現在開発中の「新型コロナワクチン」はどのようなものがあるのか?

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コロナワクチン開発状況1コロナワクチン開発状況2

東京・大阪・沖縄・神奈川・埼玉・千葉に「緊急事態宣言」が出される中、トラブルや供給の遅れもありましたが、「新型コロナワクチン接種」は中高年から若い世代に向けてまずまず順調に進んでいます。

ただ最近は、働き盛りの40代~50代のほか、20代~30代の若い世代や子供にも感染が拡大していることが心配です。

また、ワクチン接種については、「副反応のリスク」のほかに「SNSのデマ情報」の問題もあります。

中国製ワクチン」は有効性や安全性が不明なので論外として、「アストラゼネカワクチン」もファイザー・モデルナに比べると有効性が低かったり、「モデルナワクチン」も「モデルナアーム」のような特有の副反応があります。

そこで「国産ワクチン」が期待されるところですが、「新型コロナウイルスワクチン」の開発状況はどのようになっているのでしょうか?

1.現在の世界における新型コロナワクチン開発状況

WHOの7月27日時点のまとめによると、現在、臨床試験に入っている新型コロナ(COVID-19)ワクチン候補は108種類で、このほかに184種類が前臨床の段階にあります。

2.国産ワクチンの開発状況

日本勢では、大阪大とアンジェスが共同開発するDNAワクチンが国内P2/3試験を実施中。塩野義製薬の組換えタンパクワクチンも昨年12月からP1/2試験を行っています。第一三共のmRNAワクチンとKMバイオロジクスの不活化ワクチンも、今年3月からP1/2試験を始めました。

IDファーマは、センダイウイルスをベクターに使ったワクチンの臨床試験を計画。国内ではこのほか、阪大微生物病研究会などが開発する不活化ワクチンや組換えタンパクワクチンも前臨床の段階にあります。

3.承認済みのワクチン

これまでに承認(緊急使用許可を含む)を取得した新型コロナウイルスワクチンは、▽米ファイザー/独ビオンテック(mRNAワクチン)▽米モデルナ(同)▽英アストラゼネカ/英オックスフォード大(ウイルスベクターワクチン)▽米ジョンソン・エンド・ジョンソン(同)▽ロシア国立ガマレヤ研究所(同)▽中国シノファーム(不活化ワクチン)▽同シノバック(同)――などがあります。

ファイザー/ビオンテックとモデルナのmRNAワクチンは、数万人規模の臨床試験で95%前後の有効率を示しています。

mRNAワクチンに比べて保管が容易なウイルスベクターワクチンでは、アストラゼネカ/オックスフォード大のワクチンが76%、J&Jのワクチンが85%の有効率を臨床試験で示しています。J&Jのワクチンは1回接種で済むため、低所得国や僻地への展開でメリットがあります。

アストラゼネカとJ&Jのワクチンをめぐっては、接種後に血小板減少を伴う血栓症を発症したケースが複数報告されており、欧米の規制当局が調査を行っています。欧州医薬品庁は4月7日、アストラゼネカのワクチンについて、接種後の血栓との関連性がある可能性があるとの認識を表明し、ワクチンのベネフィットは副反応のリスクを上回っていると強調。EMAによると、血栓症の大半は60歳以下の人で発生しており、欧州では同社ワクチンの接種を高齢者層に限定する動きが広がっています。

日本では、2月14日にファイザーとビオンテックのワクチンが特例承認を取得。同17日から医療従事者への接種が始まりました。5月21日には、アストラゼネカとモデルナの2つのワクチンが特例承認。同24日にはJ&J製ワクチンも承認申請を行っています。

組換えタンパクワクチンの開発は、米ノババックスが先行。今年6月16日には、米国などで行った3万人規模のP3試験で90%の発症予防効果が示されたと発表しました。同社は順次、各国で申請を進める方針です。日本では、生産と供給を担う武田薬品がP1/2試験を進めており、今年後半の供給開始を目指しています。

組換えタンパクワクチンは、仏サノフィと英GSKも共同で開発を行っていて、今年5月から3万5000人を対象としたP3試験を実施中。順調に進めば、10~12月の実用化が見込まれるといいます。日本でも7月からP3試験が始まりました。

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