「挨拶」や「感謝の言葉」の大切さと「親しき中にも礼儀あり」について考える

フォローする



和田アキ子

和田アキ子さんは、団塊世代より1歳下の昭和25年生まれですが、考え方は我々とよく似た「常識人」です。

彼女は、不良少女だったようで高校を3日で中退したという経歴の持ち主ですが、「挨拶」や「感謝の言葉」を大切にしており、「親しき中にも礼儀あり」という教えをきちんと守っているように見えます。

1.挨拶

結婚式のスピーチや葬儀での挨拶、あるいはサラリーマンの異動の際の挨拶などいろいろな機会に挨拶が必要になってきます。

しかし、ここでお話ししたいのは、上記のような堅苦しい挨拶のことではなく、日常生活における何気ない挨拶のことです。

この挨拶は、人と人とがお互いに気持ちよく生活することができるための「日常生活に欠かせない言葉」で「心の潤滑油」のようなものです。

禅宗で問答を交わして相手の悟りの深浅を試すことを「一挨一拶(いちあいいっさつ)」と言います。これが挨拶の語源です。

余談ですが、「挨拶」の漢字の覚え方は、「ム矢くタ」です。

2.感謝の言葉

前に「ありがとうの反対は当たり前」という記事を書きましたが、「感謝の気持ち」を持つだけでは不十分で、「感謝の言葉」を口にすることが人間関係をスムーズにするのです。

人は誰でも、自分のことを認めてほしいという気持ちがあります。人のために一生懸命苦労して仕事をしたり、手伝いをした場合はなおさらです。そんな時に相手の人から一言も「感謝の言葉」が出なかったらどうでしょう。疲れが何倍にも感じられるだけでなく、怒りの気持ちさえ起きることでしょう。

逆に「ありがとうございました」とか「お疲れ様でした」とかの言葉を掛けられれば、疲れも吹き飛ぶだけでなく、これからも相手の人のために頑張ろうという気持ちになるものです。

3.親しき中にも礼儀あり

「ラポール(rapport)」と言う言葉があります。心理学で「人と人との間が和やかな心の通い合った状態」を指す言葉です。

しかし「ラポール」のような親密な信頼関係があっても、「親しき中にも礼儀あり」です。仲が良くても、度が過ぎて礼を失するようなことがあってはいけないという戒めです。親しいことで遠慮がなくなって行き、それが不和の元にもなるものです。

「思う仲には垣をせよ」「心安いは不和の基」「親しき仲は遠くなる」とも言います。

英語では次のような表現があります。

A hedge between keeps friendship green.(間の垣根は友情を生き生きと保つ)

Love your neighbor, yet pull not down your hedge.(あなたの隣人を愛せよ。しかも生け垣を取り払うな)

実の親子でも、言葉に出さなければわからないことが少なくありません。ましてやいわんや他人においてをやです。