「団塊世代」の私も今年75歳で「後期高齢者」になります。最近同年代の有名人の訃報が相次ぐ中、「終活」を強く意識するようになりました。
しかし帚木蓬生氏の唱える「老活」という言葉もありますので、ネガティブ思考・マイナス思考だけに陥るのは避けたいと思っています。
ところで最近、「89歳でも入れる保険」という「終活」を考えている高齢者をターゲットにしたと思われる生命保険のテレビCMをよく見ますね。
でもこのような保険は大丈夫なのか気になりますよね。
そこで今回は、「89歳でも入れる保険」のメリットとデメリットをご紹介したいと思います。
なお前に次のような記事も書いていますので、ぜひ参考にしてください。
・「持病があっても入れる保険」は大丈夫なのか?メリットとデメリットを紹介。
・葬儀費用で家族に迷惑をかけたくない人のための「葬儀保険」とは?メリットとデメリットを紹介。
1.「89歳でも入れる保険」とは
高齢になると入れる保険が少なくなります。しかし、最近では年配者のニーズが高まり高齢者向けの商品が増えつつあります。
(1)トライアングル少額短期保険株式会社「おもまりがわり」
①保障内容
・1年更新の死亡保障
・89歳まで入れる保険で99歳まで更新可能
②保険料
月3,000円・5,000円・7,000円から選択可能です。月の保険料と年齢によって死亡保険金が変わります。
<5,000円コースの場合の保険金額>
また、希望の死亡保険金額に応じて月の保険料が異なる「保険金建てプラン」もあります。(こちらは年齢が上がると保険料も上がります。)
③告知内容
詳細は保険会社にご相談ください。
健康に不安がある方のための「引受基準緩和タイプ」もあります。こちらも89歳まで入れる保険です。
(2)富士少額短期保険「ごあんしん共済」
①保障内容
・1年更新の死亡保障
・89歳まで入れる保険で100歳まで続けられる
②保険料
<保険金額100万円の場合の月額保険料>
なお、保険金額は50・100・150・200・300万円から選べます。
③告知内容
・医師の診査は必要ありません。
・過去5年間に富士少額短期保険が指定する病気で診療を受けていなければ加入できます。
「持病がある人でも入れるタイプ」もあります。こちらも89歳まで入れる保険です。
(3)T&Dフィナンシャル生命保険株式会社「みんなにやさしい終身保険」
①保障内容
・一時払いの終身保険
・通貨分散コースは95歳まで加入可能
・生存給付金支払移行特約などが付加できる
通貨を分散することで保険金額の増額が期待できます。
保険金額は支払い金額を上回りますが、一定期間は解約返戻金が支払い金額を下回ります。
②保険料
1万円単位で自由に設定できます。支払い方法は一時払いのみです。
③告知内容
健康告知は必要ありません。
2.「89歳でも入れる保険」のメリット・デメリット
(1)メリット
①お金を確実に残せる
ある程度の年齢になると子どもの教育費などを残す必要はなくなります。ただし、自分の葬式代や残された家族の生活費などを確保しておくと安心です。
死亡保険をかけていれば確実にお金を残すことができます。
②増やすことができる商品もある
商品のなかには運用をしてお金を増やせる商品もあります。解約返戻金が支払額よりも多くなる場合もあるので、状況により生前に引き出すか死亡保険金として受け取るか選ぶことができます。
③相続対策ができる
死亡保険金の非課税枠を利用したり、受取人を指定したりできるので相続対策として利用することもできます。
保険金は請求をすればすぐに現金で支払われるので相続税支払い用の現金を確保できるという利点もあります。
(2)デメリット
①告知にひっかかり入れないこともある
高齢者ならではの問題として健康問題があります。高齢になればだれでも一つは体の不調を抱えているでしょう。
保険という商品の性質上、健康上に問題があると告知にひっかかり加入が難しいケースがあります。
②割高な商品が多い
若い頃に加入するのに比べ保険料が高いというのも押さえておかなければならないポイントです。
健康不安がある人に向けて「引受条件緩和型」や「無告知型」の保険もありますが。これらの商品はさらに保険料が割高になります。
割高な保険料を払う代わりに「貯蓄」や「投資」などを活用できないか慎重な検討も必要です。