「帝国主義」と「植民地支配」

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帝国主義

現在の国際情勢を理解するうえで、過去の歴史を振り返ることは、極めて重要なことです。

今回は、欧米列強の「帝国主義」政策と「植民地支配」について、考えて見たいと思います。

1.欧米列強の「帝国主義」政策

欧米列強は1880年以降「帝国主義」による「植民地支配」を開始します。それを象徴するのが「アフリカ分割」です。イギリスは、エジプトのカイロと最南端のケープタウンを結ぶ「縦断政策」を取ります。そのイギリスに対抗したのがフランスで、アルジェリアからアフリカ東岸に向けて「横断政策」を取ります。

ドイツはカメルーンやタンザニア、イタリアはリビアやソマリランド、ベルギーはコンゴをそれぞれ植民地とします。

アフリカ以外では、イギリスは、インドやビルマ、香港、オーストラリア、ニュージーランドなど、ポルトガルは、マカオ、ドイツはニューギニア、ソロモン諸島、ミクロネシア、サモア、膠州湾など、フランスはインドシナ半島、南太平洋ポリネシアのタヒチやニューカレドニアなど、オランダはインドネシア、南アメリカのスリナム、カリブ海のキュラソー、アルバなどを植民地にしていきます。

一方19世紀末には、世界最大の工業国となったアメリカも「帝国主義」政策を取り、1898年の米西戦争により、スペインからフィリピンとプエルトリコとグァムを獲得します。さらにハワイを併合して、太平洋地域への勢力拡大を本格化させます。

そして、ロシアや日本も他の列強に負けまいとして「植民地獲得競争」に乗り出します。ロシアは、バルカン半島や中央アジアや東アジアへ進出し、清からアムール川流域と沿海州を獲得して「不凍港」を求める「南下政策」を進め、朝鮮半島や中国へ進出していた日本と対立し、日露戦争となります。

帝国主義列強は、アフリカやアジアを「植民地化」することによって、「有色人種の奴隷化」を推進して行きます。日本も、明治時代に富国強兵政策によって軍事力を付けていなければ、欧米列強の餌食となり、植民地化されていたであろうことは明らかです。

このように帝国主義政策による植民地獲得競争は世界各地で展開されることになり、やがて第一次世界大戦へとつながって行きます。

2.「植民地支配」の実態

「植民地支配」とは武力によって、従来の土地所有者(原住民)を迫害して、土地を奪い取り、先住民に奴隷的労働をさせたり、略奪的経営を行うことです。そこには、当然のことながら暴力行為や財産権の侵害行為が伴いました。

帝国主義列強は、植民地を原料工場・市場として経営するとともに、住民を政治・文化・言語の全ての面において抑圧的支配を行いました。

植民地を獲得する過程で、現住民との軍事衝突が起こり、全住民が殺戮されたり、激減したりすることも少なくありませんでした。スペインによる南アメリカ大陸の植民地化の中で起きたインカ帝国の滅亡や、イギリスによる北アメリカ大陸の植民地化の中で起きた先住民であるインディアンへの迫害(インディアン絶滅政策)、あるいはフランスによる西インド諸島のマルティニーク島の原住民の殲滅など枚挙にいとまがありません。

「土地政策」としては、主権のある未文明国については、「共有」「行政占領」「租借」「割譲」という概念で領土獲得を行い、そうでない場合は、最も露骨な領土獲得の根拠として、「無主物占有」という法理を用いました。原住民を人とも思わない傲慢なやり方です。

また、「差別・分離政策」として、先住民は「国籍」や「市民権」が与えられなかったり、「国籍」を与えられても、「属領籍」「外地籍」「海外籍」のような本国人とは異なる法的身分とされ、不平等な取り扱いを受けました。

3.新植民地主義について

蛇足ですが、現代において「帝国主義的政策」を取っているのは、皮肉にも共産主義国のロシアと中国です。これは、「新植民地主義」と呼ばれています。「100年遅れの帝国主義」とも言われています。

ロシアは、武力によるクリミア併合やウクライナ侵略、そして日本の北方領土の不法占拠の継続を行っています。

中国は、アフリカ諸国への「経済援助」などを通して、アフリカを植民地化しようとしています。また、東シナ海や南シナ海での軍事基地建設を通して太平洋を含む「軍事的覇権」を目指しています。

2018年12月に、中国は、日本の排他的経済水域(EEZ)内の沖ノ鳥島(東京都小笠原村)周辺で日本に無断で海洋調査(ワイヤーを海中に投入して航行)をしています。また2017年には尖閣諸島周辺で同様の海洋調査を無断でしています。これは潜水艦の航行のための「水深の調査」と思われます。

海上保安庁の巡視船による警告を無視して調査を続行し、日本政府も、厳重抗議をしていますが、やめる気配はありません。

「シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード構想」(略称:一帯一路構想)も、アジア太平洋地域の覇権を目指す「新植民地主義」です。



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