「春の七草」ってどんな草?由来や覚え方もご紹介します!

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春の七草

「春の七草」と言えば、春を代表する草を集めたもので、日本人の繊細な季節感を表すものですが、今では一般に馴染みのないものも入っています。

そもそもこれは誰がどのような基準で選んだのでしょうか?

今回はこの「春の七草」の名前と由来や覚え方をご紹介したいと思います。

1.春の七草とは

春の七草写真

(1)セリ(芹)

セリの花

ビタミン(A、C)やカルシウムなどが含まれる水辺の山菜で香りがよく、食欲を増進する。

(2)ナズナ(薺)

ナズナの花

別名はペンペングサ(ぺんぺん草)。ビタミンKが豊富で江戸時代にはポピュラーな食材。

(3)ゴギョウ(御形)

ゴギョウの花

別名はハハコグサ(母子草)。草餅の元祖で、風邪予防や解熱に効果がある。

(4)ハコベラ(繁縷)

ハコベラの花

別名はハコベ。目に良いビタミン(B群、C)が豊富で、腹痛の薬にもなる。

(5)ホトケノザ(仏の座)

ホトケノザ(タビラコ)の花

別名はタビラコ(田平子)。タンポポに似ていて、食物繊維が豊富。

なお、「春の七草」ではない同名の「ホトケノザ」(下の画像)もありますので、注意してください。

春の七草ではないホトケノザ

(6)スズナ(菘)

スズナの花

カブ(蕪)のことで、ビタミン(A、B1、B2、C)やカルシウムが豊富。

(7)スズシロ(蘿蔔)

スズシロの花

ダイコン(大根)のことで、ビタミン(A、C)が豊富で消化を助け、風邪の予防にもなる。

2.春の七草の由来

中国の唐の時代(618年~907年)に、人の日(1月7日)に七種菜羹(ななしゅさいのかん)という7つの草や野菜を混ぜた汁物を食べる風習が始まりました。

体に良い食材をとることで、無病息災を願ったということです。また立身出世への願いも込められていたそうです。

この風習は奈良時代に日本に伝わったと言われています。当時、日本ではお正月に若菜を摘んで食べる「若菜摘み」という風習がありました。

万葉集には「春日野に煙立つ見ゆ少女(おとめ)らし春野のうはぎ摘みて煮らしも」という歌があります。「うはぎ」とは「ヨメナ(嫁菜)」のことです。

平安朝では、七日の七草粥のための「若菜摘み」が宮中の年中行事となっていました。

百人一首にも光孝天皇の「君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ」というこの風習を詠んだ歌があります。

また1月15日には7種類の穀類をお粥にして食べる習慣もありました。7種類の穀類とは、稲・粟・稗・黍・蓑米・胡麻・小豆です。

①稲(いね)

稲

②粟(あわ)

粟

③稗(ひえ)

稗

④黍(きび)

黍

⑤蓑米(みの)

蓑米

⑥胡麻(ごま)

胡麻

⑦小豆(あずき)

小豆

平安時代になると、中国の七種菜羹と若菜摘み、7種の穀類を食べる風習が結びつき、現代の七草粥の原型になりました。

江戸時代になると、「五節句」の一つの「人日(じんじつ)の節句」が制定されました。この人日は中国の「人の日」に由来するため1月7日とされました。

この節句が「七草の節句」と呼ばれるのはそのためです。これにより、1月7日に七草粥を食べる風習が一般の人々にも定着するようになりました。

ということで、「春の七草」は誰か特定の人が選んで決めたわけではなく、栄養価のある野草や野菜を中心に長い間の人々の知恵によって定まって来たようです。

「秋の七草」は「花」を主眼として選ばれていますが、「春の七草」は「食」を主眼としているようです。

3.春の七草の覚え方

(1)「短歌」で覚える方法

短歌のように「五七五七七」のリズムで、「せり・なずな ごぎょう・はこべら ほとけのざ すずな・すずしろ これぞ七草」と覚えるのが一番覚えやすいと思います。

リズムがよいので、呪文のように何回か唱えていれば覚えられます。

この歌はよみ人知らずの古歌ですが、江戸時代の1784年に刊行された「やしなひぐさー前編」にすでに掲載されています。

以前NHKの「春の七草」に関する番組で、「道草食い」として有名な岡本信人さんが、「春の七草の歌は四辻の左大臣」と述べていましたが、はっきりしたことはわかりません。

ちなみに「四辻の左大臣(よつつじのさだいじん)」とは、南北朝時代から室町時代にかけての公家・学者・歌人の四辻善成(よつつじよしなり)(1326年~1402年)のことです。

(2)「頭文字」で覚える方法

「セ(せり)ナ(なずな)は(はこべら)ゴッ(ごぎょう)ホと(ほとけのざ)鈴2つ(すずな・すずしろ)が好き」で「セナはゴッホと鈴2つが好き」と覚えます。

ある程度うろ覚えでも名前を知っていれば、思い出せるかもしれませんが、少し無理があります。

4.「七草」とは

「七草」とは、7種類の野草・野菜のことです。

野菜が入った粥(七草粥)を「人日(じんじつ)の節句」(1月7日)の朝に食べる風習が今でも残っています。

元々の「七草」は「秋の七草」を指し、「小正月(こしょうがつ)」(1月15日)のものは「七種(ななくさ)」と書きます。一般に7日正月のものは「七草」と書きます。

今ではもともとの意味は失われ、人日の風習と小正月の風習が入り混じり、1月7日に「七草粥」が食べられるようになったと考えられています。

年末年始やお正月を終え、胃や身体をいたわるために七草粥を食べ、今年一年の無病息災を願う行事です。野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補うという効能もあります。



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