飛行機に乗ると、国際線だけでなく国内線でもCA(キャビンアテンダント)による「Ladies and Gentlemen」で始まる英語の機内アナウンスがあります。
これはごく当たり前の情景でしたが、日本航空は2020年10月1日から、この「Ladies and Gentlemen」を廃止することにしたとの報道がありました。
理由は「今までの『Ladies and Gentlemen』は性別を前提とした表現」であったとして、「性的マイノリティー(LGBTQ)のお客様が不快な思いをしないように」とのことです。
ちなみに「LGBTQ」とは、「レズビアン(女性同性愛)」「ゲイ(男性同性愛)」「バイセクシュアル(両性愛)」「トランスジェンダー(生まれた時の性別に違和感がある)」「クエスチョニング(自分の性別、好きになる相手の性別がわからない)」の英語の頭文字を取った「性的少数者」の総称です。
10月からは、客室乗務員(CA)は「Good morning/Good afternoon/Good evening, everyone」や「Attention, all passengers」を使うとのことで、地上旅客係員のアナウンスもほぼ同じ内容になるようです。
ライバル社の全日空は、「お客様からの声などを踏まえ、社内で検討する」とのことです。
ちなみに、性別を前提とした敬称は、ニューヨークやロンドンの地下鉄でも取りやめているそうですが、欧米の航空会社の機内アナウンスはどうなっているのでしょうか?
1.言葉の置き換えは「偽善者」のやり方
前に「言葉狩りとポリティカル・コレクトネス」の記事を書きましたが、このような言葉の置き換えは、「偽善者」のやり方だと私は思います。
2.少数者の意見に振り回されるべきでない
前に「少数意見に振り回されるな」という記事を書きましたが、多数派の人々が肩身の狭い思いをするようでは「本末転倒」です。
最近は黒人差別を批判する「BLM」運動が盛んですが、一方で「黒人優遇の逆差別」もアメリカで起きています。
今のような社会風潮は、一度立ち止まってよく考えるべきではないかと私は思います。
3.日本航空の「ダイバーシティ」への取り組み
日本航空は2014年に「ダイバーシティ宣言」をし、性別や年齢、国籍、人種、宗教、障害の有無、性的指向、性自認などの属性によらず、多様な人材が活躍する環境の創造に取り組んできたそうです。その一環として、今回の英語アナウンスの変更を決めたそうです。
「ジェンダーニュートラル」を目指す動きとしては、このほかに2019年に女性の客室乗務員の制服に「パンツ」を着用するスタイルを採用しています。