「数え歌」いろいろ。歌詞は、昔の人は良く考えたものだと感心する言葉遊びの粋

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京都の通り名

1.大学数え歌

「数え歌」と言えば、1962年(昭和37年)に守屋浩さんが歌ったコミカルな「大学数え歌」と言う流行歌がありました。

一ツとせ 人はみかけによらぬもの 軟派張る奴ぁ ン大生 そいつぁ ゴーキだね そいつぁ ゴーキだね・・・

これは東大生か日大生か、はたまた慶大生かわかりませんが、大学生のコンパの座興などで、よく歌われていたようです。私はその頃中学生でしたので知りませんが・・・

2.数え歌の歴史

「数え歌」というのは、1から数字を追って歌われる歌謡です。古くは平安時代末期に成立した「梁塵秘抄(梁塵秘抄)」の中にある「四句神歌(しくかみうた)」に「吹田(すいた)の御湯(みゆ)の次第は、一官(かん)二寺(じ)三安楽寺(あんらくじ)四には四王寺(しおうじ)五侍(さぶらい)六膳夫(ぜんふ)・・・」とあります。これは、現在の福岡県筑紫野(ちくしの)市の二日市(ふつかいち)温泉の「入浴順序」を歌った数え歌だそうです。

室町時代の「囃子舞(はやしまい)」にも見られるそうです。

3.江戸時代から明治時代に作られた数え歌

江戸時代から明治時代にかけても、色々な数え歌が作られました。「いちじくにんじん」は「手まり歌」「羽根つき歌」「おはじき歌」として、古くから親しまれて来たものです。

「いちじく にんじん さんしょに しいたけ ごぼうに むくろじゅ ななくさ はつたけ きゅうりに とうがん」というものです。「無患子(むくろじ)」の黒くて硬い種子は、羽根つきの羽根の球に使われています。

ほかにも「一番はじめは一の宮」という「手まり歌」「お手玉歌」があります。

「一番はじめは一の宮 二は日光東照宮 三は讃岐の金比羅さん 四は信濃の善光寺 五つ出雲の大社(おおやしろ) 六つ村々鎮守様 七つ成田の不動様 八つ八幡の八幡様 九つ高野の弘法さん 十は東京招魂社」です。「東京招魂社」は、現在の「靖国神社」のことです。

「「一人(ひとり)来な二人(ふたり)来な見て来な寄って来な、いつ来てみても魚子(ななこ)の帯を矢(や)の字に締めて・・・」という「羽根つき歌」もあります。

また「お手玉歌」として「一に橘(たちばな)二に杜若(かきつばた)三に下り藤(さがりふじ)・四に獅子牡丹(ししぼたん)五つい山の千本桜(せんぼんざくら)六つ紫桔梗(ききょう)に染めて七つ南天(なんてん)八(や)つ山吹(やまぶき)よ九つ小梅(こうめ)は白茶(しらちゃ)に染めて十(とお)で殿様葵(あおい)の御紋」というものがあります。これは、「公家の紋所(家紋)」を歌った数え歌で、最後が徳川家となっています。

天童よしみさんが歌った石本美由起作詞、市川昭介作曲の「大ちゃん数え歌」もありますね。

「一ツ他人(ひと)より力もち 二つふるさと後にして ・・・」と続く「いなかっぺ大将」のエンディングテーマソングです。

最近はアニメの忍空(にんくう)で「十二支の数え歌」も作られているようですが、私の率直な感想としては、十二支は何回も唱えていれば自然と覚えられるものです。

江戸時代から明治時代にかけて、最も多く作られたのは「物売り」の数え歌だそうです。焼き芋屋の「栗より美味い十三里」は、数え歌ではありませんが、「くり(九里)より(四里)うまい十三里(九+四)」という駄洒落です。話は脱線しますが、現在「焼き芋」が「平成最後の食ブーム」だそうで、大丸百貨店でもコーナーが出来るほどで、焼き芋屋の新規開業も増えているそうです。

閑話休題、「物売り」の数え歌に戻りますが、私が今回調べてみたところ、「手まり歌」「お手玉歌」「羽根つき歌」のように全国各地で歌われるようなポピュラーなものは見当たりませんでした。この理由は、それぞれの「物売り」が各地のローカル色も入れたオリジナルの「数え歌」を「持ち歌(持ちネタ?)」にして、商売していたからではないかと私は推測します。

現在はほとんど見かけなくなりましたが「バナナのたたき売り」も、数え歌ではありませんが、テンポよく啖呵を切って売ります。「男はつらいよ」で渥美清さん演じる香具師(やし)の「フーテンの寅さん」が縁日で、「結構毛だらけ猫灰だらけ・・・」と口上を述べるシーンが印象に残っています。「啖呵売(たんかばい)」「口上売り」と呼ばれるもので、現在の「テレビショッピング」に受け継がれているようです。

4.京都の通り名を覚えるためのわらべ歌

蛇足ですが、京都の通り名を覚えるためのわらべ歌(京都通り名の唄)があると、京都出身の人から聞いたことがあります。「まるたけえびすに おしおいけ あねさんろっかく たこにしき しあやぶったか まつまんごじょう・・・」というものです。

これは、京都の通りを北から順番に歌って覚えるものだそうです。順番に「丸太町・竹屋町・夷川・二条・押小路・御池・姉小路・三条・六角・蛸薬師・錦小路・四条・綾小路・仏光寺・高辻・松原・万寿寺・五条・・・」の頭文字を調子よく連ねて覚えやすくなっています。

「数え歌」にしても、「京都通り名のわらべ歌」にしても、昔の人は、本当によく考えて作ったものだと感心しますね。



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