スイカに赤色の品種のほかに黄色の品種があるのはなぜか?

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スイカ赤スイカ

団塊世代の私が子供の頃は、スイカと言えば「赤色」に決まっていました。しかし最近は「黄色スイカ」も出回っています。

スイカに赤色の品種のほかに黄色の品種があるのはなぜでしょうか?また味や特徴はどのように違うのでしょうか?

今回はこれらについてわかりやすくご紹介したいと思います。

1.赤色の品種のほかに黄色の品種がある理由

スイカ

「スイカ=赤色」と思ってしまうほど、赤いスイカの方がメジャーです。しかし、最近は黄色いスイカも売られているのを目にするようになりました。ということは、黄色いスイカは最近できたものなのでしょうか?

実はスイカの果肉は、もともと白色や黄色でした。今ほど鮮やかな黄色でもありませんでしたが、薄い黄色や黄緑色、白色に近い色をしていたといわれています。そして、味も苦くて固く、今と違って全然美味しくありませんでした。現在主流の赤いスイカは、品種改良によるものです。

スイカの原種はウリに近い味で、苦みが強かったことから、甘くおいしくなるように品種改良が繰り返されたのです。

しかしかし、スイカの英名「ウォーターメロン」からもわかる通り、水分補給には適していました。そして、日の当たらない涼しい場所に置いておけば、数か月は保存が効くという特徴もありました。

そこで、野生のスイカがあったエジプトでは、水分を得るためにスイカを栽培するようになったと考えられています。水分補給のために、スイカの味をなんとか美味しくしたいと考え、品種改良を重ねてきました。

品種改良を繰り返しているうちに、糖度を決める遺伝子は赤色を持つ遺伝子とペアになっているということが明らかになりました。美味しいスイカにするために甘みを増していくと、同時に色も黄色から赤色へと徐々に変化していったのです。

つまり、「あとから赤いスイカが誕生した」わけです。そして、その美味しさから、黄色いスイカより広まっていきました。しかし遺伝子的には黄色の方が優性なので、今でも黄色いスイカと赤いスイカを掛け合わせれば、黄色いスイカができます

2.赤色の品種と黄色の品種の違い

スイカ黄色

甘くてみずみずしいスイカ。最近は果肉が黄色い品種を目にすることが増えてきました。

そこで、黄色いスイカの特徴や産地、赤いスイカとの味や栄養成分の違いなどについてご紹介します。まだ食べたことがない方も、きっと食べてみたくなる情報が満載です。

(1)特徴

果肉が黄色いスイカは、赤いスイカと同じウリ科スイカ属に分類され、「黄西瓜や「黄肉西瓜などとも呼ばれます。

黄色いスイカ全般を「クリームスイカ」と呼ぶ場合もありますが、大玉種をクリームスイカと呼ぶこともあります。

ほかにも果肉の色が濃い「オレンジハート」や小玉の「黄太郎」などいろいろな品種があります。

黄色いスイカの見た目(外観)は赤いスイカと変わらないため、外見で区別することができません。果肉の色はレモンイエローのような薄いものから山吹色のような濃いものまで品種によってさまざまです。

黄色いスイカの多くは、シャリシャリとした歯触りさっぱりとした甘みが特徴です。「クリームスイカ」はとろけるような食感と、強い甘みがあります。

(2)産地と旬

黄色いスイカ名産地は、千葉県成田市。東京都中央卸売市場の取扱実績(令和2年)によると、年間約1,500トンが栽培されています。市内の遠山地区市では主に赤色スイカが栽培され、黄色いスイカは久住地区を中心に栽培されています。

成田市で栽培されている黄色いスイカの代表品種は、ひと玉が8~12kgにもなる大玉の「こがね」のほか、鮮やかな黄色が特徴の「ゴールデン旭都」です。

黄色いスイカは、ハウス栽培ものGW明け~6月初旬まで露地もの8月に収穫の最盛期を迎えます。

(3)味

黄色いスイカの品種改良が進み、赤いスイカと比較しても遜色ないほど甘くおいしいものが増えていますスイカの甘さは果肉の色による違いではなく、品種によって違います

以前は、赤いスイカの方が甘くて美味しいと言われていました。しかし、今の黄色いスイカは、品種改良のおかげで赤いスイカと変わらない美味しさがあります。糖度も、11度~12度と赤いスイカと同じくらいになりました。

初めて食べる人は、あまりにも赤いスイカと変わらない味なので、見た目とのギャップに驚く方が多いそうです。

(4)栄養成分

黄色いスイカと赤いスイカは、色素成分に違いがあり、栄養面に大きく関わってきます。黄色いスイカには黄色い色素成分をもつ「キサントフィル」が含まれており、一方、赤いスイカは赤い色素成分をもつ「リコピン」が多く含まれているため、赤い果肉になります。

リコピン強い抗酸化作用。美肌効果。生活習慣病やガン、老化の予防
キサントフィル脂肪燃焼効果。眼の疲れを回復。眼病予防。

などがあります。

どちらもダイエットや美容に良いことがわかります。90%が水分で利尿作用もあり、むくみなども改善されますし血行も良くなります。

水分だけでなくビタミンやミネラルも含まれていて熱中症対策にもなるので、まさに夏にピッタリの果物です。

3.黄色いスイカの品種

(1)おつきさま

北海道月形町産の大玉スイカ。皮は縞模様ではなく真っ黒ですが、」果肉は黄色いスイカです。見た目も「おつきさま」という名の通り美しく、さっぱりとした甘みが特徴です。

生産者が少なくてレアな品種なので、北海道以外だと首都圏の一部にしか流通していないスイカです。しかしネット注文もできます。贈答品としても、とても喜ばれるスイカです。

(2)ひまわり

向日葵の生産が盛んな北海道北竜産のスイカ、その名も「ひまわり」です。小玉で保存がしやすいスイカです。こちらもスッキリとした甘さで、人気があります。見た目は、赤いスイカと同じ縞模様をしています。

北竜町の特産品で、「北竜ひまわりスイカ」とも呼ばれています。

(3)おおとり

こちらも小玉スイカで縞模様。「おつきさま」や「ひまわり」よりも、甘さがぎっしりと詰まっています。シャリシャリとした食感が特徴で、繊維が少ないので舌触りも良いです。赤いスイカと変わらない美味しさが楽しめる黄色いスイカです。