沢尻エリカの逮捕で作品お蔵入りや大河ドラマ撮り直しは疑問。作品に罪はない!

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沢尻エリカ

<2020/9/8追記>俳優・映画監督の伊勢谷友介が大麻取締法違反容疑で逮捕

俳優・映画監督の伊勢谷友介が自宅のリビングに大麻を所持していたとして、2020/9/8に大麻取締法違反容疑で現行犯逮捕されました。今後の彼の出演映画・ドラマや監督作品の取扱いがどうなるのか、注目したいと思います。

女優の沢尻エリカが2019年11月16日に、麻薬取締法違反容疑で逮捕・送検されました。

1.NHKオンデマンドの配信停止措置

これを受けて、NHKの有料動画サービス「NHKオンデマンド」は、彼女が2016年10月から2年間MCを務めたBSプレミアムのドキュメンタリー「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」の10作品の新規販売を停止しました。

10作品とは「山口組対一和会~史上最大の抗争~」「兵馬俑は見ていた!~巨大遺跡に翻弄された人々~」「日本が揺れた!消費税導入の舞台裏」「小野田少尉 帰還~戦後29年 ジャングルの中で~」「アポロ13号の奇跡 緊迫の87時間」「落語を救った男たち 天才現る!古今亭志ん朝の衝撃」「外国人から見た3.11~あの時 世界はどう動いたか?~」「女子プロレス 熱狂の頂点 クラッシュギャルズを求めた少女たち」「天皇いのちの旅(前編)~平和への祈り~」「天皇いのちの旅(後編)~象徴への模索~」です。

2.来年のNHK大河ドラマの撮り直し又は放映延期(?)の措置

NHKは現在対応を検討中とのことで、まだ確定ではありませんが、収録も相当進んでいることや、のちに織田信長の妻となる斎藤道三の娘「濃姫」という重要な役どころで初回から登場する予定であることから、「代役を立てて撮り直し」を検討しているようです。

それでもキャストの日程調整や取り壊したセットの再制作などに日数がかかるため、1月5日放送開始に間に合わないようであれば、「放映延期」も検討しているそうです。

私は「沢尻エリカが麻薬取締法違反で逮捕されましたが、収録済みの部分についてはそのまま放映させていただきます。未収録の部分については代役を立てさせていただきます」というテロップを流して断ればよいのではないかと思います。困難な出演者の日程調整や多額の費用を使って撮り直すのは経済的合理性がないと思います。そんなことをすれば「国民が支払う受信料の無駄遣いになる」という自覚がNHKにはないのでしょうか?

過去に彼女がMCを務めた番組の動画まで販売・配信停止にする理由は、私には全く理解できません。「そこまでする権限がNHKオンデマンドにあるのか?」と言いたくなるくらいです。

また、「薬物使用をしている俳優を使うことがダメ」ということであれば、以前から薬物使用の噂のあった沢尻エリカをなぜ起用したのか?」「そのような噂のある女優を起用したからには、NHKの自業自得ではないのか?」という素朴な疑問もあります。

3.出演者などの不祥事に伴う動画配信停止などの措置の是非

今年の「いだてん」でも放送開始後に、麻薬取締法違反容疑で逮捕されたピエール瀧の降板・代役による撮り直しや所得隠しが摘発されたお笑い芸人徳井義実の映像一部カットなどの騒動がありました。

私は前に書いた「新井浩文事件」「映画の麻雀放浪記の公開」「ヒッチコック監督のセクハラ」「吉本興業の闇営業批判」の記事でも書きましたが、放送局や映画配給会社などの「メディアの過剰反応」が気になります。

私は「作品に罪はない」という考え方で、「容疑者や不祥事を起こした人の顔など見たくない」という人はその作品を見なければよいだけの話で、「その作品を見たいという人の楽しみを奪うことの方が問題」だと思います。

これは、血縁関係を理由に犯人の近親者を処罰する昔の「縁座制」のようなもので、罪のない人まで罰する不合理で理不尽極まりない措置のような感じがします。

殺人事件などの重大事件を起こしたのなら別ですが、最近はメディアがレピュテーションリスクを恐れて事件や不祥事を起こした人間を映像から消去すること作品を鑑賞する楽しみを提供することその作品のほかの出演者や制作に携わった人々の苦労よりも重く扱う傾向があるのは、再考を要するのではないかと思います。

「頑固一徹な職人気質の足袋屋」役のピエール瀧や「女子バレーボールの鬼の大松監督」役の徳井義実が「味のある良い演技」をしていたのは皮肉なことです。沢尻エリカも「自分が持っているものすべてをこの作品に捧げたい。沢尻エリカの集大成をここで見せたい」と意気込んで臨んでいた大河ドラマなので、ひょっとすると「良い演技」が見られたのではないかと思うと残念です。

ただ、もし北川景子あたりが代役になれば、美形という意味ではそれなりに楽しみな気もします。しかし演技力は沢尻エリカに比べると、はるかに見劣りすると思いますし、重要な「濃姫」の役どころを演じ切れるか不安が残ります。

かつて薬物事件を起こしたことのある「座頭市」で有名な勝新太郎も、なかなか味のある役者でした。

<2019/12/1追記>NHKが「代役での撮り直し」と「放映延期」を決定

NHKは代役を時代劇未経験の川口春奈(24)とし、最初から「代役での撮り直し」を決定しました。そして撮影スケジュールがタイトなため、1月5日からの放送は断念し、1月19日からに延期されることになりました。

私はNHKが「代役での撮り直し」と「放映延期」を決めたことは、とても残念に思います。NHKは、大河ドラマにかぎらず、今後作品の「出演者」や「監督や脚本家、音楽などの制作関係者」において同種の事態が起きたり発覚した場合に、どのような対応をするのでしょうか?