街路樹の断捨離が必要!根上がりによる転倒事故、道路の見通しの悪化、野鳥の騒音・糞害も発生

フォローする



根上がり

私が子供の頃、「大阪には緑が少ない」という言葉をよく聞きました。確かに東京は、江戸城跡地の皇居をはじめ江戸時代からの広大な「大名屋敷跡地」や、皇室の「御料地跡」の新宿御苑、明治神宮の森などもあって緑が多いように感じました。

しかし、その後のニュータウン開発やマンション・商業施設建設の際の「緑化義務」や、大阪市内の新しいビル建築の際の「敷地内緑化(周辺の植樹)」義務付けによって、かなり緑が多くなりました。

それはそれで良いことなのですが、最近いろいろな問題も起きて来ています。

1.街路樹の根上がり

先日、テレビのルポで、兵庫県三田市の「あかしあ台」の道路に植えられた街路樹のニセアカシアの木が成長して、「根上がり」を起こし、アスファルト舗装の歩道が盛り上がったり、割れたりしてデコボコになり、歩いたり自転車で走るのにも支障を来たし、転倒事故も起きるなど危険な状態になっているとの報道がありました。

「盆栽」の「根上がりの松」は珍重されるのですが、「街路樹」のそれはいただけません。

そこで、三田市は街路樹のアカシアを伐採することにしたのですが、これについて賛否両論が起きています。

「ウッディタウン」と呼ばれる三田市最大のニュータウンは、「あかしあ台」「すずかけ台」「けやき台」「ゆりのき台」の4地区に三田市の人口の3分の1の3万6千人が住んでいます。

それぞれの街路には、地区名に因んだ街路樹が植えられています。しかし、1987年の「街開き」から30年以上が経って、枝が張り出して道路の見通しが悪くなったほか、根が成長してアスファルト舗装を破壊する「根上がり」が頻発し、三田市が専門家の意見も聞いて、安全対策として、まずあかしあ台の街路樹の半分を伐採することにしたのです。

これに対して、「街の魅力がなくなる。緑豊かな住宅地だからこちらにマイホームを建てたので、伐採には反対」といった意見もあり、三田市に再考を求める署名活動も行われているそうです。

私の住む高槻市でも、幹線道路沿いはもちろん、片側一車線の道路沿いや住宅地にも街路樹がたくさん植えられています。また、芥川の支流の新川沿いの桜の並木道には、何か所も「根上がり」が起きています。

芥川支流の新川は「ヒメボタル」の生息地として有名で、5月中旬には夜8時ごろから10時ごろまでホタルを見に多くの人が訪れます。最近桜の木の根上がりが目立つので、夜の暗い所でホタルに気を取られて「転倒事故」が起きないか心配です。

2.街路樹による「合流時の見通し」の悪化

幹線道路である国道171号線沿いには、かなり狭い間隔でイチョウやニセアカシア、ナンキンハゼ、プラタナスなどが植えられていて、その間に電柱もあるので、狭い道路から斜めに入って171号線に「合流」しようとする場合、「見通し」が極めて悪く困っています。

これについては、①狭い道路の方に「感応式信号」を設置する、②合流地点が交差点の近くにある場合は、幹線道路の方の「停止線」を5m下げて、狭い道路から合流する車が入りやすくする、③幹線道路沿いの街路樹のうち、上記のような「見通しの悪さ」が顕著な地点では全て伐採するか半分くらい伐採する、

④合流地点の信号と、その直前の信号の「赤信号に変わる時間」を5秒くらいずらして、合流しようとする車が入れる余地を確保する(そうしないと、停止線をオーバーした車があったりすると、右折で幹線道路に入れなくなるため)⑤幹線道路沿いは、順次電柱を地中化するなどの対策をぜひ検討してください。

片側一車線の道路沿いの歩道は、ただでさえ狭いのに、そこに街路樹があると、枝が張り出していることもあり、人の行き違いも難しく、自転車で行き違いは不可能な状態のところもあります。このような狭い歩道の街路樹については、思い切って全部伐採した方が、景観上も安全上も良いと思います。

3.街路樹を営巣地とするムクドリの騒音と糞害

高槻市役所前の「けやき通り」のケヤキの木は、数年前からムクドリの営巣地となってしまい、毎日夕方になると、市役所周辺の空を無数のムクドリが旋回し、ケヤキの枝に密集して大きな声を出すとともに、糞もします。その結果、歩道はムクドリの糞だらけの状態が続いています。土鳩の糞害とともに、私たちの「憤慨のタネ」になっています。

4.街路樹の落葉掃除の大きな負担

住宅街の街路樹にも、地元住民は困っています。私の家の前の道路には両側に「プラタナスの木」が約20本ほど植えられています。通行人には「夏は日陰があって助かる」とか「秋は黄葉がきれい」と好評なようですが、地元住民は夏の最中から一部枯れ始める落ち葉の清掃が大変な負担になっています。

この街路樹は、もともと地元住民が希望したものではないし、樹種の選定も高槻市の一存で決まったものです。年一回の「剪定」は高槻市がやりますが、「道路や水路に溜まった落ち葉の清掃」などその他の管理はすべて「地元住民任せ」です。

今年は台風21号で、大きな枝が多数折れて、付近の家のガレージの前にも飛んできました。年一回の「剪定」も、今年は造園業者が台風21号による倒木処理の対応に追われて、手が回らないとのことで、まだ来てくれていません。

このように、街路樹についても、「断捨離」が必要ではないかと、最近私はつくづく思います。高槻市や国土交通省・警察の方で、対策のご検討をよろしくお願いします。