最近、「持病があっても入れる保険」のテレビCMをよく見ますね。
でもこのような保険は大丈夫なのか気になりますよね。
そこで今回は、「持病があっても入れる保険」のメリットとデメリットをご紹介したいと思います。
1.「持病があっても入れる保険」とは
「持病があっても入れる保険」には次の3種類があります。
(1)引受基準緩和型医療保険・死亡保険
「引受基準緩和型保険」は、加入時に持病の治療中でも入れる場合が多く、持病が悪化した場合も給付金や保険金が受け取れる保険です。
(2)無告知型医療保険・死亡保険
「無告知型保険」とは、健康告知や医師の審査が不要な保険です。
(3)一般の医療保険・死亡保険(特別条件が付加される可能性あり)
持病があっても入れる保険には、一般の生命保険も含まれます。
持病がある方でも、一般の生命保険に加入できる場合もあるのです。
2.「引受基準緩和型医療保険・死亡保険」のメリット・デメリット
(1)メリット
①持病があっても加入できる
一般の医療保険や死亡保険に加入する際には、健康状態の告知をする必要があります。
詳細に健康状態を告知する必要がありますので、告知の内容次第では加入を断られてしまうことや、特別条件が付加される場合もあるのです。
引受基準緩和型保険は一般の保険より加入基準を緩和しているため、一般の保険の加入を断られた方でも入れる可能性が高いことがメリットです。
②持病の悪化も保障される
引受基準緩和型保険では、加入時の持病が原因で入院や手術、死亡に至った場合も保障の対象になります。
③告知が少なく手続きが簡単
引受基準緩和型保険の告知項目は、基本的に「はい」「いいえ」の2択で答えられる質問で、項目も3つ程度になります。
告知項目は保険会社により多少異なりますが、主な項目は以下の3点です。
- 最近3カ月以内に、医師から入院や手術をすすめられたことがあるか
- 過去2年以内に、入院や手術をしたことがあるか
- 過去5年以内に指定の病気(保険会社により異なる)と診断された、もしくは、入院や手術をしたことがあるか
過去2年以内の告知や過去5年以内の告知に指定される病気は、以下の内容が多いです。
がん | がん・白血病・肉腫・悪性リンパ腫など(上皮内新生物を含む場合もある) |
肝臓 | 肝硬変など |
精神 | 認知症・統合失調症・アルコール依存症など |
④診断書の提出が不要
一般の医療保険や死亡保険では、過去に傷病歴がある場合、診断書の提出を求められることがあります。
診断書をもらうためには、治療していた病院に直接出向いたり、郵送してもらわなければなりません。
また、費用も5千円~1万円程度かかることが多く、依頼してから手元に届くまで1週間程度の時間が必要になります。
(2)デメリット
①一般の死亡保険・医療保険より保険料が割高
引受基準緩和型保険は、一般の保険より加入基準を緩和している保険です。
持病がある方でも入りやすくしているため、保険会社としては給付金や保険金を支払うリスクが高くなるのです。
そのリスク分、保険料を割増にすることで、引受基準緩和型保険は成り立っています。
②加入後の1年間は保障が減額される商品もある
引受基準緩和型保険の商品は「支払削減期間」を設けているものがあり、加入から1年間は、給付金や保険金の金額が50%になります。
③付加できる特約が少ない
特に、一般の医療保険は付加できる特約の種類が多岐に渡るので、比較すると引受基準緩和型医療保険は少なく感じる方もいるかもしれません。
3.「無告知型医療保険・死亡保険」のメリット・デメリット
(1)メリット
①既往歴のある人でも加入できる
無告知型保険のメリットは、通院中や傷病歴のある方でも加入できることです。
告知の必要がないため、手続きも非常に簡単です。
ただし、告知がないからといって誰でも加入ができるわけではありません。
現在入院中の方や余命宣告を受けている方などは、無告知型保険に加入できません。
(2)デメリット
①保険料が割高・保障が削減される
デメリットは、引受基準緩和型保険と比べ保険料が割高なことと、加入後一定期間は保障が減額される、または、無い場合もあることです。
無告知型保険は、どんな方でも加入しやすくなっている分、保険会社としては保険金を支払うリスクが高いため、保険料がかなり割高に設定されています。
保険料と保険加入期間によっては、保険料総額が保険金額を超えてしまう場合もあるため、保険で準備すべきか貯蓄で準備すべきか、充分に検討することが重要です。
4.「一般の医療保険・死亡保険(特別条件が付加される可能性あり)」のメリット・デメリット
(1)メリット
一般の保険のメリットは、保険料が最も安く、特約のバリエーションも豊富にあることです。
(2)デメリット
一方で、一般の保険は加入際の診査が、引受基準緩和型保険や無告知型保険と比べ「厳しい」ことがデメリットになります。
<一般の生命保険 主な告知内容>
- 3カ月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがあるか
- 5年以内に、継続して7日以上の入院や手術を受けたことがあるか
- 5年以内に、保険会社の指定する病気で、一度でも医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがあるか
- 5年以内に、保険会社の指定する病気以外の疾病で、通算7日以上に渡る医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがあるか
- 5年以内の健康診断や人間ドッグの結果で、指摘事項(要経過観察・要再検査・要精密検査・要治療)があるか
持病があるとこの告知内容に当てはまってしまうことがあります。
告知内容に該当してしまうと加入を断られたり、加入ができても特別条件が付加されたりする可能性があります。