラさんの中から感じる」と話しています。

ネット上でも、「芸能人は黙っていろという風潮はおかしい」「代案を出せというのは横暴だし、こういう時に自身の影響力を使うのはおかしくないと思う」などの擁護意見があります。

3.反対意見

『サンデー・ジャポン』という番組で、テレビプロデューサーのデーブ・スペクターさんは、「エコとか良いと思うんですよ。だけど辺野古の場合は、じゃあ代案はどうなの?工事を止めてそのあとどうすればいいんですか?普天間の返還はどうなるんですか?全くないんですよ」と安易な反対を批判しています。

女医の西川史子さんも、「沖縄の問題は環境問題だけではない」「沖縄の海を綺麗にって、政治家だって誰だって思いますよ」と、デーブ・スペクターさんに同調しています。

ネット上でも、「せめて普天間についてどう考えているのか説明しないと」「沖縄がどんな状況かわかっているのか?パフォーマンスに使わないでほしい」「海外セレブみたいな真似事はやめたほうがよい」などの批判があります。

4.過去の芸能人による政治的発言

津川雅彦さんは、保守派の論客で、『たかじんのそこまで言って委員会』でも持論を展開し、「ご意見番」として評論家の田嶋陽子さんとバトルを展開していました。

お笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリさんは、芸能界の中でもいちはやく米軍が駐留する普天間基地問題について、批判的な発言をして来ましたが、それが自身の芸能活動に大きく影響し始めているということです。

かつて、「沖縄芸人」として各局でレギュラー番組を多数抱える売れっ子でしたが、現在はピン、コンビ合わせても僅かで、一部では「消えた」とさえ言われ始めているそうです。

K-POPアイドルの「SUPER JUNIOR」メンバーのチェ・シウォンさんは、Twitterで、韓国の文在寅大統領の「独島は私たちの領土であり、命を捧げて守らなければならない。誇りを持って守って行きましょう」と言ったツィートをリツィートしました。

ロンドンブーツの田村淳さんは、『知りたがり』というテレビ番組で、終戦記念日の8月15日に、「竹島は日本古来の領土。外国人が手続きもなく入って行くことに違和感を覚える」とコメントしています。

この発言は、上に述べた津川雅彦さんの発言や、ほんこんさんや桂ざこばさんなどが『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』や『そこまで言って委員会』というテレビ番組で、時事問題についてコメントするのと同様に、何ら問題ない発言だと思います。

5.ローラさんが出演しているスポンサー各社の反応

このローラさんの政治的発言に対して、「ユニ・チャーム」「ライオン」「サントリー」などのスポンサー各社は、一様に「問題なし」との態度で、CM降板の事態にはならないようです。

しかし、今後スポンサー企業やテレビ各局が起用を自粛する可能性もあり、仕事が激減する恐れもあります。ただ、現在はCMの仕事が大半のようなので、彼女にとってはCMの方が安泰なら、痛くも痒くもないのかも知れません。

<2019/7/18追記>武井壮さんもSNSで政治的意見発信

「サンデージャポン」などのバラエティー番組にも出演している武井壮さんが7/8のTwitterで次のようにつぶやいていました。

政治関連の言葉に、反対意見の人が攻撃的に『政治家やった事もないくせに、やってから言え!』みたいな的外れにも程がある反論が来る。政治家以外政治に触れたらいけない訳ないだろ。民主主義だぞ、政治は離れたとこにある偉い人のもんじゃねえ、政治は国民の生活の為にあり、我々自身が考えるものだよ

これは、彼の政治的意見発信に対して「政治家やったこともないくせに、やってから言え」といった批判を受けたことに反論したものです。

このツイートは、7/7放送の「サンデージャポン」で、彼が特定の議員について、「もう二度と票は入れたくないという気持ちになる」とコメントしたことへの反響を受けてのもののようです。

武井壮さんは、ローラさんの場合と違って、バラエティー番組でも政治の話題に関して真面目にご意見番的な発言をしている人なので、上記の津川雅彦さんや、ほんこんさん、桂ざこばさんと同様、許容されるものだと私は思います。

政治に無関心だった若い人に投票行動を促すという副次的な効果も期待できると思います。