「山口誓子」と高槻市の「摂津峡」にある「ホタルの句碑」

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俳人山口誓子

山口誓子と言えば、高校時代に「現代国語」の教科書に出ていた「學問の さびしさに堪へ 炭をつぐ」がとても印象に残っています。

若い人は「火鉢」を使って暖を取った経験がないのでピンと来ないかも知れませんが、私のような団塊世代は子供の頃、茶の間で家族全員が大きな丸火鉢の周りに集まって暖を採りながらラジオを聞いていました。そして火鉢で餅を焼いたりしましたのでこの感覚がよく伝わって来ます。

彼は、「自選自解 山口誓子句集」の中で、この俳句について次のように述べています。

「学問」といういかめしい言葉を使っているが、そのとき私は東京大学の法科の学生として、法律を勉強していた。「学問」は、法律の学問のことである。法律の勉強には、条文の丸暗記や論理的な解釈が必要で、味気ない、わびしい勉強だった。「学問のさびしさ」は、そういう「さびしさ」を詠ったのだ。

その「さびしさ」に堪えて勉強をつづけているが、火鉢の炭火が尽きて、部屋が冷えて来ると、炭をつぎ足して、暖を採るのである。本郷の下宿における私の自画像である。

「学問のきびしさ」と違うのかと聞いたひとがあった。学問のきびしいことは云うまでもない。私はその上にわびしさを詠ったのだ。

火鉢が姿を消してしまったら、「炭をつぐ」がわからなくなるだろう。

1.「山口誓子」とは

「山口誓子」(1901年~1994年)は京都府出身の俳人で、高浜虚子に師事しました。水原秋桜子、高野素十、阿波野青畝とともに「ホトトギスの四S」と称されました。

平易で親しみやすく、しかも新鮮な感じのする俳句が多く私が好きな俳人の一人です。

私の好きな俳句は次のようなものです。

「ピストルがプールの硬き面(も)にひびき」

「かりかりと蟷螂(とうろう)蜂の皃(かほ)を食(は)む」

「海に出て木枯帰るところなし」

「匙なめて童たのしも夏氷」

「七月の靑嶺まぢかく熔鑛爐」

「扇風器大き翼をやすめたり」

「スケートの紐むすぶ間も逸りつつ」

「するすると岩をするすると地を蜥蜴(とかげ)」

1926年に大学卒業後、住友本社に入社しますが、上司が歌人の川田順だったので、この上司の理解を得て句作に励むことが出来たそうです。1942年には住友本社を退職し嘱託となっています。

2.「摂津峡」にある「ホタルの句碑」とは

「摂津峡」とは、高槻市内を南北に流れる芥川の中・上流に広がる渓谷で、約3kmに渡って奇岩や断崖、滝などに加え桜や紅葉など四季折々に表情豊かな風景が見られることから、大分県にある日本三大奇景の一つの「耶馬渓(やばけい)」になぞらえて「摂津耶馬渓」とも呼ばれます。

私が子供の頃は、単に「耶馬渓」と呼んでいました。

私はある時、この「摂津峡」を「かじか荘」や「桜公園」のある「下の口」から上流に向かって川沿いの細い道や岩場を歩いて、「上の口」まで行ったことがあります。その途中の温泉旅館「山水館」を過ぎた辺りに山口誓子の次のような「ホタルの句碑」があります。

「流蛍の 自力で水を 離れ飛ぶ」

ホタルの里 Healing



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